goo blog サービス終了のお知らせ 

後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

石原莞爾と宮沢賢治は同じ国柱会員、宗教の怖さ!

2018年07月01日 | 日記・エッセイ・コラム
今日は宗教の素晴らしさと怖さを書いてみようと思います。
キリスト教も仏教も人間を幸せにする方法を教えています。この世での幸福だけでなく永遠の命を約束してくれます。それこそ、これ以上素晴らしいものはありません。
しかし軽率に宗教を利用すると恐ろしいことになります。
今日は同じ法華経の信者だった石原莞爾と宮沢賢治のあまりにも対照的な人生を描いて宗教の怖さ、危険さを明快にしたいと思います。
結論を先に書けば宮沢賢治は法華経の輝きであり、石原莞爾は法華経の闇なのです。
法華経にはこのように善い結果と悪い結果とを生みやすい内容が含まれているのです。
これこそ宗教の本質的な怖さでありキリスト教も例外ではありません。
キリスト教普及のため南米の先住民を殺戮し、植民地にしたスペイとポルトガルが宗教の怖さを如実に示しています。勿論、良心的な宣教師は殺戮に反対しましたが、それはあまりにも無力でした。

西洋のキリスト教布教と全く同じような思想で「大東亜共栄圏」を標榜したのが国柱会です。
軍部はその考えに同調し、近隣各国を侵略し、満州国を作ったのです。その参謀たちの中心に石原莞爾がいたのです。
大東亜戦争の精神的バックボーンを与えたのが法華経の国柱会だったのです。
そして宮沢賢治もこの国柱会の街頭宣伝をするほど熱心な会員だったのです。
何故、このような不思議なことが起きたのでしょうか?
少し注意深くこの問題を考えてみたいと思います。

国柱会(こくちゅうかい)は、日蓮宗と国家主義にもとずいた右翼思想宗教団体として発足しました。
戦前戦中においては日本の満州・中国・東南アジア・オセアニア地域への侵略を支持したことで有名です。この団体は法華経を信奉する在家の仏教教団なのです。
創始者の田中智学は「純正日蓮主義」を掲げ、法華経を国教とした日本が世界を征服し、世界を法華宗化するという遠大な目標をもっていました。
これは手段を選らばないで狂信的な布教をするキリスト教のいろいろな宣教会とよく似ているのです。

それはさておき、田中智学は「八紘一宇」という造語を創作し、これはのちに軍部のスローガンとして利用されました。私も戦争中の国民学校で、この「八紘一宇」を何度も叫んでいました。意味も分からず叫んでいました。
八紘一宇とは、全世界を天皇を頂点とした1つの国家に統一するという意味です。日本の軍部は八紘一宇の第一歩として「大東亜共栄圏」を標榜し、近隣各国を侵略していきました。結果として国柱会は大東亜戦争に思想的に加担したのです。そして戦前から存在する日蓮宗系の宗教団体は何らかの形で田中智学の思想の影響を受けているといわれています。
日蓮宗はもとより創価学会や立正佼成会などは田中智学の思想の影響を受けていると言われています。
国柱会の信者の石原莞爾は陸軍幹部、関東軍参謀として満州事変・満州国建国に深く関わった人物として知られていますが、彼の思想は国柱会の影響を深く受けていました。満州事変の首謀者でありながら、実は仏教の法華経を弘めようともしていました。
宮沢賢治も同様で、彼は終生国柱会の信者でした。宮沢賢治の妹のトシの分骨が国柱会の霊廟にあるのです。

戦後になりGHQは八紘一宇という単語の使用を禁止し、国柱会の日蓮国家主義も壊滅しようとしました。
しかし国柱会は1953(昭和28)年に宗教法人として認可され、現在は江戸川区一之江に本部があります。今なお滅びずに現存しているのです。さらに、その思想の根底はいまだに変わっていないのです。
国柱会の主旨は日蓮聖人が存命時に立てた目標を愚直に実現すること、すなわち日蓮聖人が唱えた「立正安国論」の実現が目標です。
これは現在の国柱会でもまったく変わっていません。これを「純正日蓮主義」と呼んでおり、立正安国論とは、全国民、ひいては全人類が法華経に帰依することで日本、そして全世界に平和と繁栄がもたらされるというものです。
田中智学はこれを法華経を中心に据えた国家主義思想へと発展させ、昭和初期の右翼活動家へ多大な影響を及ぼしました。最終目標は日本を仏教国家とし、ひいては世界が仏教化し法華経に帰依することによって平和を実現することにあったのですが、その過程として八紘一宇などの言葉を持ち出し、軍国主義と結びついたのです。

さて何故こんなにも危険な国柱会に宮沢賢治は入っていたのでしょうか?
法華経は全ての人間に佛性があり、他人の利益だけを考え自分を無にする利他行を行えば人間は生きている間に菩薩になると教えています。
賢治の「雨ニモ負ケズ・・・」という詩はこの法華経の教えの利他行を分かり易い詩にしたものなのです。
この利他行だけで終わっていれば怖いことは起きません。大東亜争も起きません。
しかし法華経にはもう一つの教えがあるのです。
自分だけ菩薩になって幸せな人生を送ってはいけないのです。他人を説得して法華経の素晴らしさを教えるべきと言うのです。
ですからこそ創価学会では折伏するという強迫的な説得方法が行われるのです。
当然、軍人は武力でアジア諸国を占領し法華経を普及させようという危険な間違いを実行してしまいます。
この間違いと同様のことを西洋のキリスト教ではスペインとポルトガルが南米で実行してしまったのです。

どこが大間違いだったかを明快に書きます。
宗教を国家の統治や政治に利用すれば必ず悲劇が起きるのです。欧米諸国ではこの悲劇を何度も経験した結果、「政教分離の大原則」を確立し、現代の民主主義を作ったのです。
鎌倉政権に日蓮が「立正安国論」を強要したことが間違いなのです。政権に宗教を強要してはいけない危険な行為なのです。
宗教は政治に関与してはいけないのです。これこそが間違いのもとなのです。
日蓮の「立正安国論」の場合と同じように、田中智学の「八紘一宇」の思想は大きな間違いであり、大きな悲劇を生んだのです。
勿論、石原莞爾も間違っていました。日本を敗戦に導いた一人になりました。

唯一、宮沢賢治だけは間違わなかったのです。
理由はたった一つです。法華経の普及や宣伝に武力を用いなかったのです。創価学会の折伏のような執拗な説得をしなかったのです。他人が賢治の献身的な利他行を見て法華経の信者になるのを待っていたのです。自分が37歳で死ぬ時に法華経を1000部作って皆に配るように父親に頼んだのです。それが賢治の唯一つの遺言でした。

キリスト教も仏教も人間を幸せにする方法を教えています。この世での幸福だけでなく永遠の命を約束してくれます。それこそ宗教の素晴らしさです。
しかしその宣伝と普及の方法を間違えると大きな悲劇が起きるのです。それが宗教の怖さです。宗教の危険さです。

宗教の宣伝や普及には自分が他人の幸福のために働く以外に方法がないのです。武力を使うことは論外です。言葉で説得してもいけません。自分が他人を感動させるような行動をする以外に方法はないのです。ですから私には出来ません。
ただ宮沢賢治は菩薩だったと信じることは出来ます。何時もの様に話は飛びますが、マザーテレサは観音菩薩のような方だったと信じています。

挿し絵代わりの写真は昨日、撮って来た花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)










今年も小金井市の真蔵院のハスの花が咲きだしました

2018年07月01日 | 写真
今年も小金井の真蔵院のハスの花が咲きだしました
毎年、7月初めに咲く真蔵院のハスの花が咲きだしました。駐車場まで用意してくれて気持ち良く写真を撮らせてくれます。心の広い住職様へ感謝しつつ先程撮って来ました。
写真をお楽しみ頂ければ嬉しいです。