某ファンサイト管理人の音楽随想記

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さださんのソロコンサート4000回記念公演~アンコール曲「遥かなるクリスマス」に込めた思い

2013年07月19日 | ♪国内 -男性

さださんのソロコンサート4000回記念公演に武道館へ行って参りました。私は7/18(木)の4001回目でした。

全く衰えないさださんのアーティスト・パワーは、この公演が早々に完売した事(ちなみに見切り席も販売され、久しぶりにダフ屋の姿も見かけました)ファンクラブ会員数が2万人!で安定して推移している事、この公演がTV生中継される等色々な事で明らかですが、長年さださんのコンサートに通っている者の目からしますとそれは更に盤石化された印象を受けます。

多分近年のTV露出や作家活動の影響も大きいのかも知れませんが、若年層観客が以前より確実に増えたように見えるからです。以前の若いファンは”さだファンの親に連れられたお子さん”という感じの層がメインだった気がしますが、近年はごく普通の若いカップルとかも自然に目にしたりします。 

そんな観客で3階席までぎっしり埋まったこの武道館のコンサート、ファン投票で一位になった「主人公」から始まりました。※余談ですが、「主人公」という言葉も仏教言葉でもあったりします・・・。

 

毎年さださんのコンサートに行っている者としては今更ですが、さださんの多彩な才能には本当に感服致します。歌、トーク、場を読む力、客のイジリ方、コンサートの流れの持って生き方、etc何回観てもその都度コンサートの密度やと完成度の高さには圧倒されます。

エジソンの名言に「天才とは1%の才能と99%の努力」というものがありますが、この真意は”誰でも努力すれば天才になれる”という意味ではなく、”才能を持った人が本当に努力をした末にやっと天才と認められる”という解釈が正しいと聞きましたが、さださんの姿を見ると、人目につかない所での努力は如何ばかりかといつも想像してしまいます・・・

 

最近は”さださんのコンサートの魅力はトークにあり”みたいな言い方も良く聞きます。一面事実だと思いますが、でも間違いなく「音楽家」としての深さがコンサートの魅力です。この日の2曲目の「精霊流し」のバイオリンの音色を聴いた時、最初のボーイングの音色で私は涙腺に響く程の音楽の真実を感じました・・・。

また年を重ねるごとに感じるのは、若いころには聞き流していたような曲、また言葉も年々心深く響く事が増えてきました。それはまるで小説の名著を読み返す毎に新しい発見がある事とよく似ています。近年は、さださんの楽曲が持つ文学性をそんな所でも感じたりしています。

 

今回のこの武道館はさださんはあまり使用しない会場ですが、それは大会場だと客とのコミュニケーションが薄くなってしまう事への危惧、それと音楽家として音響面のやりづらさからだと推測しているのですが(昨日もリズム隊の反響音がとても目立ってました・・・)、この武道館コンサートの進行は会場のファンからのリクエストという構成により会場との一体感持たせることで成功したように思います。きれいに構成されて進行するだけでは得られない”一体感”が溢れていたように感じました。

ところで、昨日のコンサートのハイライトは何と言ってもアンコール最後の曲「遥かなるクリスマス」だったと確信します。真夏、猛暑の今「クリスマス」曲を歌う事のその真意。それは間近になった参議院選挙と無縁であるはずがありません。長年「長崎から」というコンサートを開き(今年も久しぶりに開催される予定)、戦争反対の立場をとってきたさださんが、現状の政治、世の流れを危惧していない訳がありません。

 

でも「さだまさし」という一つのビジネスで生計を立てている多くのスタッフや関係者がいる以上、「佐田雅志」が表立って自分の政治的なメッセージを訴える事は「アーティスト・さだまさし」には出来るはずはありません。様々な足枷がそれを阻んでいます。でも全身の力を振り絞った最後の「遥かなるクリスマス」には、右傾化といわれ憲法改正まで想定される昨今の政治状況への危惧を、全身で訴えたものと私は受け止めました。

 

最後の最後にこの「遥かなるクリスマス」を全身で歌いきったさださんの真意を、この会場の皆さん(TV中継のご視聴の方も)はどのように受け取ったのでしょうか・・・?単なる流行歌(はやりうた)歌手ではない、まさに「歌う世界遺産」(会場で見かけた言葉です(^^)のさださましさんにとって、このメッセージを真摯に受け取る事やその真意を深く考える事がファンとして出来るせめてものさださんへの感謝の表し方/恩返しではないでしょうか・・?記念すべきこの武道館コンサートで私はそんな思いを胸に会場を後にしました。

 

外は思いもかけずゲリラ豪雨の後。
まだ大粒の滴がポツリポツリ落ちてくる中、真夏の新緑が繁茂するこの北の丸公園は、まるで時が止まったような佇まい・・・。
公園の闇の中に、戦死された無念の精霊達が何かを訴える幽かな囁きが聞こえたような、コンサート帰途でした・・・。

 

 
(最後の最後に会場に舞った記念テープです)

   

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
選挙へ (かざみどり)
2013-07-22 05:09:59
さださんの遥かなるクリスマス、心にしみました。
恥ずかしながら、投票に行かないことも多いのですが、ああ、そうだ、選挙に行かなきゃ、平和を守らなきゃ、自分たちの一票で、守ることができるんだから、と改めて思いました。
返信する
かざみどりさん、コメントありがとうございます(^^) (管理人)
2013-07-22 09:45:21
かざみどりさん、コメントありがとうございます(^^)

選挙結果は事前の予想通りになりましたね・・・。今回の選挙は、誰か/何かを選べるような十分な選択肢がなかったような気がしています。それが一番の課題だったような・・(汗)。

でも理由は何であれ、こんなに投票率が低い国だからこそ、今のような政治状況だとも言えると思います。所詮国民以上の政治はできないのかな?残念ながらこれが現実のような気が致します。
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