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ドイツ雑貨「ショップ ダンケ」のオフィシャル・ブログ

Drコトー診療所2006 第10話

2006-12-16 02:25:58 | 映画&ドラマにハマル!

わーん、いやがうえにも最終回盛り上がる仕掛けを一杯作っちゃった10話だった。

コトー先生が、皆に背中を押されて、彩佳のために、東京に行くまでを、じっくり描いてくれた回だった。主要登場人物に、それぞれに、ここぞという見せ場を用意してコトーに関わり、ドラマが、クライマックスに向けて、集積されていく。

娘の乳がんを知って、東京に駆けつける正一と、彩佳の親子喧嘩。これも、お互いを思いやるこの親子ならでは。

彩佳の精一杯気丈に振舞う電話は、切なかったなあ。元気に働く看護士の彩佳のシーンを、効果的にはさんで、「私ひとりのために、コトー先生に来てもらうわけにはいきません。志木那島の診療所の元・看護士として、それはできません。」元・看護士だなんて、彩佳さん、言わないで。電話を切って、泣き崩れる彩佳に、こちらももらい泣き。

昌代さんが、正一と一緒にやってきて「ごめんなさい。つらかったね。せんせい」って、さすがだわ。わかってる。この人の言葉に、コトー先生は、救われたに違いない。彩佳の乳がんを隠されて、一度は、コトーとも亀裂の入った正一も、一緒に頭を下げた。きっと昌代さんに叱られたのかもね。クールにデータで、彩佳の病気の診断をする鳴海先生に会ったことで、逆に、コトー先生への失われた信頼を、取り戻したのだろう。

「彩佳さんには、専門医がついている。もし、僕が行ったとしても、医師として何もできない。そばにいることくらいしか。」と嘆くコトー先生に、和田さんは、ここぞのタメ口で、

「だから、いくんじゃないのか 先生」こういう時、年上の男性として、力強いサポートを、いつもしてくれる和田さん、サンクス!

さて、3年前、東京へコトー先生を迎えに行ったタケトシが、今度は、コトー先生を、「剛宝丸」で送る。ずっと、彩佳を一人で東京に行かせたことを悔いていたコトー先生だが、「もう、後悔しません」

遠ざかっていく志木那島を見て、「きれいですね。僕は、こんな美しい島に住んでいたんですね。」と自然に対する言葉が出てきたのは、象徴的。8話で、自分の無力にうちひしがれていた時も、大海原が、コトー先生を慰めてくれたものね。

それで、病院に到着したら、大きな荷物を抱えてうろうろ。彩佳を見つけて、コトー先生、36歳にして出た言葉が、「来ちゃった」

うーん、かわゆすぎる!この言葉に「来ちゃった」視聴者は、雨あられだろう。こんなお茶目で、天然なコトー先生は、吉岡コトーしか出来ません。(きっぱり!)

「もし、再発したとしても、僕が、何度でも、何度でも治します。僕は、彩佳さんのそばに、ずっといますから。彩佳さん、僕にオペさせてください。」

これは、コトー流、究極のプロポーズだよね。名セリフです。脚本家の吉田紀子さんに乾杯!

もともと男女のことには、超うといコトー先生は、彩佳が口走った恋愛感情には、乳がんの告白のショックもあり、戸惑いのほうが大きかっただろう。自分の感情より、大変なものを背負わされたという気持ちのほうが強かったのかもしれない。

しかし離れてみて、島での診療をもくもくと行う日常のなかで、彩佳の存在の大きさに気づき、彼女のことを想う気持ちが蓄積され、悩んだ。そのうえで、彼女に寄り添うこと以上に、Drコトーならではの決断をした。つまり彩佳のオペをすることまで、踏み込んだ。プロポーズの重みが、そんじゃそこらの人とは違う。だって、「あなたの命を、僕に預けてください」と彩佳に言ったのだから。

こくんと頷く彩佳。化粧っけのない顔、抜けた髪を隠すキャップをしている彩佳の流す涙には、人間としての生身の感情に溢れていたねえ。男女の間を超えたものなんだ、この二人はと、つくづく納得させられた。

告白の間、コトー先生は、前髪で顔半分隠れていた。中江監督の演出だろう。コトーは、彩佳を見て、髪をかきあげて、はにかんで笑顔をのぞかせた。この無邪気な笑顔が、いい、抜群にいい!

この人は、年をとっても、ずっとこんな笑顔をするのだろう。老成しているようにも見え、少年のようにも見え、何よりヒューマンな素敵な笑顔だった。

鳴海医師に任せていたのに、医師としてオペに加わりたいというのは、越権行為でもあると思うし、彼との対決してでも、次回、コトー先生は、人生最大の戦いに挑みます!

コトー・サンタが、お見舞いに持ってきた小道具、たとえば、和田さんの特別カレンダーなんかは、最終回、絶対使われると見た!


Drコトー診療所2006 第9話

2006-12-08 21:53:52 | 映画&ドラマにハマル!

看護士のミナちゃんの秘密が明かされた回。乳がん治療のため、島を離れた彩佳の代わりに、レギュラー陣として起用された新米看護婦ミナちゃんは、彩佳と比較されるから、プレッシャーがあったと思うけど、「Drコトーの世界」に、見事溶け込んだと思う。蒼井優ちゃん、私は、好きだなあ。バレーを踊るシーンが、印象的だった「花とアリス」くらいしか彼女の出演作品って知らなかったのだけど、映画育ちなのね。

彩佳とコトー先生に、和田さんだと、もうテキパキと診療所でのやりとりが進んでしまうけれど、頼りないミナちゃんを投入することで、スタッフを育てていくコトー先生というのもを見ることができたし、成長していくキャラクターを、見ていくことは、楽しかった。

何か訳ありのところがあることは、今までの回にも、匂わせてきたけれど、まさかDV夫から逃げてきたとはね。ただ、ドメスティックバイオレンスという言葉は、番組中使われなかったけれど、それを体現しないといけない夫役の知明を演じた忍成修吾くんは、イマイチだったかな。ちょっと無表情で、普段は穏やかでも、ばっと豹変する狂気を表現するには、役不足。和田さんが、絶妙のタイミングで、割り込んできたということもあるか(笑)

今回は、レギュラー陣の演技力に頼って、話を進め、セリフで語らせたところがあったと思う。彼が、胸を押さえて倒れこみ、心停止してしまい、コトーとともに、ミナちゃんが助けるところは、「おいおい」という流れで、このドラマに今までにないちょっと無理やり感があった。

予告で流れてた「その先の人生は、自分の力で、切り開くべきです」は、ミナちゃんに言うのかと思ってたけど、知明に対してだったんだね。「そう思うなら、あなたは、やはりこの島を出て行くべきです。」ときっぱり。

コトー先生が、知明を諭すところは、シビレタ!タケトシに対しては、静かに聞くだけで、差し出がましいことは、一切言わなかったのに。

「治そうという強い意志があれば、病はきっと良くなります。体の病だけでなく心の病も。でも、それは、医者が治すのでも、周囲の人間が治すのでもない。その人自身が、病に立ち向かおうという気持ちがあって、初めて僕らは手助けできる」

ゆかりさんの生命力をまのあたりにして、コトー先生は、たくましくなった。彩佳の病に対しても、関わっていく伏線をひいたメッセージだと思った。

今回のもうひとりの立役者は、なんといっても和田さん。今までも、陰に日向に、ミナちゃんを励まし続けてきた和田さんだけど、今回は、びしっと男っ気のあるところ見せてくれました。舞台出身の筧さんは、セリフの入るタイミングが、絶妙なんだよね。ミナちゃんに、女心にしみる言葉をかけてくれる。

予告には、振り回されちゃう。
鳴海先生が、「だから、私は、執刀をする」と言う声を、「だから私は、嫉妬をする」と聞こえちゃった私。鳴海先生って、患者を、家族のように接するコトー先生に、嫉妬してるところって、あるんじゃないかなあ。

ミナちゃんが、きちんと夫にも、言うべきことをいい、コトー先生と、和田さんに、最後話すところは、立派だった。自分の言葉で、自分を語れるまでに成長したミナちゃんの演技には、感動して泣いちゃった。

さて、残すところあと2回。コトー先生、彩佳さんを助けてあげてね。


Drコトー診療所2006 第8話 補足

2006-12-03 12:18:16 | 映画&ドラマにハマル!

Drコトー診療所の第8話は、波紋を広げているようだ。見る人により、それぞれの感想があり、それこそが、中江監督のねらったことだと思う。

ゆかりさんが助からない
では、あきおじの時と同じで、視聴者は、なーんだになっちゃう。

ゆかりさんが助かる
それが、コトー先生の手術によってであれば、スーパードクターぶりが、鼻についちゃう。

でも、ゆかりさんが助かるというハッピーエンドは、皆が望んでいるし、何とかそれを可能にするのに、ありえない「奇跡」によってという選択を、ドラマは選択した。ある種、禁じ手を使ったともいえる。

万波医師の問題は、医者自ら、神様の領域に踏み込んで、「命」を取り扱う危険さを、私たちに示唆したが、逆に、神様のほうで、奇跡を起こしたという方法を取ったのが、今回のコトー診療所の第8回だった。

しかし、ゆかりさんの生命力や、生きたいという精神力が、「奇跡」を起こしたと説得したいわけではないと思う。

この奇跡を、リアリティのあるものにしたのは、コトー先生の反応だと、先日のブログに書いたが、今回のテーマは、、この奇跡が、どうして起こったのかとか、その可否より、むしろずっと見せたいのは、コトー先生の反応だったんではないかと、見返してみれば見るほど、思うのだ。

ゆかりさんの癌の数値がどんどん良くなっていく頃からして、コトー先生は、もう、自分の拠って立つ医学的常識や、知識が覆される思いだったに違いない。
それを、開腹して、自分の目で、癌の転移が消えていたところを見たときは、驚愕だった。

医師としての拠って立つ根幹が揺るがせられたのだし、アイデンティティーの危機だ。「あきおじ」の時は、コトー先生は「命」に逆らわない選択をした。しかし、ゆかりさんに対しては、命の期限の宣告をしたのは、他ならない自分だ。しかし、命のほうで、医師としての自分の力をよそに、立ち直ってしまった。

この「命」を前に、コトー先生は、怖れ、おののき、混乱する。ここが一番、中江監督が、私たちに見せたかったことなのではないかと思う。医師と何か?は、医師の限界や、無力さを、医師が認識することから、始まるのだと思うから。揺るぎのない鳴海医師のほうが危険なのだ。(ホントは、鳴海医師にも、紆余屈折があるようなのだけど)

ゆかりさんに感謝されても、コトー先生としては、いたたまれない思いだったに違いない。でも、ゆかりさんの言葉は、マリア様のようだった。桜井さんは、優しさに満ち溢れていたなあ。コトー先生は、泣いた。

大海原を見て、まぶしそうにまばたきをするコトー先生。生命の神秘の源泉である自然を持ってきたのは、グッドショットだった。

次回は、島にやってきた看護士のミナちゃんが、メインになるのだけど、予告で「その先の人生は、自分の力で切り開くべきです」という、コトー先生の力強い言葉が流れた。

人に対しても、ここまで踏み込んだことを言うコトー先生は、初めて。自分にひるがえって、コトー先生も、一歩を踏み出していくに違いないね。

Drコトー診療所2006 第8話

2006-12-01 02:14:33 | 映画&ドラマにハマル!

佳境の8話は、こう来たか!ひねりがあるなあ。

2003年版の第8回は、「救えない命」だった。スーパードクターのコトー先生でも救えない命があるということを見せた回で、コトー先生の号泣が、私たちの涙をそそったものだった。視聴者も、感情移入しやすくわかりやすかった。

コトー先生は、ゆかりさんは、末期がんだと自分の目で確認し、延命治療できればと思って臨んだオペだったのだろう。しかし奇跡的に、転移が見られなくなっていた。

ゆかりさんに感謝されて、涙を流すコトー先生。あきおじの時に流した涙とは、違う涙だった。

ゆかりさんは、助かったんだから、よかったじゃない?どうして、あんなにつらそうな顔をしているのと思った視聴者はいたんじゃないかしらね。

いやいや、コトー先生という医師の内面は、もっと深いということを、知らしめた回だった。

この奇跡に、コトー先生は、打ちのめされたのだった。
まず、ゆかりさんの胃がんを末期と診断し、どこかに、治せないとあきらめていた自分が、許せない思いだったんでしょうね。

また医学の常識を否定する結果をまのあたりにし、医師として自信喪失にもなったのでしょう。ストレートに自分を直撃した痛みに、参っているコトー先生は、今までで一番つらそうだった。どんなにゆかりさん家族に感謝されても、笑顔がなかった。

ラスト近く、原さんに、「少し」と言いかけて、間があり、何を言い出すのだろうと固唾を呑んで見守っていたら、コトー先生から、「疲れました」という言葉が出た。初めての弱音だった。コトー先生が、背負っているプレッシャーが、どれほど大きいものなのかを伝えた心からのうめきだったと思う。

そんなコトー先生に、海の男、原さんは、余計なことは、言わない。帰ろうとした時、ドアを閉めるのをやめて、開けて出て行った。入ってきた風が、うなだれていたコトー先生の顔をなで、海を見上げるとコトー先生。雄大な自然に、救われる手がかりを見出す表情の移り変わりは、吉岡コトーの真骨頂!このへんも、セリフはない。でも、見せてくれます。中江監督の演出は、心憎い。

コトー先生は、仙人でも、魔法使いでも、スーパードクターでもない。医療の限界、自分の限界に打ちのめされる人間。だからこそ、謙虚に、次の一歩を踏み出せるのではないか?その布石を置いた回で、やっぱり彩佳さんとの着地点において、大きなターニングポイントになった回だと思う。


Drコトー診療所2006 第7話

2006-11-26 18:21:48 | 映画&ドラマにハマル!

「Drコトー診療所2006」は、全11回で、トータルなお話と見たほうがよいようだ。「Drコトー診療所2003」のときは、各回にゲスト出演者を呼んで、一話完結型という感じだったのだけれど、今回のシリーズは、彩佳が、がん治療のために東京へ、タケヒロ・タケトシ親子も、島を出てのストーリーも、連続して引っ張って見せている。

2003年版は、コトー先生が、物語の主軸であっただったけれど、2006年版は、コトー先生は、それぞれの人の物語を見守る存在として描かれている。

今回は、ゆかりさんの胃がんが発覚し、タイトルも、「命の期限」

当の本人のゆかりさんは、コトー先生から、何もしなければ余命3ヶ月と聞かされても、気丈夫で冷静だった。夫のほうが、隠しきれない動揺があったというのに。

でも、春江さんから、お気楽に、「頑張ってね」と声をかけられると、さすがに、「私にどうがんばれっていうの?」と声を荒げてしまう。当然でしょう。

3歳のチカちゃんは、母親の不安定さを感じて、話したいことあったけれど、「もういい」とお父さんのほうにうずくまってしまう。このへんのリアクションが自然だったなあ。

期限が迫った命とは、対照的に、生まれてきた命を描いたのも、秀逸。わが子を残していかなければならない母と、子供を産んだばかりの母が、同じ病室に寝ているというのも、何とも皮肉。でも、ゆかりさんが、頼んだことは、春江さんの生まれたばかりの赤ちゃんを、抱かせてもらうことだった。「これが、命の重さね。」

母は、強し。ゆかりさんは、1日でも長く、チカのそばにいたい。抗がん剤治療を、コトー先生にお願いする。ゆかりさんのきっぱりした表情が、凛として美しかった。桜井さんの演技って、押し付けがましくなくて、吉岡さんとの演技の相性が、ぴったりだった気がした。

コトー先生が、ゆかりさんに言った言葉。「生きることだけを考えてくださいね。どんな状況になっても最後まで自分は生きるんだと思い続けてください」

これって、今闘病している人にとっては、何よりの励ましの言葉になるでしょうね。

ゆかりさんの闘病は、この回だけでは、とうてい解決せず、来週に持ち越し。

第8回は、2003年版は、「あきおじの死」を扱った回で、視聴者が涙をふりしぼったものだ。ヤマ場となる回になるに違いない。

というのは、ゆかりさんの胃がんは、コトー先生には、彩佳さんの乳がんの件を、痛感させずにはいられないわけで、第8回は、最終回まで持ち越される彩佳さんの手術にも、影響を与えると思う。