シャドウピッチング

活字が好きじゃなかった私も、なぜか文章を書きたくなってきた。これも歳なのか。。。

家族としての犬  商品としての犬

2010年09月01日 22時56分59秒 | 出来事・思うこと
私は今まで動物を飼った事がありません。

昔昔、親戚の家で、飼われていた猫をなでていたら急に離れて行き、振り返ったと思ったら助走付で飛び掛られ、振り向かずに去られた事があります。私は手に切り傷を。。。それ以来猫はどんなにかわいくても好きになれません。

それに比べると、犬は忠実です!なので、いつか犬を飼いたいと思っています。

娘が小学校の時、彼女に犬ブームが来ました。ペットショップに一緒に通い、何の犬がよいか良く見に行きました。
しかし、うちの妻は犬が大の苦手です。小さい時に追いかけられ、その時のトラウマからどうしても怖くて近寄れません。なので、犬を飼うのは大反対です。。。

わがままではありますが、犬を飼う体験ができればと思っていたところ、会社の同期の仲間が、『じゃあうちのマリを預かって!』と言ってきてくれました。
彼女は当時13歳くらいのおばあさん犬。ゴールデンレトリバーとなんだったか忘れましたがMIX犬でした。つまり大型犬です。
家族全員初心者でしたから、正直不安の方がとても大きかったですが、良い経験だと思い預かる事にしました。

彼女はご主人が旅行に行く時に近所に預かってもらったりする事を経験しているらしく、始めてきた我が家の庭にもさほど違和感なく慣れてくれました。室外犬として育てられていましたので、夜も一人(一匹)知らない土地で寝てくれました。静かに。

大型犬ですから散歩も大変。ウンチも巨大。とは言えはじめてのお客様と言う事で、隣のお坊ちゃんやお嬢様も一緒に散歩。みんなでワイワイ歩きました。

そんな事を二回経験し、二回とも事故もなく無事に我が家で過ごしていってくれました。



で、その経験で十分だったのでしょう。娘のブームは終了。散歩は大変、と言う印象のみを残し、我が家で『犬を飼う』と言う話題は徐々に消え去っていきました。

数年後、我が家に二泊した「マリ」はその生涯を全うし、天に召されました。


そう、犬を飼うということは当然死を受け入れないといけない事が待ち構えています。それを考えては何もできないんでしょうが、それはそれはつらい事でしょう。二泊しかしていない彼女に対しても、妻はとてもさびしく落胆していました。

日本のペットブームについてはさまざまな問題が提起されています。
ひとつは子犬の販売時の『生後何ヶ月か』と言う事。3ヶ月くらいまでが高値で推移し、半年を越えるとどんどん値が下がっていきます。近所のカインズホームでもペットコーナーがありますが、この犬安い!と思うと、半年を経過していてそこそこ大きくなっています。この子はあと何ヶ月販売ルートに乗れるのだろうと、つい気になってしまいます。売れ残った犬はどうなるのでしょう?かなりの頭数でそう言う犬がいると簡単に想定できます。
ドイツでは子犬は生後8週間を過ぎるまでは、母犬から引き離すことは禁じられています。犬でも生まれたばかりは母親の愛を受け育たないと、正常な生育はないとの考え。まあドイツの場合、犬を完全に家族と同等に扱うような法律もあったり、ペットショップで犬を買うという商流も存在しないので、全く日本とは違います。が、逆に商品として扱い、夜遅くになっても蛍光灯のつくきれいなガラスケースの中で多くの人間に眺められて眠れない生活を子犬に強いるのは、やっぱりいかがなものかと思います。

しかも、悪徳ブリーダーの話題も絶えません。シェルターにはたくさんの犬が里親を待っています。イオンレイクタウンのペットショップ知ってます?高級ホテルのロビーのようなセレブな雰囲気。『これペットショップ?』と思ってしまいます。が、ここでは理由あって飼う事ができなくなった成犬もおいています。一定期間里親を求めて。

<PETCITY PECOSレイクタウン店>



今年の1月に、NHKの『追跡!AtoZ』でも、「なぜ繰り返される ペットの悲劇」と言うテーマで放送されていました。
<NHK 追跡!AtoZ
犬のシェルターでも、里親探しをネットで展開しています。ここ数年は里親になられている方も増えているようです。
<NPO法人犬とねこのためのライフボード>
犬をひとつの命と考える事は当たり前ですよね。そうなると、やっぱり法的に制限を設ける事しか解決策はないんでしょう。ただし、犬には選挙権がない。犬の命の尊厳を守っても票が入らない。動物のなかで犬や猫と言うペットの類だけを守ると動物愛護団体との関係が難しい。(そんな事はないか?)いずれにせよ、法的に改善しないといけない事のプライオリティが低いと言う事はあるでしょう。たぶん。悲しいですが。モラルに委ねているだけでは根本的な改善はありえないと思います。



シェルターにいる犬の写真を見るとなんとも言えない気持ちになるのですが、でも結局自分も「犬飼う?」と言う事に対して、まだ腰を上げられないんですよね。やっぱり責任を持たないといけないわけで。安易には。。。
50才過ぎて、娘も全く相手してくれなくなってきたら、考えようかな。。その時は子犬ではなく成犬で。(成犬の方が初心者は入りやすいとも聞きますよ)