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世界の覚書

道州制、易姓革命、外国人参政権には反対です。伝王仁墓に百済門を作るのは場違いであり、反対です。

宮本警部(2階級特進)に緊急叙勲と日本人の誇り

2007年02月13日 | 社会・教育
産経:女性救助の警官死亡 警視庁、2階級特進決める
宮本さんは「街のことを一生懸命に思ってくれている警察官」(近所の商店主)として親しまれ、
2階級特進や緊急叙勲は、まさに相応しい。ところで、街の人に意外と知られ、親しまれていたっちゅう美談報道が多い。交番の巡査と言葉をかわした事がある住民がそんなに多いとは思えないが、多分、事実は事実なのだろう。そういう声が、首相の「日本人として誇りに思います」といった文言と結びつくところが興味深い。

ノブレス・オブリージは、日本では公務員の仕事であり、国家の独占なのだという(404 Blog Not Found)。そこに、1)英雄的かつ悲劇的な行動、2)良い警察官を称賛する街の声、3)首相の弔問、4)「日本人として誇りに思う」の文言、といった要素を重ね合わせると、良い公務員を大衆と首相が、上下から承認しあう、立派な教科書的ストーリーが出来上がる。美談は、国家と国民に共有された。こういう現象は、「国民形成」には(不断に)欠かせない要素のひとつである。

追記:正直、ひっかかるものは残る。

1)人間として、
2)警察官として、
3)日本人として、

どれでも良かったはずだ。どれも正解のはずだ。しかし安倍総理は3を躊躇なく選んだ。地元の商店主は躊躇なく巡査部長の人柄を語った(これは1と2を両方含んでいるだろう)。「人間として」では所属が人類になってしまう。「警察官として」では板橋署の警察官ないし全国の警察官しか共有できない。「日本人として」と語ることで、国民の物語になった。

再追記:5号館のつぶやき:宮本邦彦巡査部長は死にたくなかった

基本的にstochinaiさんに同意するものである。どのみち、安倍首相の「日本人として誇りに思います」発言は、日本では浮いている。どこかで「国民の物語」は必要なのだと思うが、ここがそこだとは、あまり思えなかった。

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3 コメント

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住民からの・・・・・・ (史跡群)
2007-02-15 11:46:12
 確かに、宮本氏の行為は生前の仕事振りも含め賞賛に値するものと誰もが認めるものである。しかし、住民の方からもちあがった訳でもないのに政府の方から緊急叙勲とは、明らかに「売名行為」であると言って良い。おまけに、弔問に来た総理は今回殉職した人の名前を“ミヤモト”ではなく“ミヤケ”とカメラの前で間違えている上にその事に気付いた様子が見られません。一般の弔問者ならまだしも、「総理」の立場にいる人間のあのような場でのミスは、大ひんしゅくですよ。
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トラックバックありがとうございました (5号館のつぶやき)
2007-02-16 13:46:31
 こちらのブログを読まずに書いてしまいましたが、このエピソードが国民の統一感を得るための物語になったかという視点でみると、そんなことはなかったという気がします。そういう意味で、まさに安倍さんや石原さんのコメントは「浮いて」いますね。
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プロジェクトX (worldNote)
2007-02-16 17:14:13
#国民の物語というと、やはりプロジェクトX。

プロジェクトXの「日本人」と今回の事件の「日本人」に共通しているものがあります。それは自分の仕事をするという職人魂。宮本さんはその場にあって自分の仕事をしていただけなんですね。多くの日本人の感覚としては、一に「人間として」、二に「警察官として」だと思うんですよね。

でも、日本人にとっての「人間」は、「人類」を意味するのではなく、素朴に「日本人」を意味しています(そうは語られないけれど)。そこを「日本国民」として(上から)絡めとることが可能かどうか、微妙なところです。

なにせ、「人間として」をいくら強調しても(いや、強調するほど)、国民性の元での人間であることは免がれないんですね。

#「警察官の物語」が生じたかどうかも興味あるところですが。
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