映画「響 HIBIKI」を映画館で観てきました。
これは面白い。
コミックの原作の実写化である。文才のある高校1年生の響という名の少女が芥川賞と直木賞の候補になるなんて設定が面白そうと思い映画館に向かう。もちろん原作は未読。北川景子、小栗旬、柳楽優弥の主演級を脇役に退け檜坂46の平手友梨奈が主演を務めるが、これがいい。にやりともせずに、自分の世界で生きている。
ジャンル分けとしての大衆文学、純文学の境目というのはあいまいだけど、芥川賞と直木賞を同時受賞いうのも常識的に考えてありえないんじゃないかな?そのこと自体で少女の天才ぶりを示すということなんだろう。ここでは、鮎喰響の家庭を映しださない。父も母も姿を見せない。高校一年で親と同居しているのに出てこないというのは普通だとありえない。余計な設定は省略して、次から次へと主人公響の奇異な行動を列挙して映し出す。
そんな非現実であってもこの映画は痛快だ。原作者柳本光晴の着想に感心する。
響(平手友梨奈)は高校に進学し、クラブ活動必修ということで男友達と文芸部の部室に向かう。そこにはタバコを吸う不良たちがたむろい異様な雰囲気であった。入部したいという響に対して、親分格の不良が無理だと伝えると、響が逆らい不良が怒る。暴力を振るおうとするととっさに響は不良の指を折る。翌日、 部室に向かうと1年先輩の祖父江リカ(アヤカ・ウィルソン)がいた。その後紆余屈折を経て結局、響は文芸部員となる。
一方、編集者の花井ふみ(北川景子)は文芸誌の新人賞の準備にかかっていた。データで配信が必須という中で、封筒で送られてきた原稿を見つける。読んでみると、稀なる文才を感じさせる作品だ。しかし、封筒に鮎喰響という差出人名だけで発送元住所が書いていないので連絡のつけようがなく困っていた。その後、響から電話がかかってくるが、ふみの感想を伝えると一方的に切られたのだ。
ベストセラー作家祖父江秋人(吉田栄作)の新作が発売され、圧倒的な人気となっている。しかし、発行元はライバル出版社であった。編集長は祖父江の高校生の娘が小説を書きはじめたと聞きつけ、娘をきっかけに祖父江に近づこうとふみを祖父江の自宅に向かわせる。家に入ると、祖父江の書斎でたむろう少女を見つける。ここはあなたのいる場所でないとふみが叱責すると、何で出て行かねばならないのかと一悶着が起きた時に、偶然少女が鮎喰響だとわかり、ふみは驚く。祖父江秋人の娘が先輩のリカであったのだ。
その後、ふみは鮎喰響が新人賞をとると確信し、接触するようになる。各審査員の評判もいい。しかし、自分がムカつくことに暴力を振るう響の行為に戸惑う。それでも、一緒に発表の日を待つわけであるが。。。
TVのワイドショーではパワハラ、セクハラ、暴力指導の問題が蔓延している。呆れるくらいだ。たしかに、暴力を振るうのは良くないが、ちょっとした指導でもマスコミ総動員で叩くのはどうかと思うと世の中も思っているのではかしら?この主人公は少しでもムカつくと相手に暴力で対抗する。かよわい少女なのに格闘的な才能を持つということになっている。妙に我慢を重ねるわけでなく、ムカつく奴は叩きのめす。映画を見ていて逆にスカッとしてしまう。
一連の脇役
北川景子はTVドラマ「家売るオンナ」で演じた表情を変えない敏腕不動産屋営業ウーマンと全く真逆の常識人である。文芸誌「木蓮」においては編集者として新人発掘するのが大事な仕事である。悪態つく鮎喰響のしでかした尻拭いにも徹する。こういう役もいいかも?
社長にごまする高嶋政伸の編集長役もいい感じだ。
小栗旬は肉体労働をしながら、一人で悶々と原稿を書きシコシコ芥川賞を狙う売れない作家という設定だ。「苦役列車」の西村賢太のようなものだ。編集者に励まされながら、日夜パソコンで原稿を打ち続ける髪の毛ボサボサの小説家を演じる。普段演じる役と若干違うのも悪くない。
柳楽優弥はピザ屋でフリーターをしながら、創作に励む小説家の設定だ。勤め先でも屁理屈をこねて逆らう嫌なやつ。新人賞を争った鮎喰響に強烈な皮肉を言い一悶着が起きる。「ディストラクション・ベイビーズ」で見せた圧倒的な暴力での強さぶりとは別の面を見せたのがご愛嬌
これは面白い。
コミックの原作の実写化である。文才のある高校1年生の響という名の少女が芥川賞と直木賞の候補になるなんて設定が面白そうと思い映画館に向かう。もちろん原作は未読。北川景子、小栗旬、柳楽優弥の主演級を脇役に退け檜坂46の平手友梨奈が主演を務めるが、これがいい。にやりともせずに、自分の世界で生きている。
ジャンル分けとしての大衆文学、純文学の境目というのはあいまいだけど、芥川賞と直木賞を同時受賞いうのも常識的に考えてありえないんじゃないかな?そのこと自体で少女の天才ぶりを示すということなんだろう。ここでは、鮎喰響の家庭を映しださない。父も母も姿を見せない。高校一年で親と同居しているのに出てこないというのは普通だとありえない。余計な設定は省略して、次から次へと主人公響の奇異な行動を列挙して映し出す。
そんな非現実であってもこの映画は痛快だ。原作者柳本光晴の着想に感心する。
響(平手友梨奈)は高校に進学し、クラブ活動必修ということで男友達と文芸部の部室に向かう。そこにはタバコを吸う不良たちがたむろい異様な雰囲気であった。入部したいという響に対して、親分格の不良が無理だと伝えると、響が逆らい不良が怒る。暴力を振るおうとするととっさに響は不良の指を折る。翌日、 部室に向かうと1年先輩の祖父江リカ(アヤカ・ウィルソン)がいた。その後紆余屈折を経て結局、響は文芸部員となる。
一方、編集者の花井ふみ(北川景子)は文芸誌の新人賞の準備にかかっていた。データで配信が必須という中で、封筒で送られてきた原稿を見つける。読んでみると、稀なる文才を感じさせる作品だ。しかし、封筒に鮎喰響という差出人名だけで発送元住所が書いていないので連絡のつけようがなく困っていた。その後、響から電話がかかってくるが、ふみの感想を伝えると一方的に切られたのだ。
ベストセラー作家祖父江秋人(吉田栄作)の新作が発売され、圧倒的な人気となっている。しかし、発行元はライバル出版社であった。編集長は祖父江の高校生の娘が小説を書きはじめたと聞きつけ、娘をきっかけに祖父江に近づこうとふみを祖父江の自宅に向かわせる。家に入ると、祖父江の書斎でたむろう少女を見つける。ここはあなたのいる場所でないとふみが叱責すると、何で出て行かねばならないのかと一悶着が起きた時に、偶然少女が鮎喰響だとわかり、ふみは驚く。祖父江秋人の娘が先輩のリカであったのだ。
その後、ふみは鮎喰響が新人賞をとると確信し、接触するようになる。各審査員の評判もいい。しかし、自分がムカつくことに暴力を振るう響の行為に戸惑う。それでも、一緒に発表の日を待つわけであるが。。。
TVのワイドショーではパワハラ、セクハラ、暴力指導の問題が蔓延している。呆れるくらいだ。たしかに、暴力を振るうのは良くないが、ちょっとした指導でもマスコミ総動員で叩くのはどうかと思うと世の中も思っているのではかしら?この主人公は少しでもムカつくと相手に暴力で対抗する。かよわい少女なのに格闘的な才能を持つということになっている。妙に我慢を重ねるわけでなく、ムカつく奴は叩きのめす。映画を見ていて逆にスカッとしてしまう。
一連の脇役
北川景子はTVドラマ「家売るオンナ」で演じた表情を変えない敏腕不動産屋営業ウーマンと全く真逆の常識人である。文芸誌「木蓮」においては編集者として新人発掘するのが大事な仕事である。悪態つく鮎喰響のしでかした尻拭いにも徹する。こういう役もいいかも?
社長にごまする高嶋政伸の編集長役もいい感じだ。
小栗旬は肉体労働をしながら、一人で悶々と原稿を書きシコシコ芥川賞を狙う売れない作家という設定だ。「苦役列車」の西村賢太のようなものだ。編集者に励まされながら、日夜パソコンで原稿を打ち続ける髪の毛ボサボサの小説家を演じる。普段演じる役と若干違うのも悪くない。
柳楽優弥はピザ屋でフリーターをしながら、創作に励む小説家の設定だ。勤め先でも屁理屈をこねて逆らう嫌なやつ。新人賞を争った鮎喰響に強烈な皮肉を言い一悶着が起きる。「ディストラクション・ベイビーズ」で見せた圧倒的な暴力での強さぶりとは別の面を見せたのがご愛嬌