んまい、いなせやのブログ

いろんな人との出会いを楽しみに・・・

東北蔵の声

2013-04-22 10:59:37 | Weblog
 あるイベントで東北の蔵元さんのお話が聞けると知り

ドロップキック参加店としては、いえ参加店でなくても

是非聞きたいと思い参加してきた。女子だけのイベント

と言う事もあって一人参加だが是非一人でもたくさんの人に

知って欲しいと思って書く事に決めた。東北三蔵の話を3日に渡って

連載していきます。


今日はまず岩手県 酔山酒造の金野さんのお話から

酔山酒造さんは陸前高田市にある気仙川の近く海から2Kmの場所にあった。

震災当日は「こしきだおし」の日だった。大きな揺れがあり皆、中庭に集まった。

この時はまだ、ダメージはなかった。しかし、その後津波がくるとは

予想しなかったと。海の方で消防団員の放送の声が聞こえ

その声が段々、泣き叫ぶ声に変ってきたのを聞いて「これは、くる」と確信。

皆、解散して後日連絡とし避難された。しかし、家に戻られた社員さん7名は

帰らぬ人となってしまった。次の日の朝ラジオでは「壊滅状態」と

言われたがピンとこず、蔵に向いその光景を目にした金野さんは

息を飲んだ。これが、壊滅・・・・出来上がった酒は全て流された。

建物があった時は海までは遠いと思っていたが、何もなくなった時

海は近かったと実感された。もう終った、終りだと・・・・

でも終ってこれからどうするんだ?と3日間考え

「復興に挑戦しよう」と4日目に決意。

その決意させたものは、がれきの山の屋上に鉄骨にひっかかった

酒樽だったと。「天から何か言われたような気持ちでした」と言われた。

がれき一つ、木1本動かす事が復興だと始められた。



内陸の同業者の蔵を借り、一昨年9月に酒造りを再開。

昨夏には大船渡市に新しい蔵が完成。

社員を失い、こんな時にお酒を作っていいのか悩まれたが

被災後初めて酒を出荷した日、陸前高田市の飲み屋で自社の酒を飲んでいる

お客さんの感極まった顔を見て心が震えたと。


東日本大震災では、宮城・岩手・福島の各県で

114業者中93社が被害を受けた。



この後、金野さんは優しい笑顔で自社のお酒を皆にふるまってられました。



明日は同じ岩手の大槌町の赤武酒造さんのお話にします。