んまい、いなせやのブログ

いろんな人との出会いを楽しみに・・・

続々・東北蔵の声

2013-04-24 14:15:50 | Weblog
 今日は、福島県浪江町にあった鈴木酒造の鈴木さんのお話。

鈴木酒造さんは、防波堤を挟んで海のすぐ側にあった。

当日は「こしきだおし」の日で蔵に居たところ激しい地鳴りの後

大きな揺れがきて、母屋は倒壊してしまった。

家族で酒造りをされてきて、皆おもてに避難していた。

海の様子を見に行くと近くの川の水がカラカラになっていた。

堤防に上ると、海水は見た事ないくらい引いていた。


40~50分後津波がきた。田んぼに避難し消防団員だった

鈴木さんは救助活動に向われた。津波は背後からだけでなく

側面からも襲ってきて、助けられなかった人たちをたくさん見た。

次の日、原発が爆発。福島第一原発から6Kmだった為

立入禁止となり山形に避難された。先輩がメディアの仕事を

されていて、「福島には入るなと言われてる」と聞き

喪失感でいっぱいだった。


震災以前から仲良くしていた、南会津の国権酒造さんが

一緒に作ろうと声をかけてくれた。福島の海の酒・山の酒と

いうイベントも一緒にされた事がある。

国権さんはうちのスタッフ・道具なんでも使ってと言われ

とても嬉しかった。初めは一升瓶2000本を作り

被災イベントでみんなが買ってくれて2日で売り切れた。

しかし、メディアの一部では場所が変って同じ味は作れないのでは?

と言う意見もあったが地元の人はこのラベルが貼ってある酒は

間違いなくお前が作ったのだからいいんだと。

福島は原発問題抱え酒を作る土地がなかった。

県外に出ると復興援助金が貰えない。

外に出るかどうか、迷った。


そして、決断。山形で酒造りを始める事にした。

いつか、もう一度浪江町に帰りたいと話をしめくくられた。


朝日新聞朝刊3月12日の32ページにも特集されている。

紹介した三人の顔写真も載っている。機会があったら見て下さい。


最後に日本酒の2011年度の出荷量は前年より1.2%増。

中でも東北の被災三県の伸び率が目立った。

宮城28%、岩手14%、福島5%とアップ。

ただし、2012年度は2011年度を下回りそうだと。

「今こそ、息の長い支援を」

忘れないで。

また、「サケマモル」とサイトの酒蔵復興ルポ一覧にも

このご紹介した三蔵以外にもたくさんの声があります。

是非一度ご覧ください。