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ゴキッチョと鳴く声きけばうづらかな 北野照夫

2016年08月23日 | 俳句
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北野照夫
ゴキッチョと鳴く声きけばうづらかな

鶉(ウズラ)は特有の斑(フ)を持っているので、枯草に紛れると保護色となって見えなくなる。以前は人家の近くでも結構見かけたが昨今の東京近郊ではほとんど見かけなくなった。江戸時代にはグツクルルルルと高く澄んだ声を鳴かせて鑑賞する「鳴き鶉の会」が武家町民の間で流行ったとも。鳥の声は人間の言葉に聞きなされてきたが代表的なのはウグイスの「法、法華経」、ホトトギスの「特許許可局」、コジュケイの「ちょっと来い、ちょっと来い」などなど。人によって様々に聞こえる鳴き声であるが、今作者は鶉の声を「ゴキッチョ、ご吉兆」と聞きなしている。今日も明るい秋の空が広がっている。「読売俳壇」(「読売新聞社」2014年12月29日付)所載。