後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

ミャンマー、タイ、韓国、中国、日本は仏教共同体

2019年05月23日 | 日記・エッセイ・コラム
佛教は紀元前6世紀の中葉にお釈迦様によって作られた世界宗教です。
それがスリランカに渡り、現在のようにミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムなどに普及しています。
一方、1世紀以後に中央アジアから中国、朝鮮、台湾、日本へと伝承されました。
従ってこれらのアジアの国々は仏教国として共通の価値観を持っている佛教文明共同体なのです。
それはさて置き仏教国のタイにおける托鉢風景の写真を見ましょう。







これらの写真の出典は「タイ仏教修行」で、そのURLは以下の通りです。
https://www.bing.com/images/search?q=%E3%82%BF%E3%82%A4+%E4%BB%8F%E6%95%99+%E4%BF%AE%E8%A1%8C&go=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&qs=ds&form=QBIDMH
佛教文明共同体の国々の人はこの様な写真を見ると感動する筈です。そして自分の人生について考えます。
これらの写真はアジアの国々の仏教国として共通の価値観の一つの実例です。出家と托鉢修行は非常に重要なものだという共通の価値感なのです。

それではお釈迦さまの教えはどういうものだったのでしょうか?
私は次のように要約しました。
(1)釈迦は自分が死んだら墓を作らず、遺骨は野に捨てよと教えました。
(2)釈迦は佛像を拝んではいけない、仏像など作ってはいけないと教えました。
(3)釈迦は全ての殺生を禁じました。
(4)釈迦は妻や家族から離れて出家せよと教えました。
(5)釈迦は教えの中心の「色即是空、空即是色」であると教えました。
   これを本当に深く理解し信じるために家族から離れて出家せよと教えました。

佛教には神がいません。人間はあくまでも自分の修行で悟りの境地に入れると教えたのでし。悟りの境地に入れば人間の全ての欲が消え、全ての執着も苦悩も消えてしまうのです。それこそが人間が一番幸せな境地なのです。
しかし上記の5つの教えを実行することは普通の人間にとっては不可能です。そこで実行しやすい方法をいろいろ考えました。インド人が考えたのです。
その方法の違いを大別すると上座部仏教と大乗仏教の2つに分類出来るのです。

5番目の写真は何時、何処で上座部仏教と大乗仏教が生まれ、何処へどの様に伝承されたかを分かり安く示した図面です。
この図面が明快に示すように仏教は上座部仏教(南伝仏教やテラワーダ仏教とも呼ばれます)と大乗仏教(北伝仏教)の二大宗派になりました。
上座部仏教は紀元前4世紀頃に初期仏教からインドで生まれ、それがスリランカに渡り、現在のようにミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムなどに普及しています。
一方、大乗仏教はインドで紀元前1世紀頃に作られ、1世紀以後に中央アジアから中国、朝鮮、台湾、日本へと伝承されました。
インドでの仏教は13世紀初頭には完全に消滅してしまい、仏教が生まれ派生したヒンズー教の国になったのです。
中国や朝鮮や日本に伝承された大乗仏教は玄奘三蔵法師が伝えたものです。
大乗仏教の教典を玄奘三蔵法師がインドから持って来て、唐の長安の大慈恩寺で漢文に翻訳したのです。そして大雅塔に全てのお経を大切に保管したのです。余談ながら私は1982年にこの大雅塔に登りました。
玄奘三蔵法師をモデルにした西遊記は中国、台湾、韓国、北朝鮮、そして日本の人々は同じように読んで知っています。
それはそれとて上座部仏教を忠実に信仰しているタイ王国のことを簡単に書いておきます。
タイ王国という国名が示すように、この国は現在でもチャクリー王朝の王様の権限が大きく、不敬罪のある社会なのです。
この王朝は1782年(タイ仏暦2325年)に成立したのです。現在の王様は初代から数えて10代目のラーマ10世です。
この王国は 仏教を大切にしている文字通りの仏教国なので、お釈迦様が入滅した翌年の西暦の紀元前543年を仏滅紀元元年としている仏歴を日常生活に使っています。
現在のタイの人々はこの仏歴が身についていて西洋の西暦へ換算するのが難しい人々が多いそうです。
そしてタイの社会では出家は成人への通過儀礼として非常に重要なのです。
出家で功徳を積み親や先祖の恩に報いるのです。
ですから今日の4枚の写真が示すように、修業中の人へ食物を献上する行為も自分の親や先祖の恩に報いるということになるのです。
詳しくは、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%81%AE%E4%BB%8F%E6%95%99 をご覧下さい。

個人的なことで恐縮ですが私の祖父は曹洞宗のお寺の住職でした。それで仏教関係の本を多く読みました。
日本の仏教は中国や朝鮮の百済を通って飛鳥時代に入って来ました、そのせいで中国の道教や儒教や朝鮮の原始宗教と習合し多神教的な宗教になっているようです。お寺のご本尊はお釈迦様ではなく薬師様、観音様、弘法大師様、伝教大師様などいろいろです。
しかしタイのお寺のご本尊様はお釈迦様なのです。お釈迦さまの座った姿の仏像か、寝た姿の涅槃像なのです。
そして出家による修行を大切にしています。私個人は修行無くしては宗教を理解出来ないと信じていますので、タイの仏教こそ本物だと魅力を感じるのです。そんな事を書いていると長くなるので今日はここまでにします。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

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