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福永耕二
新宿ははるかなる墓碑鳥渡る
学校で就職でと若人は東京で出る。初めての都会に戸惑いつつ街の生活に塗れてゆく。学校では少々の知識と多くの友人を得た。やがて就職、辛い勤務に日々埋没して行く。様々な喜怒哀楽に揉まれ酒の味を覚える。憧れの女性に出会ったのもあの街であった。こんな青春を謳歌し遊んだ街は東京を代表する新宿であった。ゴールデン街と言う薄暗い繁華街に入り浸ったりした。そうあれが「青春」と呼ばれるものだったろうか。やがて疲れ果て故郷へ戻ってくる。あの東京は今時間空間ともはるかなるものとなった。青春は今新宿と言う墓碑に刻まれはるかなるものとなった。見上げる天空には鳥の群れが次の居場所へ向かって渡っている。「踏歌」所載。
福永耕二
新宿ははるかなる墓碑鳥渡る
学校で就職でと若人は東京で出る。初めての都会に戸惑いつつ街の生活に塗れてゆく。学校では少々の知識と多くの友人を得た。やがて就職、辛い勤務に日々埋没して行く。様々な喜怒哀楽に揉まれ酒の味を覚える。憧れの女性に出会ったのもあの街であった。こんな青春を謳歌し遊んだ街は東京を代表する新宿であった。ゴールデン街と言う薄暗い繁華街に入り浸ったりした。そうあれが「青春」と呼ばれるものだったろうか。やがて疲れ果て故郷へ戻ってくる。あの東京は今時間空間ともはるかなるものとなった。青春は今新宿と言う墓碑に刻まれはるかなるものとなった。見上げる天空には鳥の群れが次の居場所へ向かって渡っている。「踏歌」所載。