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オホーツク海高気圧が強まる時に、山梨県内では?

2012-06-12 23:58:53 | インポート

①6月12日9時の天気図 気象庁HPより引用

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②6月12日9時のAXFE578図 日本気象予報士会HPより引用・加工

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6月12日は、梅雨前線が本州の南海上に横たわり、梅雨の主役の一つであるオホーツク海高気圧が北日本~東日本に冷気と送り込みました。

このため、北海道東部の内陸部では、朝方晴れ渡ったことも重なり、時ならぬ強い冷え込みとなり、根室中標津(中標津空港)では、最低気温が-2・0℃まで下がり、6月としては観測史上最も低い最低気温を観測しましたし、北海道東部内陸部の所処で、最低気温が0℃未満となる冬日を観測しました。

朝方の冷え込みが強まる気圧配置というと、まず連想されますのは、大陸からの寒気吹き出しが弱まった直後や、大陸からの移動性高気圧に覆われて、風の弱まっている朝方などと思いますが、要は、下層(上空1500m以下)にて寒気移流が強まって気温が低下している状態で、朝方風が弱く晴れ渡る場合であれば、朝方の冷え込みは、内陸部中心に強まります。

一方、梅雨の主役の一つである、オホーツク海高気圧が強まる際には、引用図①②を見比べると

◆500hpa(おおむね上空5500m付近)の気圧の峰のすぐ東側に地上天気図上のオホーツク海高気圧の中心が位置する。

と言うことが解りますが、実は以下のような特性があります

◆500hpaの気流の流れが南北の蛇行が著しくなる程、地表天気図上のオホーツク海高気圧は勢力を増す

と言うことです。

このことを換言すれば、オホーツク海高気圧が勢力を強めるほど、当該オホーツク海高気圧の東側に位置する、500hpa上の気圧の谷はより深まる と言うことで、このことは、オホーツク海高気圧が勢力を増すほど、当該高気圧の東側の下層では寒気移流がより強まると言うことですね。

高気圧の中心からは、時計回りに気流が流れますから、オホーツク海高気圧の東側の下層で寒気移流が強まることと同時に、当該、オホーツク海高気圧の東側~南東側~南側の下層でも寒気移流が強まってくるわけです。

引用図②の下側図より、

◆オホーツク海高気圧が強まっている際には、千島付近~三陸沖~関東東海上にかけても寒気移流となっています。

さらに、

◆関東平野付近の下層では、低温域が解析されるのが通常です。・・・・・これは、オホーツク海高気圧に伴う寒気移流(北高型)の場合、当該寒気移流の層の高さが、せいぜい1500m程度までしかならない(背が低い)ため、北側~西側を高い山地に囲まれる関東平野で、当該寒気移流に伴う低温域が周辺の山地を超えられずに、平野部周辺に滞留してしまうためです。

山梨県内では、オホーツク海高気圧が強まる場合

◆笹子峠西側~御坂山地北側で東~南東風が以外に強まり、風速(10分間の毎秒)10mを超えることも珍しくありません。・・・・・これは、前記したように、オホーツク海高気圧に伴う寒気移流(北高型)の層の高さが、せいぜい1500m程度までしかならない(背が低い)ため、北側~西側を高い山地に囲まれる関東平野で、当該寒気移流に伴う低温域が周辺の山地を超えられずにいるため、笹子峠付近~御坂山地付近の上空1500m付近では気温の逆転層が発生しており、当該気温の逆転層の発生が、笹子峠付近~御坂山地付近に分布する地形的鞍部を吹き抜ける気流(東~南東風)が強められることと、山越えのおろし風発生のメカニズムが働くことの双方が原因と私は思います。