んまい、いなせやのブログ

いろんな人との出会いを楽しみに・・・

続・東北蔵の声

2013-04-23 11:26:31 | Weblog
 岩手県、赤武酒造の古舘さんのお話をしましょう。

赤武酒造さんは岩手県上閉伊郡大槌町にありました。

古舘さんは海近くの事務所にで仕事中大きな揺れが二回あったと。

小さい頃から津波の恐さは聞かされていてカバンに大切なものを

入れて即避難された。まずは、家族スタッフの安否確認。

娘さんが一人居ない事に気づき一時間半かかって探された。

その時高齢の女性も一緒に避難したが、助けられない人もたくさん見た。

娘さんと会えて高台を見ると、凄い土煙りが見えた。

「きた」と思った。気がつくと片手に空ッポのリュックを持っていた。

無意識に持ったと。飼っていた猫のジジが見つけたられたら

入れて一緒に避難しようと思ったと。


津波から4~5日火事が続いたそうだ。

隣町に消防車の応援を頼んだり駆けづりまわっていると

一早く、大阪ナンバーの消防車が来てくれた事を

今でも感謝してると。


暫くは何も考えられなかった。

諦めてハローワークにも通われた。

周囲から「もう一度やって欲しい」と声が上がり

被災企業から無償で借りられる倉庫を借りリキュールから作り始める。

でも、やっぱり酒が作りたい!一緒に作らせて頂ける蔵を探す。

盛岡の蔵元さんをお借りして酒を作り始める。



その後、追いかけられる夢を何度もみたり、自分が自分ではない

ような感じが続いた。


古舘さんは「ここの人たちは、声をあげたくてもあげられない」と言う。

自分が皆に変って、言わなきゃいけないと自分を変えようと思った。

今までなら、こんな人の集まる場所で代表して話す人間ではなかった。

話してる今も足が震えていると。でも、意識を持って変ると決めたと。


時折、方便もでてアットホームな雰囲気の古舘さん。

試飲会になると、笑顔で楽しく我が子のように「浜娘」を

ふるまってられた。


さて、明日は福島の浪江町にいらっしゃった鈴木酒造さんを

ご紹介しますね。