映画とライフデザイン

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映画「新宿スワン」綾野剛

2015-06-14 17:48:06 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「新宿スワン」を映画館で見てきました。


東京に異動して以来、今までに増して夜の新宿を歩く機会が増える。歌舞伎町の中でもディープなゾーンへ行く回数も増えてきた。また、綾野剛、伊勢谷友介、山田孝之の主演3人の面構えも印象強くこの映画は気になる存在だ。

一文無しで歌舞伎町に流れ着いた白鳥龍彦(綾野剛)が町のチンピラたちにからまれてケンカしている横をスカウトマン真虎(伊勢谷友介)が通りかかる。1人で大勢のチンピラに立ち向かうきっぷのいい龍彦を見て、気に入った真虎は仲間にする。
スカウトマンたちは歌舞伎町を歩く女性に声をかけ、風俗、AV、キャバクラに紹介し、バックマージンをもらう。真虎は歌舞伎町内で幅を利かせるバーストというスカウト会社の幹部だった。


最初は真虎は声をかけるのに戸惑ったが、真虎の指導ですぐさまコツをつかんでくる。
歌舞伎町内で声をかけていると、むしろ相手側からスカウトマンである龍彦に店への紹介をおねだりしてくる女たちもいた。みんなわけありの女性だった。その女たちはそのまま働きにつくが、店から過酷な要求をされているケースが多い。龍彦は時にその女性の味方になることもある正義感の強い男だ。


ライバルのスカウト会社ハーレムとは常に歌舞伎町内で縄張りをめぐって争っていたが、次第にエスカレートしていった。バーストの幹部にハーレム側の縄張りの中でスカウト活動をしろと命令され、龍彦が女の子に声をかけていると、気がつかれボコボコにされた。相手側には南秀吉(山田孝之)がいた。秀吉は裏でクスリの売買に手を出していた。その秀吉は龍彦を見て、何か違う何かを感じたのであるが。。。


新宿と限らず、街でスカウトマンらしき男たちが若い女性に声をかけるのはよく見かける。キャバ嬢たちと話していても、ほとんどの子は町で声かけられた子がほとんどだ。でもスカウトマンやその所属する組織がこういう構成になっているとは知らなかった。キャバクラの店長とかは何回か顔を見ているうちに仲良くなったりすることもあるが、ある意味怖い筋とつながっているという感じはあまり持っていなかった。

その昔からこの手の愚連隊のように怖い筋の若者中心の下部組織を描いた映画は多い。大島渚の「太陽の墓場」もそうだし、70年代前半の東映のピンク路線でスケ番池玲子あたりと組んで町を荒らす愚連隊には、その上部組織のような組が存在する。ストーリーは異なるが、愚連隊が主役であっても、そこには必ず上部組織が関係するというのはあまり変わらない。


綾野剛「そこのみにて光り輝く」では大きく評価されたが、自分としては菅田のほうがよく見えた。ここでは真逆のキャラで、むしろあの映画における菅田のキャラである。むちゃくちゃケンカ早くて、ハチャメチャだ。暴力描写のエグさはいかにも園子温監督作品らしく、この映画の方が思いいれが強い印象を受ける。よく見えたのは山田孝之でこいつは非常に強そうに見える。ボーリング場のリンチには面食らった。面構えもよくいい出来だ。メイン通りでなく新宿の裏通りもきっちりロケハンティングしているので、バックの風景もいい。

新宿の夜が舞台で、園子温監督作品というと、いつも通りのエロティックな場面を想像するがそれだけは肩透かしかな?沢尻エリカの大胆なヌードを期待するとエッチ系の表現のソフトさに驚く人もいるかもしれない。

(参考作品)
そこのみにて光輝く
綾野剛が主演賞総なめ


恋の罪
園子温監督が描く夜の渋谷の風俗


ヘルタースケルター
スワンの沢尻よりも大胆なので推薦

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