花椿夕月の『雪*星*さざれ石』

日本映画ネタ、雑ネタなど

☆1月7日 映画「わが胸に虹は消えず」を見た

2020年01月06日 | この映画見ました

花椿です。

昨日、映画「わが胸に虹は消えず」を見た。 このレアな映画作品はいつも

世話になっている巨大コレクターから1か月前に入手したけど、映画界デビュ

ー初期の宝田明が見たいというだけで、あまり知らない映画だし昨日まで放置

していた。


ところが、ところが、ところがこれが大当たり! 東宝作品でありながら中身

は松竹大船調をパクったようなドロドロ、ズルズルのメロ映画! 俺が今まで

に見た東宝メロ映画では「忘却の花びら」が圧倒的な大傑作と信じていたけど

いやはや、まだ上があったとは・・・。(苦笑)


簡単にストーリーを書くと、ある造船企業の若手社員をしている宝田明と美貌

の令嬢である河内桃子が偶然の出会いではあったが、河内が同じ会社の幹部(

上原謙)の娘といういきさつもあって思いを寄せ合う関係になった。


しかし娘を手放したくない上原の反対や河内に横恋慕する悪徳医師の妨害、さ

らに河内が上原の実の娘ではなかったという秘密の暴露などが重なった上に、

宝田の同僚である杉葉子が宝田を愛していたのが誤解を呼び、二人は意思に反

して離ればなれになった。


まさに「愛染かつら」「君の名は」「この世の花」「忘却の花びら」「あの橋

の畔で」などのエッセンスを丸ごと詰め込んだような「すれ違いメロドラマ」

の王道を感じる作品だったと思う。


けれども最終場面は予想もしなかった。 第一部から第二部へ進んで最後はみ

んな解決して宝田明と河内桃子が一緒になる、または何らかの事情で悲恋のま

ま終わる、そのどちらかしかないわけよ。 で、ワクワクしながら見続けた。


しかし、この映画は終わらなかった!(と確信する) 最後の場面で河内が

宝田と出会うが「私は母親の不義で生まれた娘です、あなたとは結婚できませ

ん」とか言いながら宝田の手を振り切って離れてしまう。 あとは河内桃子が

泣きながら一人でとぼとぼと歩くシーンで終わった。


愛し合いながらも別れようとしたのは理解したけど、話が何も解決していない

のだから(杉葉子の件にしても)当然、観客は第三部へ続くと考える。 が、

第三部は存在しない。 東宝サイドで何か事情があったとしか思えないが謎で

ある。 


ただ途中打ち切りのような作品じゃあったけど、メロ作品としてはかなり骨太

だったと思うね。 第二部まで2時間15分の長編、十分に楽しませてもらっ

た。


なお、この作品は監督は「ゴジラ」で有名な本多猪四郎だ。 配役も宝田明、

河内桃子、平田昭彦など「ゴジラ」の主要キャラ。 平田昭彦は悪役だった。 

宝田明と河内桃子はこの時代では珍しい長身コンビだわね。 河内桃子の姉

を演じた根岸明美も良い。


俺の評価はランクA(水準作よりも上)であるが第三部まで制作していたら

ランクAAは確実だね。 1957年(昭和32年)7月封切。 東宝配給

のモノクロ映画。(第一部のデータ) 


□写真1

映画のチラシ。 ヤフオクに出品してあったチラシの写真をコピーした。

□写真2

宝田明と河内桃子。

□写真3

宝田明と宝田に愛の告白をする杉葉子。

□写真4

宝田明と河内桃子。 第二部のラスト近くのシーン。

(写真はモノクロをカラーライズしてあります)


じゃ、またね。

2020年1月7日、午前1時20分記。
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