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映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

ポーランド映画「残像」アンジェイ・ワイダ

2018-02-12 21:23:34 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「残像」は2017年日本公開のポーランド映画である。


「灰とダイヤモンド」「鉄の男」といった不朽の名作をつくったポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作である。神保町の交差点横にある知性の殿堂「岩波ホール」手前の大きな看板に映るじいさん顔をみて、なんか暗いなあとDVDスルーにしてしまう。

二次大戦後というのポーランドはソ連が関与する共産党支配となり、共産党の宣伝にならない作品はブルジョア文化とされて統制されることになる。そこで被害をうけるのがこの主人公である。アメリカの赤狩り映画で共産主義者が弾圧されるのと全く逆の話である。なかなか考えさせられる作品だ。

それにしても救いようのない話だ。最初は大学教授としての権威を持って、官憲たちと渡り合っている姿が映し出される。ただ、一番タチの悪いのはスターリン時代から続く共産主義の粛清だ。気の毒としかいいようにない主人公の落ちぶれ方に、資本主義社会に生まれてきた自分の幸せをつくづく感じる。


第二次大戦後、ソヴィエト連邦の影響下におかれたポーランド。スターリンによる全体主義に脅かされながらも、カンディンスキーやシャガールなどとも交流を持ち、情熱的に創作と美術教育に打ち込む前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ(ボグスワフ・リンダ)。しかし、芸術を政治に利用しようとするポーランド政府が要求した社会的リアリズムに真っ向から反発したために、芸術家としての名声も、尊厳も踏みにじられていく。けれども彼は、いかなる境遇に追い込まれても、芸術に希望を失うことはなかったが。。。状況はどんどん悪くなっていく。

1.ソ連のポーランド占領と主人公の落ちぶれ
世界史の教科書では1939年9月にナチスドイツがポーランドに侵攻したことが第二次世界大戦の始まりと主に記述されている。しかし、その前月にヒトラーとスターリンは手を組み、独ソ不可侵条約を締結し世界をあっと言わせた。ポーランドでは戦争中ソ連はドイツ以上にポーランドでむごいことをしたと伝えられている。その流れで、戦後もポーランドで影響力をソ連がもつことになる。本当に悲劇としか言いようにない。


「残像」はポーランドの社会主義化が最も過激な形を取り、社会主義リアリズムが芸術表現に必須の様式となった、1949年から1952年までの重要な4年間を描いている。 アンジェイ・ワイダ監督は、人々の生活のあらゆる面を支配しようと目論む全体主義国家と、一人の威厳ある人間との闘いを描きたかったとしている。

2.ダルトン・トランボとの比較
1947年トルーマン大統領のソ連への封じ込め政策がとられ、マッカーシズムが台頭し赤狩りがはじまる。そのあたりは失脚した脚本家ダルトン・トランボの伝記をはじめとして、いくつかの映画で語られている。しかし、仕事が完全になくなることはなかった。クレジットに名前は出ていないが、オスカー作品「ローマの休日」、「黒い牡牛」の脚本を提供している。映画会社は抜け道を工夫し、ブラックリスト作家を起用できる環境を整えて、結果的に作家たちの自由を守った。

ノーベル経済学賞自由主義の泰斗ミルトン・フリードマン博士の「資本主義と自由」を引用する。
もし、ハリウッドをはじめとする映画産業が国営であったり、作家への発注がBBCのように公営企業にゆだねられていたとしたら、ハリウッドテンに挙げられた作家が仕事にありつくチャンスはほとんどなかったであろう。国が事業主だったら。。。どんな思想の持ち主も雇ってもらえないだろう。
結局彼らを救ったのは市場経済だった。政府から放りだされても、市場で職を見つけることができたのである。(村井訳p59~60)



ここでの主人公は完全に干された。職すらもなくなった。このドツボはやり切れない。知性の殿堂岩波ホールには、最近駅前でビラを配っているのが目立つ共産党系ババアぽい人がいつも多数来ている。学生運動の洗礼を受けたクズババアか?この映画を見て全体主義、共産主義に対してどうおもったんだろう?
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10年目の雑感2

2018-02-12 20:02:55 | Weblog
それにしても咳が止まらない。この数日は少しはましだが、もう1か月だ。

咳の原因はアレルギーか?ここ数年春先アレルギーにやられることがある。目のまわりがしわくちゃになったり、首に湿疹ができたりすることがあった。今度は咳じゃないだろうか?

もしかしたら、株の下落も要因の一つかもしれない。それにしても、下げるなあ。実は1月26日に評価益はピークを迎えていた。世間的にはすでに変調を迎えていたが、自分の持ち株だけは上がっていた。ところが、1月29日からおかしくなる。前週急騰した株がその上昇分を少しづつ減らしていった。あれよ、あれよと下がって行ったが、2月2日現在ではまだ被害は少なかった。日経平均の25日移動平均線マイナスもすぐ戻るだろうと思っていたが、そうは問屋はおろさない。

ニューヨークが2月2日大きく下げた。長期金利の上昇が原因だという。さて、5日はどういう寄り付きか?寄り付き後軽く押し目買いが入るが弱い。10時過ぎに一部売却の決断。利益が出ている2つと含み損を抱えた1つだ。中長期的に持とうとしているDとT2つについてはそのまま。ここでいくつかある他の株も売っていればよかった。最初の決断はむしろ遅すぎたくらいだが、これはそのあとの大幅下落を踏まえると大正解だった。

もっとも下げた6日は静観、一度戻すのは間違いない。そう考えると、あわてない。そのままにする。すると、翌7日反発、これは予定通りだ。しばらくは行方を見送るが、持ち玉は寄り高のじり安というパターンだ。いやだなあと思いながら外出。日経先物をみると、昼休み中に下がっている。それも日経平均ベースで200円も。おい、これはやばい。ということで後場を見る。しばらくすると、じり安のパターン。これは持ち株全部売却で仕方なかろうということになる。含み益がかなりすっ飛んだが、黒字で退出できた。

これですっきりするはずだが、虎視眈々と復活戦を狙う。
でもうなぎの手づかみみたいにうまくいかない。まだまだだと思うが、どうなんだろう。

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映画「くも漫」

2018-02-12 19:28:22 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「くも漫」は2017年公開の日本映画


中川学の漫画の映画化である。なんとなく面白そうという感覚で観た。低予算がにじみ出る構成だが確かに笑える。自閉症の子供を担当する代用教員が、遊びに入った風俗店でくも膜下出血になってしまう。幸い命に別状なく回復するが、どこで倒れたということもなかなか言い出せずにいることを面白おかしく語る。

29歳の中川学(脳みそ夫)は長年のニート生活を経て、父親(平田満)のコネでようやく教育現場の職を得る。初めて人生の歯車がかみ合い始めた高揚感と抑えきれない性欲から風俗店へと繰り出す中川。ところがNo.1風俗嬢ゆのあ(柳英里紗)から最高のサービスを受け、絶頂を迎えようとしたまさにその瞬間、中川はくも膜下出血を発症してしまう……。


やがて完治率わずか30%の病から生還した中川は、風俗店で倒れたことをひたすら周囲に隠そうとするのだが……。 (作品情報より)

小品だけどいい感じだ。
中学の教員だったけど、生徒たちに相手にされず、逆登校拒否で引きこもりになる。父親の紹介で自閉症の子相手の特殊学級で教えはじめ、最初はうまくいかなかったが、ようやくなついたことで自分へのご褒美で風俗に抜きに行く。最初はババアがでてきて、これじゃ無理だと店をかえていくと今度はかわいこちゃんだ。


いわゆる地方都市の転勤もしてきたけど、人口10万程度の街であれば、商店街の一角にこういう風俗街がある。救急車で運ばれた病院で手術をうけ、両親が見守る中、九死に一生で助かる。ヘルス嬢は洋服をたたんで渡してくれたが、靴は忘れたままだった。それを母親がおかしいと言い出す。何で靴がないの?商店街で倒れたなら、どこかにあるはずだと。ヘルスに行かれたらヤバいとひやひやする主人公だ。

親戚も見舞いに来てくれたが、何かおかしいと言い出す。それにもドッキリだ。こんな話が続くわけだが、とにかく笑える。

年末、大宮のソープで火事があり、お客とソープ嬢が焼け出されてしまう悲しい出来事があった。いわゆる大宮北銀座で中山道の街道沿いを少しづれたエリアにある。おそらくは江戸の昔から宿場で遊郭があったのであろう。もはや、建て替えもできないところだから、いったん火事となると閉塞的な空間から逃げ出すことができず、こういう悲劇になってしまう。ちょっと抜きにというのは元気な男性諸氏の生理的行為だが、こんな話があると怖くなってしまう。

ここではクモ膜下出血の大病で倒れてしまう。先ほどの話同様にこんなことになったら、ヤバいなあと思うが、それでも血気盛んな男性たちは懲りずに行くでしょう。


それにしてもこの風俗嬢実にかわいい、本当にやさしそう。。といっても普通の女性にはこの気持ちわからないだろうなあ。
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