映画とライフデザイン

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映画「蜜のあはれ」 二階堂ふみ

2016-04-03 18:12:44 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
二階堂ふみの新作映画「蜜のあはれ」を映画館で見てきました。

二階堂ふみの新作は早めに映画館で見るようにしている。今回は室生犀星の原作に基づき、作家と女の子に化けた金魚との交流という題材である。
ロケハンティングがうまく室生犀星の出身地加賀、金沢を中心に昭和30年代前半という時代設定のイメージにあった場所が選ばれている。池のある庭があるたたずまいがいかにも30年代らしい木造家屋やおそらくは格式高いと思われる割烹などで撮影された映像はいい感じだ。


しかし、期待していたほどはのれなかった。基調となる題材が自分にはしっくりこなかったのかもしれない。二階堂ふみにしろ、大杉漣にしろ2人が絡む芝居は実にうまいんだけど物足りない感が強い。

自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、かなりきわどいエロティックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に眠る。 しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。 普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。 そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾ひれをひらひらさせる真っ赤な金魚だったのです・・・。


そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へと蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。 老作家の友人・芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りの男(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・・。(作品情報より)

1.二階堂ふみ
二階堂ふみ「私の男」などを経て、着実にエロさを増している。「私の男」の題材はいわゆる近親相姦で、そのきわどい題材をこなしながら成長していくのがわかる。今回もポスターをみて、そのよろめき具合に期待した。色っぽいんだけど、個人的には不完全燃焼に終わる。かなり肌の露出感が高まったが、乳首は隠して完全ヌードは見せない。こんな感じでバストトップを見せない芝居が続くのであろうか?あと10年近くはチラリズムか?もったいない。


2.大杉漣と真木よう子
室生犀星というと何度も映画化された「あにいもうと」を思いだす。ただ、顔の印象はない。今回初めてマジマジと写真を見て、見比べたが似ているではないか。大杉漣のロイド眼鏡がいい感じだし、演技もうまい。
自分の祖父もそうだったが、昭和30年代のおじさんには割とこの形のメガネをしている人が多くいたような気がする。そういえば、「英文700選」で有名な駿台予備校の伊藤和夫先生は似たようなロイド眼鏡をして、お腹を出しながらあまりうまくない発音で英語の講義をしていた。それが懐かしく2人が思わずだぶった。それを知っているのも我々の世代くらいだろう。



真木よう子はこの老作家に以前関係のあった女の幽霊を演じている。金魚から現生の女に変身している主人公には幽霊も見えるのであろうか?幽霊は主人公に近づきキスを交わし、一瞬レズビアン的要素を出そうとするが二階堂がそれを拒否する。そんな感じで見せ場がないままに真木よう子は姿を消す。

「さよなら渓谷」で人生最高の演技を見せて以降、「そして父になる」もよかったが、適役に恵まれない印象を持つ。


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