公開

　高校生が中学生を殺してしまった。なんとも言いようが無い事件である。なんだか世も末である。テレビでは被害者の顔がモロに公開されていた。また被害者のブログまでもが放送されていた。

　顔写真は加害者と被害者が一画面に並べて放送されていたが、例によって加害者の顔はモザイクである。なんとも不思議な画面であった。被害者はもう死んじゃったから公開しても良いということだろうか。どうも納得いかない。加害者はまだ生きてるので、あとで名誉毀損とかで訴えられるのが面倒だから公開しないのではないかと勘ぐりたくなる。

　人権などというが、被害者の遺族もいるだろうに死んだとたんに人権は消えてしまうようである。死者には名誉も無い。そもそもよりにもよって加害者に対して腫れ物に触るような扱いをするのは理解できない。

　それからブログである。ブログは公開情報とはいえ、実態は内輪の公開に近く公開・非公開のハザマにあるようなものである。

　もともと公開されてるものだから放送波に乗せても良いという判断なのであろうか。世の中には被害者のブログをわざわざ探す人もいるだろうが、なにも放送することはないだろうに。Ｐｕｓｈ型で不特定多数に送るような情報じゃないと思う。

　しかもその中身は被害者の頭の中はボーイフレンドのことで一杯で、日々○×様に会ったとかなんか貰ったとか、そんなことばっかりである。名誉も何もあったものではない。あれでは親はたまらないだろう。

　ちなみに加害者のブログはあるのだろうか。あっても放送されないんでしょうね。なんだかやりきれない時代になったもんだ。
（写真は与那国島の馬）