仕事を一切止めて数年。幸い夫婦ともに健康です。近頃よく夫婦愛のことを考えることがあります。老年になって初めて自分達の夫婦というものが良く理解出来るような気分になっています。気分になっているだけで論理的に理解したわけでもなく、理路整然と皆様へご説明することも出来ません。
少し考えてみると夫婦愛の内容は、新婚時代、中年時代、老年時代になるに従って違うような気がします。新婚時代はお互いによく理解していなくて甘い夢の気分で過ごします。結婚してから子供が5、6歳になるまでが新婚時代といえそうです。子供が2、3人になり学校に上がるようになると生活費や学費に追われ、夫は残業をしながら夢中で働きます。妻は子供の世話が忙しくなるし、子供は自分の意見を勝手に言いだします。夫婦が一番忙しい時期です。夫婦愛のことなど考える暇も有りません。
それでも子供達が就職して最後の子供が結婚すると、やがて静かな老年期になります。仕事はまだ続きますが、人生の義務を果たしたようで、気持にゆとりができます。このころから夫婦愛というものを折にふれて考えるようになります。この時期の夫婦愛の特徴はお互いに感謝の気持ちが混じるようになります。単なる男女の愛からもう少し高い次元の愛へと変わります。この状態がすすむとお互いに感謝しながら死んでゆくことになるのでしょう。
夫婦愛は夫婦の経てきた日々の歴史によって変化して行くような気がします。
しかし、お互いに感謝の気持ちになって終わると言えば綺麗事すぎます。そこには男女の愛の危なさや緊張が混じっています。老人の皆様、決して油断しないようにしましょう。
つまらない話でしたので、最後に雪山を背景にした芝桜の花の写真を添えておきます。
今日も、それぞれの夫婦愛に満ちた健康な日になりますようにお祈りいたします。
藤山杜人