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月明や土台ばかりの四百戸 高木俊明

2016年08月29日 | 俳句
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高木俊明
月明や土台ばかりの四百戸

四百戸ほどの陸奥の街が突如この世から消えた。2011年(平成23年)3月11日午後2時46分に発生した東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波がさらっていったのだ。何の咎罪の無い住民があっと言う間にさらわれていった。天災という不条理に人間はなす術を知らない。あの顔この顔が消えて人気のない街。かつて在りし家の土台ばかりが月の光に曝されている。『復興いわき・海の俳句全国大会:大賞句』(2016)より引く。:やんま記