イタリア北西部にある「チンクエ・テッレ」は、リグリア海に面して、ほぼ等間隔に並んでいる5つの村の集まりで、イタリアの世界遺産の一つになっている。
「チンクエ・テッレ」とは”5つの土地”という意味で、その名の通り、リオマッジョーレ、マナローラ、コルニリア、ヴェルナッツァ、モンテロッソ・アル・マーレの5つの漁村の総称になっている。
この5つの村の地形は、入り組んだ断崖や山に囲まれているため、元々は自然の城塞としての機能を持っていた。
そのため、外部との往来が少なく、それぞれの街の移動は陸路はなく、海から船で行くしかなかったらしい。
今ではそれぞれの村に行く電車もあり、車よりも電車の方が便利だとのことだった。
ジェノバから日帰りで「チンクエ・テッレ」に行ってみた。
行ったのは5つの村のうち、見どころが一番多いと言われている「ヴェルナッツァ(Vernazza)」の1ヶ所だけ。
ジェノバ駅からレヴァント駅まで約1時間半、乗り換えてヴェルナッツアまで。
この辺りはイタリアン・リヴィエラと呼ばれる風光明媚な海岸で、車窓からの風景は正に絶景だった。
電車はヴェルナッツァ駅に着いた。
ホームが短く、先頭車両に乗っていたので、降りた所は駅の前方にあるトンネルの中だった。
また、ホームの幅も狭く、壁との距離があまりなかったので、、事故が起きないかと思うほど電車がすれすれに通っていた。
ヴェルナッツァ村は港を囲んで断崖に立ち並ぶカラフルな家々、一歩間違えば迷ってしまいそうな小さな路地が張り巡らされていた村だった。
駅から海に向かう道にはスーパーやレストランなどの店が並び、屋台も出ていた。
それらをのぞきながら、港に着いた。
最初はこの村のシンボル的な「サン・マルゲリータ教会」に入った。
その後は教会の横の細い道を通って、階段を登り、ハイキングコースのような山道を歩いた。
その山道を少し登って行ったところが絶景スポットだということだった。
[絶景スポットからのヴェルナッツァ村]
手前が「サン・マルゲリータ教会」、正面が「ドーリア城跡の塔」
[絶景スポットから見た海]
再び港に戻り、村の中を歩いた。
ヴェルナッツア村の中はどこに行ってもこのような狭い路地だった。
駅からの途中で海に出る手前に狭い階段があり、登っていくと塔があった。
これが「ドーリア城跡の塔」で、周囲は展望台のようになっていた。
ここから見たヴェルナッツアの全景も素晴らしいものだった。
[ドーリア城跡の塔]
この一帯は長い間交通手段が船だけに限られていたため、閉ざされた地域だった。
そのため各村ごとに独自の文化が育まれているらしい。
今回は1つの村だけだったが、機会があったら他の村にも行って見たいと思った。