日々の逃避

ある大学教員の単なる独り言です。
バイオマテリアルとか高分子とかを研究している・・・かも。

朝から災難

2017年06月13日 | 日常

今日は、「頭がおかしい人にからまれると大変ですよ」というお話。

自宅付近に、地域の循環バスも通行する一方通行の道がある。

朝、その道の歩道部分を歩いていると、後ろからはバスの音が。少しよけないとなぁ・・・と考えて壁側に寄ったときに、バスが後ろから最徐行(歩くのと同じぐらいの速度)で追い越してきた。バスと自分の間は50cmぐらいしかないけど、バスは歩道のラインは守って徐行しているので、特に危なくはない。そもそも、この循環バスは普通のバスよりはかなり小さくて、いつも安全運転してくれている。自分の周りにも数人の歩行者がいて、みんな少し立ち止まり気味にバスをやり過ごそうとしていた。当然、みんながいるのは「歩道の線の内側(=建物側)」。

いつも通りの、この地域の平和な穏やかな通勤・通学光景。

その時、前方から自転車が驚くほどものすごい勢いで突っ込んできた。乗っていたのは30歳ぐらいの気が強そうな顔の女。後ろに幼稚園児を乗せていた。

危ない!と思って立ち止まった。すると、その自転車は、「バスと自分の間のたった50cmぐらいのすき間」を目がけて突っ込んできて、そのまま自分の左腕に思いっきりぶつかってきた!

いて~よ!

こんな狭いとこに猛スピードで突っ込んでくるって、バカだろこいつ!なんなんだよ!

でもこんな非常識な人間にいちいちイライラしまくっていたら、東京みたいな人混みでは生きていけない。しかもこっちは通勤途中で大学に行かなきゃいけないし。

・・・と一瞬で思って(痛い左腕をさすりながら)やり過ごして歩き始めた。

そのとき、自転車で10mぐらい通り過ぎて自分の後方で急ブレーキをかけた女が、大声で叫んだ。

「ちょっと!」

・・・ いやいや、こんなひどい女に関わりたくないんですけど。

すると、

「お前わざとぶつかってきたでしょ!いまバッグでなぐりかかってきたでしょ!」

・・・はい!? バッグってなんだよ!?バッグなんてお前に全然ぶつかってもいね~よ!お前が自転車で勝手にぶつかってきたのはこっちの「腕」!しかもお前は加害者!被害者はこっち!

女が近づいてきた。なんか目がおかしい。怖すぎる。。。

そもそも、立ち止まっている人間に猛スピードで自転車でぶつかってきて「なぐられた」って言い張るって、頭おかしいでしょ。それを言うなら、「自転車を凶器にしてなぐられた」のはむしろこっちだってば。

どう考えてもこっちは全面的に被害者なんですけど。なんで加害者のこいつが逆ギレしてんのさ。

いつも大抵のことにはイライラしないけど、さすがにこれにはむかついてきた。

鬼のような形相の女がわめきちらして大騒ぎ。そして泣き止まない幼稚園児。猛スピードでバスのギリギリの所を通り過ぎたら、子供にしてみたら顔スレスレにバスの車体が来るわけでしょ。しかも人間に当たってるわけでしょ。そりゃ泣きますってば。こんな危険運転しかできな女って、子供の安全とかまったく考えていないんだろうなぁ・・・ 親を選べない子供がすごくかわいそう。

・・・などと子供に同情している場合じゃなくて、このおかしな女をなんとかしないと。

でもその女は、「こっちは被害者だ!」「お前がなぐりかかってきた!」「警察呼びますよ!」とわめき散らしてまったく解放してくれない。朝からこんなやつにつかまるなんて、すごく運が悪い。

そこで、このバカ女の「お望み通り」警察の人を呼んであげることにした。だってこっちはまったく非が無いわけだし。警察が来てくれた方が、こっちとしてはすごく好都合だ。こっちは「歩道」をゆっくり歩いていただけで、バスが来ているのにも関わらず、自分とバスのすき間に猛スピードで突っ込んできた自転車が100%悪い。どう考えても被害者はこっち。警察呼んだら不利になるのはこいつなのに ・・・ この女、わかってるんだろうか。

しばらくすると、その現場に4人ぐらいの警官がやって来た。事情を聞かれて、正確な状況を警官に伝えた。防犯カメラが電柱の上の方にあったので、「あれを見ることができるかわからないですけど、映像として残ってそうですよね」とも言ってみた。そうすれば、この女の無茶な運転があからさまになるし、この女がウソをついている証拠になるはず。こういうとき、防犯カメラの存在ってありがたい。

徐行しているバスとゆっくり歩いている(ほぼ止まっている)歩行者の間の狭いすき間に、自転車で猛スピードで突っ込んできて派手にぶつかったのはこの女。こっちはまったく悪くない。50cmのすき間に突っ込んでくるなよ。

その後、女はめちゃくちゃな論理で警官に説明し続けていた。その論理を聞いて、警官があきれた顔になり始めた。そりゃそうでしょ。その女、頭おかしいですもん。

すばらくすると、ちょっとげっそりと疲れた顔をしながら1人の警官がこっちにやってきて、小声で、

「向こうが100%悪いのでもう少し待っていてください・・・最近、危険運転の自転車が多いんですよ・・・あなたもあんな人に朝からからまれて大変ですね・・・お仕事大丈夫ですか?」

と言われた。えっと・・・大丈夫ではないですけど。。。でもさすが警官。ことの善悪をしっかりと理解してくれている。

今日は午前に講義がなくてよかった。。。そう思いながら、建物の壁に寄りかかって、のんびり立っていた。あとは、警官があの女を説教するのを待っているだけ。

聞こえてきたやり取りを抜粋すると・・・

女「あいつがぶつかってきた!あいつさえよけていればぶつからなかった!あいつさえいなかったらぶつからなかった!」

すごい主張だなぁ・・・。言い換えてみると、「信号さえなかったら信号無視しなかった!」「世の中にナイフさえなければ刺さなかった!」みたいなもんでしょ。すごい自己中心的。この時点で、こっちはすでにどん引きモード全開。

警「いや、あの人は歩いていただけですよね?しかもバスが横を通るときに、あの人はほぼ立ち止まっているんですよね?バスとあの人の間の狭いすき間にあなたが猛スピードで突っ込んだんですよね?足をついて一時停止しました?徐行しました?」

女「急いでいたから徐行なんかするわけないでしょ!?幼稚園児を乗せている自転車が簡単に止まれるわけないじゃないですか!私は幼稚園に急いでいたんです!私が止まるなんておかしいでしょ!あいつさえよけていればぶつからなかった!だって自転車が通るすき間が、こ~んな狭かったんですよ!!!ぶつかるに決まってるじゃないですか!」

と言いながら、その女が両手で「こ~んな」と実演したすき間は約30~50cmぐらい・・・ 誰にもぶつからずに猛スピードでそんなとこ通り抜けられるわけないだろ。この女、バカすぎる・・・。なんでこんなバカのために時間つぶされてるんだろう・・・。むなしい。。。

警「狭いですね。そんな狭いすき間に突っ込んでいったということは理解していらっしゃるんですね・・・?そこに猛スピードで突っ込んだんですよね?」
女「だから、あいつさえよければぶつからなかったの!すき間が狭いんだから突っ込むしかないでしょ???私は急いでいたんです!よけるのは人間の義務でしょ?自転車が止まれるわけないじゃない!?だから悪いのはあいつ!」

はぁ・・・この女の論理展開にはついていけん。。。。

警「いやいや、自転車は止まれます。止まってください。あの~、道路を見てもらえるとわかりますけど、下に線が描いてありますよね?あの男の人が歩いていたのは歩道ですよ?バスの幅を考えると、あの男の人が歩道を歩いていたのは間違いないんですよ。歩道では自転車は徐行の義務があるんで、止まらなきゃいけないのは自転車の方、つまりあなたですよ?」
女「歩道じゃなくて、ここは道路でしょ!!!道路なんだから自転車が優先でしょ!!!自転車は急いでいる人が乗る物でしょ!スピードが出るに決まってるじゃない!人間がよけるべきでしょ!なんで道路で自転車がスピードを出しちゃいけないのよ!」
警「いや、歩道の線がちゃんと引いてありますし、そもそも普通の道路上であっても自転車は優先じゃないです。優先されるのは人間です。止まる義務があるのはあなたです」
女「でもあいつがよけていればよかったわけでしょ!?」
警「いや、あの男性はほぼ立ち止まっていたわけだし、バスと人間の間のすき間に猛スピードの自転車で突っ込んだあなたが悪いんです。えっと、あなたは誤解しているかもしれないけど、彼は被害者で、加害者はあなたですよ?歩道で立ち止まっている人に自転車で一方的にぶつかったんだから、あなたが加害者ですよ?しかもバスと人の狭い間に突っ込んでいったなんて、危険運転ですよ」
女「なんであんたは警官なのに、あんな男の肩もつのよ!ぶつかられて痛かった被害者はこっちでしょ!」
警「だからそれは、ぶつかられたんじゃなくて、あなたがぶつかったわけでしょ?加害者はあなたですよ?」
女「・・・」
警「あちらの男性は防犯カメラの映像を見ることも承諾されていますよ。そうしたらすべてわかることになりますが、それでもいいですか?」
女「・・・」

結局最後には、警官たちに怒られた女が(すごく納得いかない顔で)非を認めた。いやいや、加害者なのに、なんで納得してない顔してんのさ。なんなんだ、この女。

9時前に自転車にぶつかられて、解放されたのが10時後半。こっちの2時間を返して欲しい。

げっそりしながら大学に到着したのが11時ごろ。

朝からとても不愉快。自分の身にこんな理不尽な出来事が起こるとは思ったことがなかった。とても最悪。

ネットで調べてみたら、自転車の危険運転の摘発件数は全国で年間15,000件近いらしい。摘発されたのがこの件数で、今日みたいな女が摘発されていないことを考えると ・・・ 潜在的な「危険な自転車」は数万~数十万台あるんだろうなぁ。でも歩行者としては気をつけようがないよなぁ。

というわけでみなさんも、「猛スピードで突っ込んでくる自転車」には気をつけてくださいませ。

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