上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

借金に借金を重ねる市庁舎建設430億円、財政ひっ迫は市民サービス切り捨てに

2022-03-28 20:17:40 | 熊本市議会
1カ月半にわたり開かれてきた2022年第1回定例会が3月24日に閉会しました。
最終日は、上野が「2022年度一般会計予算」に反対討論、なすまどか議員が「消費税インボイス制度中止を求める意見書」に賛成討論を行いました。

借金を重ねる庁舎建設430億円は推進、コロナ対策・暮らし・福祉に冷たい予算
⓵国連のNGOである新日本婦人の会はじめ多方面から要望されてきた35人学級が国に先駆け小学5年生へ拡充
⓶困窮する世帯を対象に高校入学時の費用負担を軽減する高校進学支援金4万円が新たに支給
③すべての小中学校・高校・専門学校・特別支援学校のトイレへ生理用品が設置
⓸すべての小中学校トイレの洋式化を10年計画で実施
⓹子育て分野での各種新規・拡充事業の提案(ひとり親への支援、産前産後の支援、多子・多胎世帯への支援、保育、ヤングケアラーへの支援、子どもの実態調査など)
などの前進面がありました。

一方で、課題・問題点も残しています。
第1に、平常時も含めた保健所体制の拡充、無症状者への無料PCR検査を引き続き延長して実施、国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療保険の新型コロナ減免の引き続く延長、国民健康保険の事業主への傷病手当金支給、コロナで減収となっている事業者への事業継続のための直接的な支援、困窮者支援の拡充など、新型コロナ対策には多くの課題を残しています。
第2に、いのち・暮らし・教育分野では、国民健康保険会計への繰り出しがさらに減額され保険料は政令市で高い方から2番目。最高限度額がさらに3万円も引き上げは中止し、子どもの均等割は18歳まですべて廃止することが必要。また、コロナ禍、市立ビジネス専門学校の入学考査料と入学料が引き上げは止めるべきです。
第3に、桜町再開発・熊本城ホール、街なか広場・辛島公園・花畑公園等の整備など、市政のムダづかいを続け、過去に例を見ないくらいの借金財政。一方で貯金は使い果たし、大災害が発生すれば対応できない状況です。公共施設・インフラの維持管理・長寿命化にはこれまでなかった多額の投資的経費が必要となる中で、さらに市役所を建替えて、大規模改修に比べ借金を200億円も増やせば、市の財政はひっ迫し、大切な住民サービスの切り捨てにつながります。しかも、430億円もの大事業となる庁舎建替えの是非を検討する有識者会議の耐震性能分科会は非公開で、「耐震性能を有しない」と結論付けた設計会社の言い分ばかりを聞くような有識者会議開催予算600万円が計上されています。
第4に、環境分野では、公用車のEV化やグリーンボンド発行準備の新規事業ほか、市有施設のLED化等、温暖化・気候危機に対応する事業推進予算が計上されていますが、世界がめざす、産業革命からの地球の温度上昇を1・5度に抑えるためには、温暖化ガス排出量を2050年までにゼロ、2030年までに6割は削減するという目標に、自治体としても取り組むべきであり、まずは熊本連携中枢都市圏地球温暖化対策実行計画における温暖化ガス排出量の削減目標をそれに見合うよう、直ちに引き上げるべきです。
第5に、会計年度職員の給与及び費用弁償の条例が改定され期末手当が減額されます。もともと収入の少ない非正規職員のわずかな期末手当を毎年減額すべきではありません。熊本市は、非正規職員が市職員の4割を占め、非正規が当然となっています。非正規職員の圧倒的多数は女性であり、長年当たり前になってきた男女間の賃金格差の根本にある女性の非正規雇用は、ジェンダー平等社会にふさわしく、是正すべきです。正規雇用が当たり前の働き方を、公的職場でこそ率先して実現していくべきです。
などの問題点を指摘し、市民に寄り添った予算編成を求めました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

図書館の企画で、プロの劇団の朗読を子どもたちへ

2022-03-27 11:38:51 | エトセトラ
3月26日、熊本市城南図書館で、劇団文学座のみなさんによる朗読会が行われました。
予約制で行われた会は、地域の子どもたちを中心に満席でした。
プロの俳優さんによる語りは、素晴らしく、ワクワクドキドキしながら聴いたお話の内容もとてもよかったです。
きむらゆういち作「あらしのよる」シリーズによるオオカミとヤギの友情物語は、とても大切なことを子どもたちの心に残したに違いありません。
熊本市城南図書館・児童館の主催で行われた「はるまつり2022」の図書館部門の企画で、無料で参加できる企画でした。
このような企画が多くの子どもたちに届けられたらと願います。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

3,24要求実現+野党共闘発展の県民集会

2022-03-26 14:00:02 | 住民とともに
3月24日、夕方の熊本市中央区大甲橋で、県民要求実現と野党共闘の発展を求める県民集会が開かれました。
冷たい川風の吹く橋の上で、各野党と9条の会からの訴えがありました。
日本共産党からは、山本伸裕県議が挨拶、要求項目別のシュプレヒコールをして終了となりました。
ロシアのウクライナ侵略から1ヶ月、核兵器等の大量破壊兵器の使用すらも辞さないプーチン政権の強行な態度に、全世界が怒っています。
今こそ、憲法を守り、誰もが希望を持てる政治・社会へと行動するときです。
さまざまな形で、平和と暮らしを守るために訴え、行動していきたいと思います。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

熊本市の財政・・・・貯金は取り崩して増え続ける借金、追い打ちをかけるのが市庁舎建設

2022-03-23 20:21:22 | 熊本市政
3月22日の予算決算委員会しめくくり質疑の2項目目は、「財政の中期見通し」を取り上げました。
貯金は取り崩し、災害への対応が難しい状態
熊本地震の対応では一般財源を269億円充当し、財政調整基金を53億円取り崩しています。
この実績だけでも、37億円の財政調整基金で十分に対応できないことは明らかです。新型コロナ対策への一般財源充当額は30億円、取り崩した基金は11億円でした。不測の事態に使うべき財政調整基金が大幅に減っていたために、新型コロナという未曽有の非常時に一般財源を使った独自策が充分できなかったのが現状です。
一方、市債管理基金は財政調整基金の2倍近い積立額です。もともと市債管理基金は、市債償還はもちろん、高い金利の市債借り換えを想定して積み立てていたものです。高金利の市債が減っている今、これを多額に積み立てる必要は減っています。全国の政令市を見ても、財政悪化に直面する京都市は除き、わずか37億円の財政調整基金の一方で、市債管理基金を2倍近く積み立てている政令市はありません。
基金をどのように積み立てるのか、自治体の判断です。熊本市は財政調整基金をその時々の財政状況により積み立てています。
過去には、長年100億円程度が積み立てられてきました。財務省の資料では、「多くの自治体が標準財政規模の一定割合を積立ての考え方とし、その水準は、市町村の場合5~10%が一番多い」と解説しています。
熊本市の100億円は標準財政規模の5%にあたる金額です。災害への対応は、財政長積金ばかりではありませんが、財政調整基金を100億円程度は積み立てておく必要があるのではないかと思います。

増え続ける借金・・・市債残高は3000億円を超える、「市庁舎建替え」はさらに借金財政に
市庁舎建設をすすめれば、市債残高は3000億円を超える年度が続きます。
過去の中期財政見通しを振り返ると、熊本地震発生前の中期見通しでは、2025年の時点で、投資的経費380億円、市債発行額200億円、市債残高2372億円と見通されていました。
熊本地震発生により、地震分も含めた市債残高は3000億円を超える見通しです。
今回の中期財政見通しでは、市庁舎を建替えれば、熊本地震分を除く市債残高が3000億円を超え、すでに災害時並みの借金財政になります。庁舎建設ばかりでなく、老朽化した公共施設・インフラの維持管理・改修、長寿命化のために、莫大な費用が必要となるためです。
貯金は使い果たし、借金漬けのとき、もし熊本地震クラスの大災害が発生すれば、いったいどうやって対応するのか、財政に明るい人なら誰もが心配すると思います。市長は防災のための庁舎整備と言いますが、被災した市民への復旧支援もできない借金財政では、何のための庁舎整備でしょうか。市民の理解は得られないと思います。
毎年発生する大災害、災害多発の時代を迎え、公共施設・インフラ等の老朽化対応に多額の費用が必要なとき、一番建設費がかかる、借金がかさむ市庁舎こそ、長寿命化をすすめるべきです。増える投資的経費を、借金で帳尻を合わせる安易な中期財政見通しでは、自治体の健全な運営はできません。
庁舎整備は、市民の声を充分聞いて、是非を判断すべきです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

市役所の「非正規雇用」解消を

2022-03-22 19:42:54 | 熊本市政
熊本市議会・2022年度第1回定例会も最終版となった3月22日、予算決算委員会しめくくり質疑が行われました。
熊本市役所の非正規雇用解消と、「中期財政見通し」について質問しました。
今回は、市役所の非正規雇用の報告です。

熊本市役所では、約1万人職員のうち約4割が「会計年度任用職員」と呼ばれる非正規職員です。会計年度任用職員は、資格や専門性が必要な業務に従事し、重要な役割を担いながら非正規として働いています。
全国的には、1980年代・604万人だった非正規雇用は、2020年には2,090万人へと3倍以上に増えました。低賃金・不安定な非正規雇用は、労働者の貧困を招き、若い層では結婚できず少子化の要因となるなど、社会全体に関わる重大な問題を引き起こします。公務員の働き方・給与は、社会の基準です。そこで非正規雇用がまかり通れば、民間では当たり前になります。
嘱託や臨時の非正規職員が会計年度任用職員へ移行し、一定処遇が改善されましたが、非正規が当然となっていることは問題です。
「資格や専門性を必要とする業務に従事し、重要な役割を担っている会計年度任用職員が非正規雇用でいいと考えているか」との質問に、市長は「本人が短時間勤務を希望している」旨の答弁をしました。
一部にそういう方がおられても、非正規で生計を立て暮らす方は多いと思います。しかも、市役所の非正規職員の圧倒的多数は女性です。こんなジェンダー不平等を放置していていいはずがありません。
今回は、会計年度任用職員の意向を把握し、改善につなげるための当事者の声を聞くアンケート実施も求めました。
資格や専門性を必要とする職種であっても非正規という働き方を改め、正規雇用を基本とする市役所の雇用が実現できるよう、引き続き取り組んでいきます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする