後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「プーチン大統領の以前の攻撃による医師、看護師、病人の殺害」

2022年03月06日 | インポート
昨日、「ロシアによるウクライナ侵攻による精神的衝撃の大きさ」 という記事を載しました。そうしたらプーチン大統領は以前に武力を使って病院を襲ったというコメントを頂きました。プーチン大統領の本質を示す重要なコメントなのであらためてご紹介いたします。
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Motoko Boutdumondeさんからのコメント、
もちろんロシアのウクライナ侵略はどうしても許せませんし、とても心が痛みます。でも、数年前にロシアがシリアのアル・アサドの依頼を受けて、シリアの病院や学校を始め、多くの施設を爆撃しました。
すでに負傷していた兵士や市民を治療していた医師や看護婦たちを殺しました。
その時、何故他の国は何もしなかったのでしょう?何故その時プーチンとアル・アサドを国際司法裁判所で戦犯として裁かなかったのでしょう?

何もシリアだけではありません。ロシアのこれまでの侵略主義を許してきたのは我々ではないでしょうか?
ナチス台頭を見て見ぬ振りをして来たことと同じことを繰り返しました。
私は政治とかにはとても疎い浅学の身ですが、それでもこの十数年ずっと「今の世界情勢は第二次世界大戦前の雰囲気に酷似している」と言い続けて来ました。
第三次大戦が始まる、という意味ではありません。国民に自由を与えていない国々が勝手をやっても、それを事実上傍観していれば、いつか大きな戦争が起こるだろうという意味です。
それだけでなく、私の大きな疑問は、何故ウクライナ侵略にはこのようなショックを受けて、シリアなどについてはそれほど世論が動かなかったということです。
しかし、後悔しても遅いです。このウクライナの悲劇が起こったことで世界の人たちの目が覚めれば、ウクライナの国民の苦しみも無駄ではないでしょう。だからこそ今回はロシアの侵略を許してはなりません。
ロシアとは言いましたが、プーチンと言った方が正しいでしょう。
ゼレンスキー大統領を殺すためにアフリカに送っていた私兵ワグナーグループの400人、チェチェン軍を使い始めたプーチン。
徴兵制で兵役に行っていたロシアの若者たちはウクライナ侵略のために駆り出されたことを全く知らず、突然戦争に送り込まれたのですから、ウクライナ国民と同じように犠牲者でしょう。
プーチンは自分の言い分は一歩も引かないと言っているので、どうしたら交渉で解決できるのでしょう? (終わり)
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そして以下のようなコメントも頂きました。
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中村 裕一さんからのコメント、
私は主権国家が隣国の軍事強国に侵略された歴史的事例として、1990年のイラクによるクウェート侵攻・併合を想起します。この時は国連安保理はイラクへの経済制裁と武力行使を決議し、米国を中心として38ヵ国からなる多国籍軍がクウェートを武力で奪回しました。
ロシアの軍事侵攻は明らかに国際法違反ですが、ロシアは安保理に拒否権を有する常任理事国であり、今回は安保理による制裁決議は不可能です。国連総会による決議には法的拘束力がありません。今回が当時と異なるのはSNS他情報技術の進展で、現地情報の即時拡散や関係者による情報発信が頻繁に行われています。経済制裁やロシア国内外での戦争反対デモやSNS上の情報発信などの非軍事的方策の戦争抑止の実効性を見極めたいと思います。果たしてプーチン大統領に有効か、私は些か懐疑的です。 (終わり)
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以上の2つのコメントは日本人が深く考え議論しなければいけない重要なご意見です。ここにあらためてご紹介いたし、皆様にもお考え頂きたいと思います。
挿し絵がわりにウクライナに侵入したロシア軍の戦車とウクライナの被害状況の写真を示します。




「カトリック小金井教会、復活祭の前の四旬節第一主日のミサの写真です」

2022年03月06日 | 日記
3月2日が灰の水曜日で四旬節が始まりました。今日は四旬節第一主日です。
教会のミサにあずかり聖餅を貰いました。聖餅は聖体と同じことです。

聖体(せいたい)とは、カトリック教会、正教会、東方諸教会などキリスト教の旧派において、ミサや聖体礼儀で拝領、礼拝するために聖別されたパンのことです。

聖体はキリストの体の実体として信じられているのです。

なおプロテスタント教会では聖体はありません。プロテスタント教会ではマリア信仰もありません。旧教は神秘的で、新教は合理的なのです。





「ウクライナ正教とはどんな宗教か?」

2022年03月06日 | 日記・エッセイ・コラム
戦乱の地、ウクライナの人々はどんな宗教を信じているのだろうか?
結論を急げば人々はウクライナ正教会の教義を信じようとしています。
正教とはルターの宗教改革をうけなかったキリスト教の一派です。カトリックや英国の聖公会のように宗教改革の影響の小さい古い宗派です。
簡単に言ってしまれば神秘的な儀式を重んじ、禁酒や禁欲の期間をもうけ節制します。例えば復活祭の前の40日間は禁酒や禁欲の期間としています。

今日はウクライナ正教会を考えてみましょう。
正教会は一カ国に一つの教会組織を置くことが原則です。例はウクライナ正教、ロシア正教会、ギリシャ正教会、ルーマニア正教会、日本正教会などなどです。。
これら各国ごとの正教会が異なる教義を信奉しているわけでは無く、同じ信仰を有しているのです。 
少し歴史を見ましょう。
ウクライナ独立正教会の創立会議は1921年にキエフの聖ソフィア大聖堂で行われました。 そしてロシア正教会からの独立し、ウクライナの自治教会の創立を宣言します。
その後のソ連時代になると、ウクライナ独立正教会は弾圧され、聖職者全員と信者の一部はソ連の秘密警察によって惨殺されmさした。 共産主義は宗教を否定し弾圧をしたのです。ソ連にあった多くの教会は爆破されたり倉庫に改装されました。
しかし1991年のソ連の崩壊により宗教が復活したのです。
2001年においてウクライナ独立正教会は11の主教区があり、404人の主教・司祭・輔祭がいたのです。
ウクライナ正教会の信者はウクライナの西部・中部に最も多くいます。
ウクライナ正教会はウクライナにおけるカトリックや諸教会とならんで有力な宗派です。 
それでは正教会の教義はどういうものでしょう?
イスス・ハリストス(イエス・キリストのこと)の十字架刑による死と復活を信じています。その証人とされる使徒達の信仰と、使徒達から始まった教会のあり方を唯一正しく受け継いでいると自認している。ですから正教と自称しているのです。
その信仰は神の啓示を信仰の基盤とし、連綿と受け継がれてきた神による啓示に基づく信仰と教えを、聖伝と呼びます。
聖伝を伝えていくにあたっては、聖神(カトリックの聖霊)の導きがあるとしています。
正教会においては、キリスト教は復活の福音に他ならないとしています。 
そして正教会においては禁欲の規定が厳しいのが特徴です。
禁欲の規定は斎(ものいみ)と言います。
西方教会では、第二バチカン公会議以降、斎の義務がゆるやかになりましたが、正教会では今でも食物制限を伴う「斎」が教義上重要で、信者の生活の習慣となっているのです。
斎は主に食物摂取の規定されるが、斎の期間は他の遊興なども控え、行いを慎み、祈りを増やす努力をします。
斎の規定は食品を以下のように分類すます。
・肉
・魚
・乾酪類:卵およびすべての乳製品
・ぶどう酒とオリーブ油
・その他の食品
斎は程度に応じてこれらの食品を禁止します。 もっとも厳格な斎は、肉、魚、乾酪、酒、オリーブ油を全て禁じます。
よく禁止されているのはぶどう酒で、他の酒類も避けるのが通例です。
最も厳格な斎は次の時になされる。
・斎解禁時を除く、水曜日と金曜日
・降誕祭前日
・神現祭前日
・大斎・復活祭前、赦罪の主日の晩課後より復活祭までの期間の平日。西方教会のカトリックの四旬節に相当します。
以上のように正教では食べ物の節制と禁酒、禁欲が他の宗派より厳しいのが特徴です。
平和ならウクライナ正教の教会へ行って復活祭前の祈りを捧げる大斎の期間なのです。ウクライナの避難民は100万人を超えると言われています。避難民の生活がすこしでも安全であることを祈っております。

ロシアの暴虐な武力侵攻の続くウクライナの人々は以上のような信仰を背景に持っていたのです。

1番目の写真はウクライナ正教会の聖ムィハイール大聖堂 です。
2番目の写真はフレスコ画イコン『復活』です。
修道院の聖堂内の湾曲した天井に描かれています。主ハリストス(キリスト)がアダムとエヴァの手を取り、地獄から引き上げる情景を描いたものです。このハリストスの地獄降りのイコンが正教会においては復活のイコンとして定着しています。
3番目の写真は諸神品による奉神礼の光景 です。

今日はウクライナ正教会について簡単にご説明いたしました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)