「天国にいちばん近い島」-原田知世
作詞:康 珍化 作曲:林哲司 編曲:萩田光雄
1984.10.10
角川映画「天国にいちばん近い島」テーマ曲
「こんな素敵な曲に仕上げてくれてどうもありがとう!」
例え方がちょっと変ですが、もし曲自身に言葉があるとしたら、さしずめこの曲はこういう風に感謝してくれる事でしょう。その真意は・・・
それは、ここにあるのは見事なまでに
オーソドックスで、シンプル、
美しい「いい曲」だから・・・。
”やさしい”歌詞を纏ったひたすら”美しい”メロディを、流麗なオーケストレーションで優しく包み込み、最後に歌詞のイメージに沿った乙女(←死語か(笑))が儚げに歌う・・・。ここにあるのは見事なまでに正攻法での「いい曲」。
この曲には、楽曲に対する制作陣の
”真っ向勝負”の姿勢を感じます。
音楽への”真摯な姿勢”さえ
感じさせてくれます。
イントロで驚かせたり、キャッチーorインパクトのある言葉で気を引く事もしません。この曲からは、”ギミックなしでひたすらいい曲を創り上げたい”、とでも言うような制作スタッフの強いベクトルが伝わってくるかのようです。
作詞家、作曲家、編曲家、ミュージシャン、エンジニア、プロデューサー、事務所、映画のテーマ曲だったので映画の関係者、その他この曲に関わった全ての人達の音楽への愛情みたいなもの・・・かな?なんだかそんな気概を感じたりするのです。おっと、歌謡界がそんな絵空事の綺麗ごとだけでは済まない事は私も重々承知。でもね、この素直な名曲を聴くとそんな穏やかで優しい気持ちにさせてくれるんです・・・。だからこの曲が「こんな素敵な曲に仕上げてくれてどうもありがとう」なんて言っているかのように感じるのです。これって私だけかな~?(^^;
ちなみに、林さんの師匠にあたる?
国宝級の偉大なるアレンジャーの萩田光雄さんも、
この本の中でこの曲・メロディを誉めてましたよ。↓
「林哲司全仕事」
私はこの曲の最後のサビでいつも胸が熱くなったりします。もういいオヤジなのになぁ~。ちと恥ずかしい・・・(笑)。
なお彼女はその後どんどんアーティスト性を磨いて行きますが、フランスのエルザのカバー曲「彼と彼女のソネット」もとても素敵ですね。おっともちろんこの曲は大貫妙子さんバージョン抜きでは語れませんが・・。
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から」とか「アイドルの歌だから」といってスルーしているような人はとてももったいない事をしているかな~?なんて
思わせる曲でもあります。だって、歌以外は、大人の、本物の音楽職人さんたちが創り上げた”匠の技”曲なんですから(^^)
いい曲はどのような経路で世に送り出されたとか関係なく、結局は完成度なんだなぁ~とあらためて思ったりします。