映画「裏切りのサーカス」:スパイ全盛期の冷戦時代を「郷愁」で括らないという見識 2012年06月20日 23時10分59秒 | 映画(新作レヴュー) ジョン・ル=カレの長大な原作を読んだのは,もう4半世紀も前。まさかこの時期に,「スマイリーもの」の決定版といわれる作品の映画化が観られるとは思わなかった。それもゲーリー・オールドマンという,一見スマイリー的重量感とは趣を異にすると感じさせる役者を核に据え,スウェーデン出身の新鋭監督のメガホンという誂えで。 そんな新たな装いで現れた「裏切りのサーカス」は,言語と論理と演技と映像感覚とが,これ以上ない . . . 本文を読む