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花椿です。
アマゾンに発注していた映画DVD「わたしを深く埋めて」と「女が愛して憎む
とき」が発売日の29日に届いた。 両方とも初のDVD化作品で主演が若尾文
子と田宮二郎とあらば死んでも見なければいけない。
ところが楽天のブラック・フライデー祭りで買ったパナソニックの新型DVD/
BDレコーダーの「おうちクラウドディーガ」を設置した日と重なったのがあっ
て忙しく(投資関連のブログも書かなければいけないし)、ようやく1日にアマゾ
ンのレビューで高評価だった「わたしを深く埋めて」を先に鑑賞した。
なお「埋めて」は俺は「うめて」と読んでいたんだが、俺が持っている大映ポス
ター集を見たら「うずめて」とわざわざ振り仮名が書いてある。 「私を埋めて
(うめて)」とはいったい何だ?と考えていたら「埋めて(うずめて)」なら、
まあ理解出来なくはないが最後のシーンを見て本当の意味がわかった。
しかし結論を先に書くと大駄作である。(笑) エンターテインメントの大御所
と言われる井上梅次カントクの悪い面が全部出た。 80年代の超人気2時間ド
ラマの「江戸川乱歩~美女シリーズ」も井上梅次やけど、この作品であればそも
そも天知茂が演じる明智小五郎が他人に扮装しても誰も気が付かず、最後に顔の
ゴムをはがして「明智小五郎だ!」とやっても不自然ではない。
何でか言うと視聴者はその非現実性を承知の上で見ているから多少ストーリーが
不自然でも、ありえない偶然が重なっても見ている側にとっては面白ければいい
となる。 ただそれをリアルに描くべきミステリ映画でやってしまっては見る側
のテンションは落ちる一方だ。
映画の冒頭からして弁護士の田宮が自宅マンションに戻ったら知らない若い女が
下着1枚で田宮を待っていたってのが大不自然。 それは知人に鍵を貸していて、
その知人が女をマンションに匿ったという説明がなされていたが、田宮自身は女
を帰した後で鍵もかけずにシャワーを浴びるもんだから暴漢が侵入する、そして
再び鍵をかけずに寝たから目が覚めたら目の前に警官が立っているなど、およそ
ありえない不自然なシーンの連続だ。
だいたい鍵を貸した知人(川崎敬三)の妻である若尾文子が田宮に「今日は自宅
に泊まったら」と言うのも言語道断なら、田宮が「ああ、そうですか」とばかり
に人妻の家に勝手に泊まるなど言語道断×2そのものじゃん。
(お手伝いさんのいる豪邸ではあったが、たいして用もないのに知人の妻の家に
一人で泊まるなど俺でもそんな事はしない)
江波杏子とも知り合ったばかりで早くも江波が勝手に田宮を好きになって田宮の
マンションに入り込むってのもなんだかねぇ。
しかも誰が飲むかもわからない酒に事前に毒を入れるトリックも乱暴だし、田宮
がその毒入り酒を飲む1秒前に電話がかかるのも不自然。 遺産を独り占めしたい
若尾ちゃんが真犯人?てのも、見る側の想定内であってあまりどんでん返しとは
言えない。
思うに不自然、偶然をつなぎ合わせただけのご都合主義が丸出しの大駄作である。
同じ若尾ちゃん主演のミステリ作品でも松本清張原作の「花実のない森」とは比
較にもならない。 DVDが1375円(=俺の買い値)まで値下がりするはず
だ。
あえて良い部分を探せば若尾文子、田宮二郎、江波杏子が楽しめた。 若尾ちゃん
は初めは変なヘアスタイル(ポスターの写真)で登場するけど、これは「しとやか
な獣」に出た時のヘアスタイルに似ている。 奇異やけど悪くはないと思う。
若尾ちゃんがちょうど30才の時と思うが(撮影時は29才)、人妻役をすると妙
にエロっぽいと思いながら見た。 詳細なストーリーはそこら辺の映画情報サイト
に出ていると思う。 ここではあまりにバカバカしくて書く気になれない。
写真上のポスターは俺が持っている大映映画のポスター集から俺自身が撮影した。
ポスターでは名前の最初が若尾文子となっているから主役はあくまで若尾ちゃんで
あるが、出番とか台詞の数は圧倒的に田宮二郎が多い。 実質的な主役は田宮二郎
だろう。 封切りは1963年(昭和38年)だ。
じゃあね、
2018年12月2日、21時20分記。