映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

矢沢永吉2015東京ドーム参戦3

2015-09-06 15:48:40 | 矢沢永吉
オープニング一曲目に登場してもおかしくないレイニー・ウェイが流れる。
ここでも照明が効果的に視覚を刺激する。
グリーンのレーザービームが東京ドームの天井めがけてチカチカ光る。
どしゃ降りの雨の歌詞とロックの匂いが強いギターにはよく似合う。

ここでヤザワがバイクで会場を1周する。この演出もなんとも言えずしびれる。
最後一気にステージへバイクが駆けあがる時には観客から「オー!!」という声があがる。
その途中から「サイコーなROCK YOU!」のギターイントロがガンガン流れ、ヤザワがそれに合わせて歌う。
コンサート開始から時間もたって、ヤザワがクライマックスにめけて押し進んでいく。
いつものように、肌もあらわにした女性ダンサーたちがヤザワを取り囲んで踊る姿がかっこいい。

次のワン・ナイト・ショーに曲が変わるとアッと驚く演出が!!
なんと、ステージが宙に浮きアリーナの観客の上を移動するのである。
アリーナのお客さんは下からエーチャンを見上げるのだ。
もう!「ロックンロールに感謝」なんていつものセリフでノリノリになってくるヤザワ。
そしてアリーナの中心部にギタープレイヤーと一緒に移動してシャウトしまくる


移動先でまた一段高い位置にすっと上がる。
ヤザワ自身もここは高いねえなんていっている。
そこで情感を込めて歌う苦い涙はしみじみとしていい曲だ。

その後でディスコティックでは再びステージが宙に浮き観客の上を移動して元に戻る。
行ったきりになったらどうするんだろうなんて見ていた。
このステージ装置も凄いねえ。「ディスコティック」もそうだけど今回はアルバム「A DAY」の曲も多かったな。
「土曜日のディスコティック」で始まる歌詞はノリノリになれるが、これが発表された昭和51年はまだ「サタデイナイトフィーバー」以前で、ディスコは大学生などが集う健全な社交場になっていなかった。どちらかというと不良のたまり場的な遊び場だった。ある意味不良まっしぐらの少年たちにこの歌は受けまくったのだ。野暮で無邪気な70年代後半を象徴する歌といえる気がする。


次にメンバー紹介へ移ったが、安定したリズムを曲に与えるジョージ・ホーキンス、ガイ・アリソンの2人のメンバーの活躍が今回も目立ったし、昨年から加入したジェフコールマンのギターがヤザワの歌と引き技、押し技の応酬を繰り広げるのがすばらしい。柳を外して再起用とはたぶんヤザワも気に入っているんじゃないかな?

ニューグランドホテルでは逆に米川英之のリードギターが目立った。彼はC-C-Bの元メンバーだ。この横浜っぽい歌詞がなんとも言え素敵だ。そしていったん 逃亡者で締める。

アンコールがはじまり、最初曲名がわからなかったが、キャロルの 「ミスター・ギブソン」だということに気づく。これもコンサートで聞いたことがない。当時アルバムでは地味な歌だったけど、ずいぶんとうまい具合にアレンジしたなあ。
そしてトラベリン・バスだ。いつもながら「ルイジアナ」の声でアッと気がつくとトラバステープが飛ぶ。
観客たちも今度はタオル投げするのに準備万端で、みんなで「その日暮らしが。。。」と歌い込む声がドーム中に響く。


これで終わりかな?と思ったらバラードの雰囲気だ。
この「いつの日か」が本当によかった。白ではなく、グリーンの星屑が東京ドームの天井を埋め尽くす。
この瞬間こそ、ヤザワのコンサートに来て本当によかったと思える瞬間だ。

最後バラードで締めるのかと感じた観客がボチボチ帰りはじめていた。
自分もこれで最後と思っていたら、まだ間がもっている。場内照明が明るくならない。どうしたんだろう。

ヤザワはROCK IN DOME 2015 で最後まだやり残したようだ。
白スーツ&パナマ帽でさっそうと登場する。もしかしてもう一回Ha~Ha~やるの???そうだ!特別サービスに大興奮する。
帰りかけていた観客まで立ち止まる。
意表をついて2曲目に歌った「 止まらないHa~Ha~」がもう一度流れる。ヤザワがバラードで引き絞っていた手綱を放しきる
と、観客はいつものように「止まらない、離れない」とロック演歌を自ら歌い、タオル投げにわれを忘れる。二階席から見るタオル投げは実に壮観だ。すごいなあ!

最後のどんでん返しの伏線は最初の四分の一の段階で張るのが小説の鉄則とすれば、今日のヤザワは優秀な推理小説家のようだな。

でも困っちゃうなあ。
反省会をしながら今年本当にこれで終わりなの。なんとかオマケで年内やってほしいものだと思いながらタクシーに乗る。
さすがに前日の痛飲とは一変、静かに飲んだだけだった。

(参考作品)
ALL TIME BEST ALBUM
ROCK IN DOME 2015 と連動


EIKICHI YAZAWA 40th ANNIVERSARY LIVE 『BLUE SKY』
日産スタジアムのライブ
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矢沢永吉2015東京ドーム参戦2

2015-09-06 14:30:34 | 矢沢永吉
ゴールドラッシュで雰囲気を盛り上げたあとはロックンロール
ヤザワが何度もカモンと叫ぶBIG BEAT
今回ドームの選曲はALL TIME BEST ALBUM Ⅱ を意識している気がする。
BIG BEATもその一つだ。
そしてまた初期の歌に戻り「黒く塗りつぶせ」が流れる。
このあたりのノリはギンギンだ。


その後でヤザワがアコースティックギターを肩にかけ歌いだす。
未来をかさねては比較的最近のバラード系の傑作
「遠い夜空にまたたく星が」というメロディラインがきれいで自分は好きだ。
武道館で星屑のような灯りをバックにこの曲を歌った時は実によかったなあ。

次のMCに入るといきなり「未来をかさねて」の詩がいいよねという。
おれはふけていないよ。これからもふけないよ。と言い切る。
66歳になったけど、いったいいつまでやるんだろう。

三吉のアコースティックギターが入る。美しい音色だ。
ファーストアルバムから「安物の時計」だ。
「チッチ、チッチ」と歌いたくなる。
普通の歌手の歌であれば、最初のアレンジからこんなに大きく変わることはない。
ヤザワは進化している。他の歌もそうだが、初期のアレンジからどの歌も洗練させていく。これがヤザワの凄味だ。

アルバム「ゴールドラッシュ」からロックンロール「鎖を引きちぎれ」
これは実にワイルドな曲。元来のヤザワらしい荒々しさがニクイ。
スネイクのサックスも冴えている。
おなじみGET UP では歌詞にあわせて観客もノリまくる。
「ゲラゲラ」といって手をあげる調子だ。

ここで衣装チェンジとなり、コーラスとYOKOが間をつなぐ。
それにしてもバックバンドのレベルは今回実に高い。それぞれのソロを聞いているだけでもしびれる。
赤い服に着がえた後でMCへ


MCでは前回のコンサートでYOKOとデュエットをした話をしていた。
一度コンサートツアーをやめた時があって、その時は結局酒を飲んでばかりいて何も変わらなかったと言っている。
そうなんだよね。辞めてもらっては困るんだよ。今からじゃ遅いけど、来年は武道館復活させてよ。

このあとはALL TIME BEST ALBUM Ⅱに入っている選曲が続く。
世話がやけるぜのあとはファーストアルバムから恋の列車はリバプール発
ガイアリソンのキーボードがギンギンにきいたイントロがノリを高めるご機嫌なロックンロールだ。
例によって50代以上のオールドファンにとってはヤザワと一緒に歌えてしまうので楽しい。
ここでステージ後ろの大型スクリーンにアニメが映る。また、これが笑えてしまう。
これってモンキーパンチ製作「PURE GOLD」のPVだよね。ムチャクチャこの曲に合ってる!!


つづく初期の歌「最後の約束」がやさしい響きで、これがよかったと懐かしむ人が多いようだ。
その気持ちわかるなあ。色々ヤザワ自身の秘話があるようですねえ。
これもスネイクのサックスがきいている

MARIAが流れた後で末延のバイオリンにあわせて流れるのが LAHAINAだ。


今回の東京ドームコンサートROCK IN DOME 2015 では個人的には一番いいと思った。
日産スタジアムの時に夏の終りの季節感よく「棕櫚の影」をだしてきたが、ここでもその流れだなあ。
なんとも言えない胸にしみるバラードだ。
すばらしい!!

(続く)

(参考作品)
ALL TIME BEST ALBUM
東京ドームの選曲はこのアルバムを基調


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日産スタジアムのライブ
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矢沢永吉2015東京ドーム参戦1

2015-09-06 07:04:17 | 矢沢永吉
矢沢永吉2015東京ドームに参戦してきました。

年末恒例の武道館コンサートを今年はやらないという。そうすると、今年は東京ドームが最後になってしまう。
これはいくしかないだろう。


会場にいくと、たぶん全国からきているいつもながらのヤザワファンに加えて、なぜか子供がめだつ。
武道館ではあまり見ない光景だ。家族でディズニーランドにいく感覚なのであろうか?
入口では荷物検査はきっちりやっていたが、飲酒検問はめずらしくやっていなかった。
さすがにヤザワファンで酒飲んだら入れないのは知っているから、検問やっていなくても飲んでこないでしょう。

今回は2階席だけど、全体を見渡せてなかなかいい感じだ。
あちらこちらから恒例のエーチャンコールがすごいけど、ここまで広いと個別のお兄さんたちの声が混ぜ合わせて聞こえない。
ウェーヴを会場の中でやっているなあと思っているうちにいよいよ開演

スクリーンに矢沢が大型の車で乗り付けるシーンが流れたあと、真っ赤なアメ車のオープンカーが現れる。
矢沢の登場だ。
熱狂的なファンの声援に応えながら矢沢の車は会場内を一周する。

そして「RUN & RUN」でスタート
今回は照明設計が実に巧みで、我々の末梢神経を鋭く刺激する。
マイクスタンドを20代の時のようにビュンビュン振りまわす。ノッテるねえヤザワ
後ろのバックバンドにトシ柳がいない。若干メンバーが変わっている。
昨年いたジェフ・コールマンのギターが抜群にいい。

そしたら突然「止まらないHa~Ha~」だ。
これには意表を突かれた。
タオルを用意していない人もいるんじゃない。それでも会場の興奮は絶頂に。


続いてキャロルの曲「愛の叫び」
「恋しい君の名を呼べば、むなしい想い出」
中学生の時にこの曲はレコードがぐちゃぐちゃになるくらい聞いたけど、キャロル時代でなくヤザワのコンサートで聴いたのはじめてだなあ。
キャロルのバージョン↓
ウッチャンのギターいいよね。




懐かしいなあと思っていたらまたまたキャロル
「ファンキー・モンキー・ベイビー」で波状攻撃だ。
どうしちゃったの?!サービス精神旺盛じゃない。
誰もが知っている歌だけに会場内には観客の歌声が響く。


最初のMCだ。
「ようこそ」といつものように感謝の意を表してくれる。

「二発目にHa~Ha~をやるとは思っていなかったでしょ」確かに意表をつかれたなあ。
「ごめんなさい」とまで言っていた。

タオル投げヒストリーということで、最初ある会場で一部のファンがパラパラやるようになり、次の会場にに行っても同じようにファンがパラパラあげるようになる。これも悪くないなあと思っているうちに1年たつと「ドカーン」になると。
矢沢さん「タオル家で使っているんですか?」と聞かれるけど、本人なんで遠慮しているとのこと。
なるほど

5曲目にバラードに
「ゴールドラッシュ」だ。
この曲こんなにいい曲だったっけと思わせるバックの演奏だ。
今回は日本人のギターリスト米川も加わるが、なんせジェフ・コールマンのギターが超しびれる。

(続く)

(参考作品)
ALL TIME BEST ALBUM
ROCK IN DOME 2015 と連動


EIKICHI YAZAWA 40th ANNIVERSARY LIVE 『BLUE SKY』
日産スタジアムのライブ
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映画「ギリシャに消えた嘘」 ヴィゴ・モーテンセン&キルスティンダンスト

2015-09-06 06:06:17 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ギリシャに消えた嘘」は2015年日本公開のサスペンス映画だ。

公開当時仕事多忙で見に行けなかった映画の1つだ。「太陽がいっぱい」「見知らぬ乗客」という映画史に残るサスペンスの原作者パトリシア・ハイスミスの作品と聞けば、見てみたくなる人は多いだろう。題名から連想して地味系の欧州映画と連想してしまったのは軽率だった。帽子をかぶった主人公の顔をみてヴィゴ・モーテンセンと気づかなかったし、キルスティンダンストも洗練された女の雰囲気でポスターからは想像がつかない。


自分が一度も行ったことのないギリシャでのロケが中心で、遺跡をバックに出演者の服装も粋でバックの音楽が情感を高める。
見てみるとなかなかセンスのいい映画だ。

1962年。ギリシャのアテネでツアーガイドをしているアメリカ人青年ライダル・キーナー(オスカー・アイザック)は、パルテノン神殿を訪れた際、優雅な装いのアメリカ人夫婦、チェスター・マクファーランド(ヴィゴ・モーテンセン)と若く美しいその妻コレット(キルステン・ダンスト)と知り合う。


コレットの依頼でガイドを引き受けたライダルは、夫妻と夕食を共にして、楽しいひと時を過ごす。その夜、夫妻の元へ1人の探偵が訪ねてくる。チェスターは、ニューヨークで裏社会の連中を相手に投資詐欺を働き、大金を奪って逃亡中だったのだ。揉み合いの最中、誤って探偵を殺害してしまったチェスターは、偶然ホテルにいたライダルに嘘をつき、協力を要請。やむなくライダルは偽造パスポートの制作を知人に依頼し、後日、クレタ島で受け取る段取りを整える。


アテネを脱出し、船とバスを乗り継いでクレタ島に向かう途中で身の上話を語り合う3人。しかし、親しげにコレットと接するライダルに嫉妬の炎を燃やしたチェスターは、次第に酒を飲んで粗暴な言動を繰り返すようになってゆく。一方、ラジオのニュースでチェスターが探偵を殺害した事実を知ったライダルは、正当防衛が認められるからと自首を勧めるが、相手にされない。逃亡を助けて共犯者となったライダルも、既に後戻りできない。夫婦を殺人容疑で指名手配した警察が大規模な捜査を開始しているようだが。。。

1.ヴィゴ・モーテンセン
「ヒストリーオブバイオレンス」で演じた裏社会から堅気に変貌しようとした影のある男が最も印象深い。死んだ双子の兄弟になりすました1人2役で演じるアルゼンチン映画「偽りの人生」もよくできている。
サマースーツが似合う紳士で顔がバタ臭い。ヴィゴだと気づかなかった。


裏社会の男たちを相手に投資詐欺をやったら、ただじゃ済まないだろう。こういう時のマフィアにしろヤクザにしろメンツをかけて徹底的に追う。ニューヨークから遠く離れたギリシャにいても追手の探偵は見つけてしまう。しかし、探偵は功を急ぎすぎてヴィゴにやられてしまう。正当防衛だけど、取り調べを受ければ、姿を隠して逃げまくっている自分の正体もばれてしまう。とっさにガイドの手を借りて探偵の部屋へ死体を運ぶのだ。しかも、その場でホテルから脱出する。ここから逃走劇がはじまるのだ。

2.キルスティンダンスト
「スパイダーマン」のヒロイン役が出世作だけど、ソフィアコッポラ監督「マリーアントワネット」も新婚早々のかわいい姿が中心の演技だったのでかわいいイメージがこびりついている。彼女も一瞬気がつかなかった。


30代をすぎて少し色っぽくなったのかもしれない。下着姿が妖艶である。

3.パトリシア・ハイスミス
「見知らぬ乗客」は戦後のヒッチコックでは代表作の1つ。交換殺人を持ちかけられたテニスプレイヤーを窮地に陥らせるスリリングな展開が痛快で、最後のメリーゴーランドのシーンを最初に見たときはびっくりした。ルネ・クレマン監督アランドロン主演の「太陽がいっぱい」は、アランドロンの姿がかっこいいので、自分が少年時代は下敷きの中にこの写真を入れている女の子がいっぱいいた。でも、映画はその写真のイメージとは裏腹でドロドロしているし、本当の最後に悪巧みがわかってしまうのがミソ。

いずれも、犯人をあてるというよりも、悪さをした犯人が逃げ切れるかに焦点があてられる。「ギリシャに消えた嘘」もそういった意味では同じかもしれない。最近は悪さをしても逃げ切れる脚本が時折あるので、映画の最後までひやひやするが、パトリシア・ハイスミスの原作だと、一時代前の作品なので、結局つかまってしまうんだろうなあと自分は読みすぎてしまう。


4.アルベルト・イグレシアス
流れている音楽のタッチが不安を増長させるなかなかいけるものだ。何か違うなあと思っていたらアルベルト・イグレシアスの作曲だとわかる。スペインのペドロアルモドバル作品でエキゾティックな音楽を奏でている。こういう情熱的な音がギリシャの美しい景色をバックに流れるのはいい。風景の力と音楽の力がかみ合っている。

(参考作品)
ヒストリー・オブ・バイオレンス
ヴィゴ・モーテンセンがカッコよすぎ


見知らぬ乗客
パトリシア・ハイスミス原作でヒッチコックの演出が冴える。
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