映画とライフデザイン

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映画「女神の見えざる手」 ジェシカ・チャスティン

2017-10-24 21:24:46 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「女神の見えざる手」を映画館で観てきました。

最終場面に向けて面白くなっていくスリリングな映画である。社会派の映画なので、男性観客のほうが多かったが、男の自分がいうのも何だが、女性が見るとすっきりするんじゃないかな?と思う。


「ゼロダークサーティ」以来相性のいいジェシカ・チャスティンの主演。ロビー活動というのは日本語にもなってきているけれど、ロビイストというと日本ではまだなじみはない。映画を見始めたときは、むずかしい言葉が飛び交い何が何だかわからない。そんな状態が続いた後で、銃規制をめぐっての肯定派と反対派の対決になり、徐々にわかっていく。テレビ討論の場面なんか迫力たっぷりだ。

金品や物品の授受で議員たちの言動を変えるとなると、ヤバいことになる。ではロビイストたちはどうやって自分が有利となる方向にもっていくのか?結局、議員たちは選挙で負けてしまうとただの人になる。議員がこころから望むのは自分のエリアでの票を集めるための手助けをしてもらうことだ。そしてそれがロビイストたちの仕事となる。今回の衆議院選挙でも、ライバルの出馬をやめてもらったとかずいぶんあったよね。そういうことを裏で操る。

ロビイストたちは全米をまわって、地道に自分たちに優位になるように議員説得に頑張るのだ。

ワシントンD.C.で、スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)による聴聞会が開かれていた。召喚されているのは、敏腕ロビイストとして名高いエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)。大手ロビー会社、コール=クラヴィッツ&W在職中に手がけた仕事で不正を行っていたとされ、その真偽が問われている。


聴聞会から遡ること、3ケ月と1週間前。
エリザベスは、コール=クラヴィッツ&Wの花形ロビイストだった。勝つためには手段を選ばず、一切の妥協を許さない仕事ぶりはクライアントから高く評価され、政府やメディアからも一目置かれる存在だった。
エリザベスは、銃擁護派団体からの仕事を依頼されていた。新たな銃規制法案に対し、女性の銃保持を認めるロビー活動で、廃案に持ち込んでくれというのだ。団体の代表者は議員たちにも強い影響力をもつ人物だが、エリザベスは彼の目の前でその仕事をきっぱりと断る。その結果、上司のデュポン(サム・ウォーターストン)から、「依頼を断るなら、君にいてもらう必要はない」と言い渡される。
その夜、パーティに出席したエリザベスは、銃規制法案の成立に尽力する小さなロビー会社のCEO、シュミット(マーク・ストロング)から、自分と一緒に闘わないかと誘いを受ける


次の日、エリザベスは部下を引き連れ、シュミットの会社へ移籍。奇策ともいえる戦略によって、形勢を有利に変えていく。だが、巨大な権力をもつ銃擁護派団体や元同僚も負けてはいない。エリザベスの過去のスキャンダルが暴かれていくのだが。。。
(作品情報引用)

弁護士が活躍する法廷映画のような展開である。ジェシカ・チャステイン演じる主人公は男勝りで、慢性的な不眠症だ。起きているあいだじゅう頭の中が冴えわたる。弁舌ではだれにも負けない。テレビ討論の場面は見ものだ。パリッとした服装に身を包み、真紅のルージュが白い肌に妙なコントラストをつくる。独身であるが、性的な欲求の解消に男を買っている。優秀なロビイストというのは高額な収入を得ているのであろう。物事の解決に自腹を切ることもよくある。ドライな女だ。


そういう主人公を演じるジェシカ・チャステインのワンマンショーと言えるだろう。常に勝ち続けるかというと、そうでもない。聴聞会にも呼ばれるくらい不利な状態をつくるし、カッとしてとっさにまずい言葉も吐いてしまう。もうこれで終わりかと思うところで、脚本家は別の手立てを仕組む。ここでのストーリー作りは実にうまい。脚本術を独学で学んだ元弁護士のジョナサン・ペレラが、不正行為で逮捕された共和党系ロビイスト、ジャック・エイブラモフのインタビューを見たことで着想を得て、初めて執筆したのが本作のシナリオだという。お見事だ。


ロビイストはいないけれど、自分たちの業界の陳情がなりたつように、業界団体がずいぶんと動いている。自分の会社にも政治家に入れ込んでいる人はいる。業界団体の専務理事のような人はほとんど所轄官庁の天下りだ。だから選挙の業況が悪いと、とたんに政党から応援要請が来る。今回は途中の世論調査を経て、思ったほど応援要請はなかったので、気楽であった。

昨日、財界関係者も出席するある夜の会合があり、冒頭ある財界の大物が与党の勝利で選挙が無事終了してよかった、小池台風があっという間に去ってパリに行ってしまったなんて話をしていた。個人的にも日本経済のためにもよかったと思う。なかなか女性が這い上がろうとしても障壁は多い。しかも、小池自らポカをやってしまって、選挙は彼女の思い通りにはならなかった。もしかしたら、この映画でも見たら、再度やる気を出すんじゃないかしら?

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