上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

少人数学級の拡充へ、熊本から国へ声を届けましょう!・・・・市議会最終日・意見書案に討論

2020-09-30 08:50:45 | 熊本市議会
約1カ月間開催されてきた熊本市議会も、9月29日に閉会しました。
最終日は、議案への質疑や討論がありますが、私は2019年度決算報告への反対討論と、少人数学級の拡充を国へ求める意見書(案)の賛成討論を行いました。

「国の責任で少人数学級を拡充することを求める意見書(案)」は、日本共産党市議団で提案し、市民連合に発議者となっていただきました。
「子どもたちに『少人数学級』をプレゼントしましょう!」の私の思いを述べました。

【討論内容】
発議第25号「国の責任で少人数学級を拡充することを求める意見書(案)」について、賛成討論を行います。
 新型コロナの感染拡大は「第2波」と言われる状況となり、コロナ対応も長期化してきました。3月からの3カ月の一斉休校や、その後の感染予防が迫られる学校生活・家庭生活の中で、子どもたちも今までになかったストレスを感じながら生活していると思います。コロナ禍にあっても、子どもたちが少しでものびやかに、いきいきと、安全で安心な楽しい学校生活を送ってくれるようにと願わずにはいられません。求められる子どもと子どもの距離をとった学校生活・教室環境を速やかに実現することは、急務です。
 OECDが今月公表した2017年における世界各国の教育への公的支出の報告では、日本の小学校に相当する「公立の初等教育」における1クラス当たりの平均児童数はOECD平均で21人です。同じく、中学校に相当する前期中等教育の1クラス当たり生徒数は27人でした。日本では、小学校27人、中学校32人で、世界各国の状況とは大きな開きがあります。さらには、新型コロナ感染症の予防対策として、OECD加盟国のほとんどが、子どもと子どもの距離を1~2メートル確保することを学校再開の条件にしていると報告した上で、1クラス当たりの人数が少ない国では、この距離を確保することが比較的容易であるのに対し、日本はOECD平均を上回っていると、距離をとることの難しさを示唆しています。もともと欧米では20人から30人程度の学級編成は当たり前になっていました。欧米との開きを速やかに縮め、少人数化していくことが求められます。
 今、日本でも、少人数学級を求める機運は急速に高まっています。
 文部科学省が策定している9月3日改定版の「学校における新型コロナウィルス感染症に関する衛生管理マニュアル」では、新型コロナ下における「新しい生活様式」として、人との間隔をできるだけ2メートル、最低でも1メートル空けることを推奨し、レベル1・レベル2の地域では児童生徒の間隔を1メートルを目安に学級内で最大限の間隔をとる、レベル3地域では児童生徒の間隔を可能な限り2メートル、最低でも1メートル確保するようにするとし、20人の座席配置を例示しています。
7月2日の全国知事会・市長会・町村長会の「新しい時代の学びの環境整備に向けた緊急提言」では、「今後予想される感染症の再拡大時にあっても必要な教育活動を継続して、子どもたちの学びを保障するためには、少人数学級により児童・生徒間の十分な距離を保つことができるよう教員の確保が是非とも必要である。」と述べられています。政府の「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太の方針)でも「すべての子どもたちの学びを保障するため、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備について検討」とされています。
8月に示された文部科学省の諮問機関・中教審の「中教審答申案の作成に向けた骨子案」にも、「『新しい生活様式』を踏まえた身体的距離の確保に向けて、教室等の実態に応じて少人数学級編成を可能とするなど、新時代の教室環境に応じた指導体制や必要な施設・設備の整備を図る」と書かれています。8月25日に開かれた政府の教育再生実行会議でも、委員から「少人数学級をすすめ、30人未満の学級にしてほしい」との意見が出され、異論もなく、会議後の記者会見で文部科学大臣は「多くの人が共有できる課題。できることから速やかに行っていきたいという意欲を持っている」と述べられたそうです。
このように、関係各機関や政府でも、少人数学級をすすめていく方向へと、動き出そうとしています。
また、少人数学級実現のために、教員を増員すれば、ゆとりある丁寧な学びだけでなく、雇用などの経済波及効果も生まれます。
新型コロナのもとで、子どもたちが學校現場で、日々安全・安心に学んでいけるように、すべての地域、すべての学校での少人数学級を実施していくことが必要です。そのためには、国の責任できちんとした予算措置のもとに少人数学級が行わなければなりません。
 日本の国内総生産(GDP)に占める公的な教育支出の割合は、OECD加盟国のうち比較可能な38カ国中下から2番目です。経済大国と言われる日本の教育予算はあまりにもお粗末です。教育への公的支出の割合を欧米並みに引き上げれば、少人数学級はすぐにでも実現できます。
教育予算を拡充し、教員を増やして、今こそ日本中の子どもたちに、少人数学級をプレゼントしてあげましょう。
 提案しました「国の責任で少人数学級を拡充することを求める意見書(案)」に、議員各位のご賛同をいただきますようお願いいたしまして、討論といたします。
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事業を見直すというなら、大きな無駄こそ削るべき・・・9月議会しめくくり質疑報告その2

2020-09-29 20:55:07 | 熊本市議会
9月25日の予算決算委員会しめくくり質疑で、もう一つのテーマにしたのは、新型コロナ感染症対策の財源づくりのための全庁的な「当初予算計上事業の見直し」です。
「当初予算計上事業の見直し」によって、56億5625万円(うち一般財源・24億7314万円)が捻出されました。
しかし、聖域となっていた大事業もありました。15憶5570万円もの事業費が予算措置されていたシンボルプロムナード等整備事業費は、1円の見直しも行われていませんでした。
質疑では、この事業についても一定の見直しを実施すべきと求めました。
 都市建設局の当初予算で、事業費10億円を超えるものがいくつかあります。「魅力と活力のある中心市街地の創造」に資する事業は重点方針なので着実な推進が必要、よって「シンボルプロムナード等整備事業費」は削減しないと説明されましたが、同じ「魅力ある中心市街地」の事業でも、熊本駅東口駅前広場等整備事業14億2900万円は、3億2143万円も減額されています。
シンボルプロムナード等整備事業費は、現在約10億円が契約しすすめられていますが、あと5億円程度はこれから執行であり、見直しは可能だったはずです。新型コロナで、海外はもちろん国内の行き来も難しい状況の中、インバウンドを見込んだ事業は見直すべきです。サクラマチ周辺整備が別格扱いのような違和感の残る対応です。
コンベンション施設・熊本城ホールとその周辺に、聖域扱いで莫大な投資を行うことに、市民の理解は得られないと思います。
 一方、本来ならば執行すべき防災関係事業や施設設備の改善、地域づくりや保健福祉の事業なども数十万円単位で細々削られています。
見直しにあたっては、削減内容、優先順位が市民に理解・納得の得られるものであってほしいと思います。


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住民の声で、危険なダムによらない白川の治水を・・・・「白川の安全と立野ダムを考える流域住民連絡会」の活動

2020-09-27 13:16:19 | 立野ダム問題
9月26日、熊本市中央区で「白川の安全と立野ダムを考える流域住民連絡会」の会合がありました。
「立野ダムによらない自然と生活を守る会」「ダムによらない治水・利水を考える熊本県議の会」「立野ダムによらない白川の治水を考える熊本市議の会」へも案内があり、参加しました。
それぞれの会からのあいさつの後、阿蘇自然守り隊の松本さんが「異常気象と白川流域の安全~総合的な流域治水の大切さ」と題し、線状降水帯による集中豪雨やスーパー台風など、過去になかった異常な気象現象が頻発する中、本当に安全な治水対策、今以上の地球温暖化をすすめないためにも地球環境を守っていくことの大切さを痛切に感じます。
莫大な費用が掛かり、自然を壊し、そして危険なダム建設は、きっぱり中止し、河床の掘削・堤防の強化・流域への遊水地整備など、ダムによらない治水対策の推進こそ、求められると思います。
今、立野ダム問題に取り組む各団体が共同して、「異常気象による水害多発時代に、安全な白川の実現を求める署名」に取り組んでいます。
署名をすすめ、ダムや治水問題を多くに人に理解してもらうためのパンフレット「豊かで安全な白川を子どもたちに~水害多発時代の安全な流域社会を」を作成しました。
たくさんの方に、パンフレットを手に取っていただき、署名に協力していただきたいと思います。
署名はネット署名も行われています。
よろしくお願いいたします。

 
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「9・26核兵器廃絶国際デー」の街頭行動に参加

2020-09-26 20:49:31 | 平和
日本政府は「核兵器禁止条約」に参加を!
国連が定めた「国際平和デー」の9月21日、地中海の島国マルタが核兵器禁止条約の批准書を国連に寄託。
核兵器禁止条約を批准した国は45カ国となりました。条約の発効に必要な50か国の批准まで、あと5カ国となりました。
2017年に国連で採択された核兵器禁止条約は、発効へいよいよ秒読みです。
世界で唯一の実戦における被爆国の政府として、本来ならば、日本政府は率先して署名・批准すべきです。
「核兵器廃絶国際デー」の9月26日、熊本市でも中心商店街で、「ヒバクシャ国際署名」を集める街頭行動が行われました。
被爆者の中山高光さんはじめ、被爆2世の方々、熊本県原水協などで署名に取り組みました。
たくさんの方が、署名に協力してくださいました。
1日も早い、「核兵器禁止条約」の発行のため、頑張っていきたいと思います。


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熊本城ホールへの年間3億5,000万円の減収補てんには納得できません!・・・・しめくくり質疑報告その1

2020-09-25 14:14:07 | 熊本市議会
9月25日、9月議会も最終版となり、予算決算委員会しめくくり質疑が行われました。
私は、「当初予算計上事業の見直し」「熊本城ホールの指定管理料補正」の2点について質問しました。
今回は、「その1」です。

熊本城ホールへ年間3億5,000万円の減収補てんは納得できない
 新型コロナの影響で、減収が生じた熊本城ホールへの減収補てん、6~9月分で1億円、年間3億5,000万円を補てんする補正予算が提案されました。
問題点を指摘し、質疑を行いました。
⑴収支不足額を上回る補てんは必要ない
 開館から8月までの収支不足額は1億4700万円、一方5月分までの補てん実績1億330万円に、今回の補正額1億10万円を合わせれば2億340万円を補てんする計算になり、収支不足を5640万円も上回って補てんすることになります。そんな必要はありません。
⑵低い利用率、経営努力の分まで補てんは必要ない
 もともとメインホールでは月平均で12日ほどしか予約が入っておらず、日数で約42%の利用率(利用目標63%)です。他の市の公共ホールと比べ利用率が低い、市民会館の半分程度です。収支均衡を考え利用率目標を立ててあったはずです。かかった経費と収入額の差を補てんすれば、利用率目標に達していない、本来ならば経営努力によるべき部分も補てんすることにはなります。そんな必要もありません。
⑶赤字企業に市が補てんし、利益は企業の収益になるというやり方に、市民は納得しません
 決めた利用率の目標値を達成すれば月6700万円の収入があり、コロナの影響がない月の平均的経費は5100万円程度です。営業努力をして利用目標を達成すれば大幅な黒字になります。今のような補てんでは、赤字になれば公が補てんし、利益が生れれば企業が儲かるとなります。儲かれば指定管理者の利益になるからこそゼロ円での指定管理です。収支不足を上回る補てんはすべきでないと思います。市民は納得しません。
⑷熊本城ホールの指定管理は民間企業、貸付で対応するなどの検討はできなかったのか
新型コロナで今多くの事業者が苦しんでいます。民間企業は借入等で必死に乗り切っていこうとされています。本市の他のホールは、非営利の財団が管理運営していますが、熊本城ホールは民間企業です。市内の他の民間企業のように熊本市が無利子で貸し付けをして、利益が出た時に市へ返還するというようなことは検討されなかったのか、と思います。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【質問内容】
ホール施設の管理運営では、指定管理料の補正が提案されている熊本城ホールについて伺います。
⑴ メインホール・シビックホール・展示ホールについて、それぞれの開館から8月までの実際の利用日数、キャンセル日数をお示しください。
また、各ホールの新型コロナの影響が出る前までに入っていた予約日数をお示しください。
⑵ 各ホールの利用率目標を達成した時の1カ月の利用料収入見込みはいくらになりますか。
⑶ 熊本城ホールの開館から9月まで、コロナの影響前と後の平均的な経費、実際の収入額、発生したキャンセル料と件数についてご説明ください。
⑷ 開館からこれまで、熊本市が熊本城ホールに対して利用料ほかで支払った費用はいくらでしょうか。
⑸ 指定管理の管理運営協定では、指定管理者には、不可抗力による損害・損失が発生する場合、最小限になるよう対応すると定めてあります。今回、指定管理者側で、損失軽減の措置は、どのように講じられたのか、その内容と効果をご説明ください。
⑹ 損失補てんの決定にあたっては、指定管理者から損害・損失の内容について書面で報告を受けるとなっています。指定管理者が報告してきた損失額とその詳細な内容、提示内容の協議の経緯と決定した判定・費用負担・支払方法をご説明ください。
⑺ 損失に対する指定管理者への保険の適用はなかったのでしょうか。
以上、経済観光局長にお尋ね致します。
(答弁)
 局長に確認いたします。
 開館から8月までの経費は4億5044万円、収入は3億320万円ですから、収支不足は1億4700万円ですね。
(答弁)
先程の答弁から計算すると、もともとメインホールでは月平均で12日ほどしか予約が入っておらず、日数で約42%の利用率です。他の市の公共ホールと比べ利用率が低い、市民会館の半分程度です。収支均衡を考え利用率目標を立ててあったはずです。かかった経費と収入額の差を補てんすれば、利用率目標に達していない、本来ならば経営努力によるべき部分も補てんすることにはなりませんか。
そこで、さらに伺います。
第1に、補てんにあたり、毎月必要な運営経費を5000千万円、収入は7月以降月2300万円とされていますが、実績値で補てんすべきではないでしょうか。
第2に、年間3億5,000万円と見込まれる補てん額についての妥当性はどのようにお考えでしょうか。
第3に、もともとゼロ円での契約だった指定管理料に、年間3億5000万円も支払うことをどのようにお考えでしょうか。
以上3点を市長に伺います。
(答弁)
 実績で補てんするのは当然です。(補てん額は妥当だと言われるが、)
また、先ほど指摘したように、開館から8月までの収支不足額は1億4700万円なのに、5月分までの補てん実績1億330万円に、今回の補正額1億10万円を合わせれば2億340万円を補てんする計算になり、収支不足を5640万円も上回って補てんすることになります。これでいいのでしょうか。
(答弁)
 決めた利用率の目標値を達成すれば月6700万円の収入があり、コロナの影響がない月の平均的経費は5100万円程度です。営業努力をして利用目標を達成すれば大幅な黒字になります。今のような補てんでは、赤字になれば公が補てんし、利益が生れれば企業が儲かるとなります。儲かれば指定管理者の利益になるからこそゼロ円での指定管理です。収支不足を上回る補てんはすべきでないと思います。協定書には「負担は協議で決める」とあります。指摘した点を精査して協議していただけませんか。
(答弁)
 赤字になれば公が税金で補てんし、儲かれば企業の収益が上がっていくようなやり方に市民が納得するでしょうか。市長に伺います。
(答弁)
新型コロナで今多くの事業者が苦しんでいます。民間企業は借入等で必死に乗り切っていこうとされています。本市の他のホールは、非営利の財団が管理運営していますが、熊本城ホールは民間企業です。市内の他の民間企業のように熊本市が無利子で貸し付けをして、利益が出た時に市へ返還するというようなことは検討されなかったのでしょうか。
(市長)
 赤字企業に市が補てんし、利益は企業の収益になるということに、市民は納得しないと思います。
協定書には「指定管理者は損失軽減の努力をする」とあり、損失軽減の努力が前提です。熊本市は、4月・5月分の損失補てんを5月補正で1億円予算化し、7730万円を支払いました。命がけで新型コロナと闘っている医療の現場では、医療機関の4分の1が夏のボーナスをカットせざるを得なかったそうです。しかし熊本城ホールでは、かかった経費の8割を税金で補てんしているときに、5月には人件費にボーナスまで加えて支払い経費が膨れ上がっています。どういう経営感覚でしょうか。納税者には到底理解できないと思います。これでは補てん額が妥当だとは思えません。
 本来公共施設は利益を生むものでなく、市民の文化の享受や地域の活性化などに貢献するものです。指定管理料ゼロ円で契約している自覚と責任を持ち、運営は民間でも公立のホールであるということを忘れないで指定管理にあたっていただくことを事業者に求めておきます。
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