もちろん、トルコだけの問題ではないが。
『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』
Blood Feud(血讐)というカルチャーも想起するが、これは復讐だからまだ理解可能(近代国家の理念には反するが)。名誉の殺人は(色々あるが、典型例では)被害者を殺害するという点で不可解。その力学が理解不能だ。これは「本能」ではない。明らかに「カルチャー」だ。「慣習」がベースにあるかもしれない。
『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』
かわいがっていた妹や娘、愛していた母親を手にかけ、刑務所に収監されている男たちを取材し、構成されているからだ。そこには愛するものを殺した側の苦しみと、殺さなければ一族皆が社会的に抹殺される共同体社会の現実、そもそもまったく罪のない人達が不幸になっていくあまりの理不尽さ(中略)2000年から2005年の間にトルコでは1806人の女性が「名誉の殺人」の犠牲となり、さらに5375人が家族からの圧力で自殺したという。何なの、この世界は!? と、ちょっと(心で)叫ばずにはいられないが、それが現実だという事は、知る事が出来る。仮に5年間の合計数だとすると、年平均で361人が他殺、1075人が自殺という事になる。(ちなみに、トルコの自殺率は世界的に見て低い部類である)
Blood Feud(血讐)というカルチャーも想起するが、これは復讐だからまだ理解可能(近代国家の理念には反するが)。名誉の殺人は(色々あるが、典型例では)被害者を殺害するという点で不可解。その力学が理解不能だ。これは「本能」ではない。明らかに「カルチャー」だ。「慣習」がベースにあるかもしれない。