映画とライフデザイン

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映画「あと1センチの恋 」 リリー・コリンズ

2015-01-07 20:08:18 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「あと1センチの恋」を映画館で見てきました。
素敵な恋物語に感情流入でき、楽しめました。よかったです。
何を見ようかというと選択に迷い、80年代の全米ヒットチャートを語るには欠かせないフィルコリンズの娘が主演で出ているということ、映画で流れている音楽のセンスがいいという情報を得て選びました。これは大正解でした。


幼なじみの2人が18歳からすれ違いの恋を繰り返すという話と聞いて、図形の双曲線が交わりそうで交わらないような関係を描く昭和20年代の日本を代表する映画「君の名は」を連想した。見てみると2人が消息不明になるわけでなく、連絡をしようと思えばできないことがない状態という恋である。どちらかというと、香港映画の名作ピーターチャン監督、レオンライとマギーチャン主演ラブソングの2人の恋に近いかもしれない。

男性にはわかりづらいなあという女性心理を見せる場面もあるけど、比較的共感できうる恋だった。しかも、フィルコリンズの娘が主演という響きは40代後半から50代にかけてのオジサンには通じやすい。この映画の父親が娘に対するやさしさを見せる場面が何度も出てくる。この父親像が実にいい。オジサンたち、いや娘をもつ若いお父さんもこの映画見ていいと思うんじゃないかな。

恋愛モノで何かおすすめ?と聞かれたら、しばらくはこの映画を推すつもりです。

ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳からの幼なじみで、ずっと一緒に青春を過ごしてきた友達以上、恋人未満の間柄。家も近所でくだらない話も夢の話も恋の話も、なんでも2人は共有してきた。


たえず一緒に過ごしてきた2人も思春期に入り、別のお相手との恋を意識する年頃になってきた。図書館で一緒になったベサニーという女の子がアレックスにちょっかいを出してきて、ロージーもクラスメイトのグレッグと仲良くなる。そしてそれぞれ初体験を経験するようになる。

アレックスは小さなイギリスの田舎町を離れ、ハーバードの医学部を目指していた。それを聞き、ホテル事業に関心をもっていたロージーは同じボストンにあるボストン大学を志望しており、受験して合格通知が来た。ロージーは喜んだが、パーティでグレッグとメイクラブした際、避妊に失敗して妊娠したことがわかった。悩んだ末、家系がカトリックで胎児を中絶できないロージーは大学をあきらめ地元に残り、子供を産むことにした。アレックスは、それを知らずにハーバード大学へ行くことになった。


その後、アレックスはボストンに行ったあと、ベサニーと別れるが、同級生の美女とくっつく。
ロージーは里子に出してという最初のもくろみは忘れて、自分の子供にして育てる。ホテルに勤めながら働いていく。父親であるグレッグは避けていた。その後2人は12年間、近づいては離れていくということを繰り返していく。


他の誰よりも近い関係にあるのに、つい他の人を勧めてしまう。自分には関心がないと思わせてしまう発言でロージーは自滅している。このあたりの女性心理については、自分はよくはわからない。

1.センスのいい音楽
うわさ通りであった。1970年のバートバカラックの曲でディオーヌワーウィックがヒットさせた「I'll Never Fall In Love Again」が最初に流れる。聞いたことのないバージョンだ。その後も続く。

一人ぼっちになっちゃったロージーがさみしいときに流れるのは、ギルバートオサリバンの「アローンアゲイン」
1972年7月に6週連続の全米ヒットチャート1位である。たいへんな大ヒットで、当時日本でも大ヒットした。



ロージーが生んで成長するときにエルトンジョンの「Tiny Dancer 」が流れた。
彼らしいバラードだ。ロック少年を描いた青春映画「あの頃ペニーレインと」でも流れている
Almost Famous - Tiny Dancer


「Blue jean baby, L.A. lady」の歌詞が印象的で、シングルカットされているがたいしてヒットしていない。この当時エルトンジョンが好きだった自分は、今一つヒットチャートに上らないのでやきもきしていた。
次の「ロケットマン」もすごくいい曲なのにヒットしていない。念願かなってヒットチャート1位になるのは1973年2月の「クロコダイルロック」だった。中学校で同じエルトンジョン好きの男と抱き合った記憶が忘れられない。

他にもビョンセとかペギーリーなどいい曲たくさん流れている。どうしても歌名が思い出せない曲もありこれから調べたい。
気がつくとyoutubeにアップされている↓



2.リリーコリンズ
ブルックシールズを思わせる濃い眉毛である。ジェニファー・コネリーにも似ているかもしれない。80年代後半にこういう濃い目の眉毛が流行った時期もあったので、一瞬時代設定80年代だっけと思ってしまったが、その後も眉毛が変わっていないので天然なんだろう。オヤジに全然似ていないわけではないがかわいい。
80年代後半のフィルコリンズの活躍は凄かった。


全米ヒットチャート1位を連発で出している。最初は1984年の「Take A Look At Me Now」で映画カリブの熱い夜の最後に流れる主題歌だった。日本でもヒットした「 Easy Lover」こそ全米2位だが、 One More Night 、Sussudio と全米ヒットチャート1位である。そういう人物だから40代後半から50代のオヤジたちはかなりお世話になったはずだ。
カリブの熱い夜のテーマソング


彼女自体は89年の生まれである。つい友人の娘のような感覚で見てしまうかわいい女の子だ。


他にも印象深いシーンがたくさんある。本当であれば、もう一度みてからコメントを書いてもいいくらいだ。
ボストンにいるアレックスに呼ばれロージーが行く。きっと何かいい話があると思ってわざわざ行ったのに、そこでは婚約者がいて、しかも懐妊しているという。ロージーが怒る。この時は見ている自分もなんでわざわざ呼びつけなくちゃだめなんだとムカムカしたが、友達だから呼んだんだよという。なおのことロージーが憤慨して別れていく場面には不思議な感情をもった。




コメディ的な要素も散らばめていて、2人が初体験を済ませた時、コンピューターの試験中で、チャットでお互いが報告しあうのを先生やクラスメイトにばれてしまって拍手される場面、ロージーが避妊に失敗する時、しっかりと避妊具を付けているにもかかわらず、終わってみるとない。アソコの中にそのまま入ってしまって、婦人科でとってもらうシーン、ロージーの娘が親と同じように友達パターンにはまる時のパフォーマンス、パーティでロージーがプールに投げ込まれるシーンなどなど笑えるシーンは多々ある。シリアスな部分だけでなく、観客を意識して笑わそうとする場面が多いのでいい感じだ。

この映画を見ながら昔の自分を思い出した。幼稚園から腐れ縁だった女の子に自分が大学に入った時、外でばったり会って食事に誘われたことがある。その場面は30年以上たった今でも鮮明に覚えている。赤坂のキャピタル東急の庭先で暗い夜道を歩いて、心臓がどきどきした気がする。でも何もその後なかった。しかも、彼女は今この世でない世界に移ってしまった。うーん、あの場面が脳裏に焼きついて仕方なかった。

(参考作品)
あと1センチの恋
交わりそうで交わらない2人の恋


ラヴソング
双曲線を描く2人の恋

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