国際テロ文書だけ故意に?…公安情報流出
流出した資料は、イスラム過激派などによる「国際テロ」対策を担う警視庁公安部外事3課が保管していたとみられる。同課が動向を探っている外国人の台帳のほか、「協力者に育成するまでの心得」といった内偵捜査に関する資料も含まれ、公安警察の“手の内”が暴露される結果にもなった。公安部の内規では、業務上の文書のデータはすべて専用コンピューターに保存し、作成に使ったパソコン上の文書やメモは削除するよう義務付けられている。(中略)流出した文書は、国際テロに関するものに限られていた。その大半は、今年5月のゴールデンウイーク中に「PDF」と呼ばれる電子文書に変換されたことが明らか(中略)先進諸国の治安当局や情報機関は、2001年の米9・11同時テロを機に、担当者同士が情報交換する「インテリジェンス・コミュニティー」を強化し、国際テロに関する非公式協議を定期的に行っている。日本の場合、こうした情報のやり取りは、都道府県警察の中で唯一、公安部を持つ警視庁や、全国の警備警察を統括する警察庁が担当。情報提供を受けた国は、相手国の同意なしに情報を漏らさない「サードパーティー・ルール」という暗黙の原則を守りながら、海外の治安機関が入手した北朝鮮の動静などについても提供を受けてきた。流出した文書の中には、米連邦捜査局(FBI)の要請で首都圏在住の外国人から事情聴取する計画書なども含まれているが、警視庁は「内部資料かどうか調査中」という立場を取り続けている。もし実物だと公式に認めてしまうと、他国の機密情報に関する資料も本物だと公表することになり、日本警察は国際的信用を失墜しかねない。(中略)ある警察幹部は、「日本の将来の治安さえも揺るがしかねない深刻な事態。対応を誤れば日本のテロ対策が10年以上、遅れる可能性もある」と話した。スパイ行為と考えるのが普通だろう。問題は、スパイの意図だ。結果(実際の効果)から見れば、日本の公安が弱体で情報だだ漏れの印象を深めること。まさに日本公安の「国際的信用を失墜」させることが目標であり、それは既に達成された。仮に日本の公安内部のサボタージュと考えるとすれば、その不満の矛先はどこか。その心理まではよく分からないが、簡単に言えば「思想堅固」でない者がいたという事になる。
