一般質問では、立野ダム建設の中止、白川の安全な治水対策の推進、防災への対応についても取り上げました。
危険な立野ダム建設は中止して、白川の安全な治水対策を
昨年7月に発生した熊本南部の豪雨災害は、昨今の気候変動で想像を超える大水害が現実に起こることを突き付けました。被害のでた球磨川流域では、川辺川ダムの洪水調節を前提に、流域宅地のかさ上げが行われていましたが、その前提を欠いたままの豪雨災害にかさ上げをしていた住家も呑み込まれました。これは、白川水系にもそのまま当てはまります。立野ダムの調節量を前提にした河川整備計画のもと、堤防や河川の改修は立野ダムの調節量を差し引いた計画のため、ひとたび豪雨災害が発生すれば、ダムの分、下流域の被害は大きくなります。しかも、想定外の洪水には効果がなく、むしろ緊急放流やダム周辺の決壊等により大被害をもたらすのがダムです。
一般質問では、
①2018年の国交省提言「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」では、「ダムや堰、大規模な水門など、耐用期間の長い施設は、必要に応じ更なる気温上昇に備えた設計の工夫を行うこと」と指摘しています。今年6月2日に開かれた「球磨川流域治水協議会」では、球磨川整備方針の見直しが示されました。
昨今、気候変動による異常な豪雨が頻繁に発生しており、想定外の洪水に機能せず、むしろ危険な立野ダムは、きっぱり中止を国・県に求め、白川のダムなし治水計画の策定を国・県へ求めること。
②流域住民の安全第1に、雨期に備えた河川整備や避難情報伝達などのソフト対策も急務です。本市は、防災情報を伝える手段として防災ラジオを普及していますが、意外と知られていません。周知に努めるとともに、防災無線のスピーカーが設置された地域では普及率を把握し、普及率引き上げに取り組むこと。
また、購入時の市民負担は2000円です。いのちと安全にかかわるものであり、必要な市民へ広く普及するため、生活保護・市民税非課税世帯等は無料とすること。
③人吉では「田んぼダム」の実証実験が始まりました。立野ダム事業検証では、白川中流域での遊水地計画が検討されていました。水田面積の広い白川中流域における遊水地や田んぼダムは、河川の流量調節のみならず、熊本市の地下水涵養にも大きな効果があります。関係市町村と協力し、白川中流域における遊水地・田んぼダムの本格的な設置計画に取り組むこと。
の3点を質問しました。
市長は、
①については、「立野ダムを早期完成を国へ強く働きかける」
③については、「白川水系の管理者であり、流域治水協議会の事務局である国へ伝える」
との答弁でした。
②については、政策局長が「防災ラジオの普及については、ホームページや防災イベントでの周知広報に努める」と答弁し、無償化については言及しませんでした。
防災ラジオは、ただ頒布しているだけで、必要な人へ普及されているか把握もされておらず、防災ラジオの役目が果たせていません。早急に、実態を把握し、困窮世帯の無償化も含め、防災効果が上がるような活用へと改善を要望しました。
立野ダムについては、昨年の球磨川流域での豪雨災害の教訓を踏まえた検証もされておらず、漫然とダムを推進するようでは、市民のいのちとくらしは守れません。立野ダム建設は今からでもきっぱり中止し、白川の堤防かさ上げ、河道の掘削、流域での遊水地・田んぼダムなどに、国県と協力し取組むよう要望しました。