看護士のミナちゃんの秘密が明かされた回。乳がん治療のため、島を離れた彩佳の代わりに、レギュラー陣として起用された新米看護婦ミナちゃんは、彩佳と比較されるから、プレッシャーがあったと思うけど、「Drコトーの世界」に、見事溶け込んだと思う。蒼井優ちゃん、私は、好きだなあ。バレーを踊るシーンが、印象的だった「花とアリス」くらいしか彼女の出演作品って知らなかったのだけど、映画育ちなのね。
彩佳とコトー先生に、和田さんだと、もうテキパキと診療所でのやりとりが進んでしまうけれど、頼りないミナちゃんを投入することで、スタッフを育てていくコトー先生というのもを見ることができたし、成長していくキャラクターを、見ていくことは、楽しかった。
何か訳ありのところがあることは、今までの回にも、匂わせてきたけれど、まさかDV夫から逃げてきたとはね。ただ、ドメスティックバイオレンスという言葉は、番組中使われなかったけれど、それを体現しないといけない夫役の知明を演じた忍成修吾くんは、イマイチだったかな。ちょっと無表情で、普段は穏やかでも、ばっと豹変する狂気を表現するには、役不足。和田さんが、絶妙のタイミングで、割り込んできたということもあるか(笑)
今回は、レギュラー陣の演技力に頼って、話を進め、セリフで語らせたところがあったと思う。彼が、胸を押さえて倒れこみ、心停止してしまい、コトーとともに、ミナちゃんが助けるところは、「おいおい」という流れで、このドラマに今までにないちょっと無理やり感があった。
予告で流れてた「その先の人生は、自分の力で、切り開くべきです」は、ミナちゃんに言うのかと思ってたけど、知明に対してだったんだね。「そう思うなら、あなたは、やはりこの島を出て行くべきです。」ときっぱり。
コトー先生が、知明を諭すところは、シビレタ!タケトシに対しては、静かに聞くだけで、差し出がましいことは、一切言わなかったのに。
「治そうという強い意志があれば、病はきっと良くなります。体の病だけでなく心の病も。でも、それは、医者が治すのでも、周囲の人間が治すのでもない。その人自身が、病に立ち向かおうという気持ちがあって、初めて僕らは手助けできる」
ゆかりさんの生命力をまのあたりにして、コトー先生は、たくましくなった。彩佳の病に対しても、関わっていく伏線をひいたメッセージだと思った。
今回のもうひとりの立役者は、なんといっても和田さん。今までも、陰に日向に、ミナちゃんを励まし続けてきた和田さんだけど、今回は、びしっと男っ気のあるところ見せてくれました。舞台出身の筧さんは、セリフの入るタイミングが、絶妙なんだよね。ミナちゃんに、女心にしみる言葉をかけてくれる。
予告には、振り回されちゃう。
鳴海先生が、「だから、私は、執刀をする」と言う声を、「だから私は、嫉妬をする」と聞こえちゃった私。鳴海先生って、患者を、家族のように接するコトー先生に、嫉妬してるところって、あるんじゃないかなあ。
ミナちゃんが、きちんと夫にも、言うべきことをいい、コトー先生と、和田さんに、最後話すところは、立派だった。自分の言葉で、自分を語れるまでに成長したミナちゃんの演技には、感動して泣いちゃった。
さて、残すところあと2回。コトー先生、彩佳さんを助けてあげてね。