昨日の後悔

鴨長明の「方丈記」のなかの、「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」は、あまりにも有名だ。
これは、川の水の流れは昨日も今日も変わりはないが、昨日流れていた川の水は下流へと流れ去り、
今日流れている川の水は新たに上流から流れてきたものだという意味だろう。
そんな鴨長明と同様のことを、紀元前古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスが既に語っていたそうだ。
むろん平安時代の鴨長明がそんなことは知る由もないので、氏の独創であることは間違いないのだろうが。

◆人はふたたび、同じ川の水を浴びることはできない
　これは、昨日浴びた川の水は、すでに下流へと流れ去り、今日浴びている川の水は、新たに上流から流れてきたものだということなのだろう。
　たしかに、両者同じようなことを述べている。
　しかもこれは、「川の水」をたとえにして、実は「時の流れ」について語っているのだろう。
　
　だから、時間の流れは日々続いていくが、昨日はもはや過去へと流れ去った。
　今日という日は、新たにやってきた一日だと言っているのだろうな。
　つまりは、昨日のことを思い出して後悔してもしょうがないことで、それよりも今日という日を大切に生きていくことが重要なのだろう。
　自分の心にしっかりと留めておきたい言葉ですね。