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星一つ残して落つる花火かな 酒井抱一

2016年08月16日 | 俳句
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酒井抱一
星一つ残して落つる花火かな

打ちあがる度に歓声の上がる大花火。花火は日常に咲いた夢幻の実現である。(ねむりても旅の花火の胸にひらく:大野林火)ではないが、諏訪湖、河口湖、熱海など旅先の花火は記憶の中に生涯の華を飾っている。私は東京下町の生まれなので千葉の柏に晩年を送っているが隅田の花火が心に宿って離れない。その大川(隅田川)の花火が最後のクライマックスを終えて今果てた。まだあるまだあると言う期待も果てて見上げる空には星が一つ瞬いているだけ。一つ夢が終わり中天に木星がぽっつりと輝いている。〔江戸続八百韻〕:やんま記