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上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

市電運転士の正規職員化・・・「任期付職員」では安定雇用にならない

2025-07-31 14:51:47 | 熊本市の公共交通問題
課題を残す「市電運転士の正規職員化」
「任期付職員」による正規化では安定雇用にならない

熊本市は、熊本市電運転士の正規化を表明しましたが、「任期付職員」による正規化を方針に打ち出しています。

最長5年の「任期付職員」では、将来不安はなくならない
「任期付職員」とは、「高度の専門的な知識経験又は優れた識見を有する者をその者が有する当該高度の専門的な知識経験又は優れた識見を一定の期間活用して遂行することが特に必要とされる業務に従事させる場合には、職員を選考により任期を定めて採用する」との条例に規定により採用する雇用期限付きの職員です。
「任期付職員」は、そもそも不安定な雇用
現在の熊本市には45人の「任期付職員」が採用されています。
条例にあるように、高度に専門的な知見等を有する人を期限を切つて任用するか、期間限定の仕事がある場合に期間限定でに要することになっています。
任期付職員は、あくまでも「期間限定」での任用が妥当な場合の任用形態であり、将来「期限のない」雇用に移行することを想定したものではありません。
任期付職員条例第2条では、「当該者を当該業務に期間を限って従事させることが公務の能率的運営を確保するために必要であるとき」と規定されており、原則として、期限が来れば任用は終了します。

現在、交通局の運転士の年齢構成は、
  20代:7人、30代:18人、40代:26人、50代:22人、60代:6人
この方たちが、3年・5年で任用期限が切れることになるのです。
事業が継続する市電運転士等の乗務員に「任期付職員」はふさわしいものではありません。           

「上下分離」の今後が見通せない中での「任期付職員」は課題を残すことに
相次ぐ重大事故の中で、市電の一部民営化「上下分離」の方針は凍結されています。
現在進められている「市電再生プロジェクト」では、「上下分離」方針も含めて、今後の市電のあり方が検討されていきます。
そのスケジュールも決まっていません。
そういう中で、3年、5年と期限を切って「任期」のある職員を採用しても、確実に正規雇用が継続される保証はありません。
この間、熊本市で「任期付職員」を、「期限なし」の正規職員へと移行したのは、弁護士資格の2人だけです。
現在、熊本市で任用されている「任期付職員」は45人、その人たちは期限が来れば原則として、任用されなくなります。
「市電再生プロジェクト」での再生が始まったばかりの今、再生の着地点は見えておらず、期限を切った採用は、運転士などの乗務員を翻弄することにもなります。
運転士等の市電乗務員を「正規化」すると言いながら、「任期付職員」では課題が残されたままになります。
安全・安心の市電運行につながるのか、疑問です。
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「生活の足~これからの公共交通を考える」熊本市民連学習会

2025-04-02 22:03:16 | 熊本市の公共交通問題
憲法が保障する「生存権」としての「移動の権利」
生活に欠かせない「移動」を支える「公共交通」、その確保を

3月29日、熊本市民連絡会主催で、近藤宏一立命館大学教授を講師に、「生活の足を考える~これからの公共交通を考える」と題し、学習講演会が開かれました。 
相次ぐ市電事故、市民の足を守る公共交通への関心は高まっています。これからの公共交通を考えるいい機会になりました。

 

「生存権」を保障する交通、生きるためには「移動」が不可欠
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と、日本国憲法では「生存権」が保障されています。
最低限度の生活に必要なものを得るためには「移動する」ことは不可欠です。そういう意味で、「移動の権利」が保障されなければなりません。
人口減少や高齢化、車中心の社会、そういう状況の中で、「移動の権利」を確保するために、今何から考えなければならないのか、問われています。

「誰の、どんな需要を満たすための交通なのか?」が重要
交通を考えるとき、バスや鉄道などの「交通手段」から出発する傾向が強いのですが、必要なのは「誰が、何をするための交通なのか」を考えることです。
「同じ町のスーパーに行く」のか、「隣町の病院に行く」のかで、おのずと変わります。
はじめてコミュニティバスを成功させた武蔵野市は、「高齢者の外出促進」を目的に、高齢者の移動実態を調査し、それを効果的にサポートする手段として計画、成功しました。
このように「移動の需要」を的確につかむことが重要です。

これからの公共交通・・・新しい交通手段・「ちょっとそこまで」の足
【長崎市「斜面移送システム」】
坂の多い長崎市では、すぐ近くでもバスルートでは大回りになるために、斜面を移動できる「屋外エレベーター」を3カ所に設置しています。
グラバー園へのアクセスも兼ねて「斜行エスカレーター」(グラバースカイロード)も運行しています。

【河内長野市「南花台クルクル」】
道路に誘導マーカーを設置し、自動運転のカート「南花台クルクル」を運行しています。週2日をオンデマンドで、週1日を固定ルート(4ルート)での運行です。

京都府南山城村の「公共交通再構築による行き活き暮らせる村づくり」
以前は村営バスとコミュニティバス(いずれも無料)があったが、利用は低調だった。そこで、周辺3町村合同の「関西本線沿線地域公共交通網形成計画」を策定、村独自に全村域を運行する村営デマンド交通「村タク」を運行、隣町や総合病院への足も確保。3町村の連携による交流人口拡大・安心の出産・子育て環境・雇用創出・支え合いのまちづくり・安全・安心確保・自然や文化の保全などで、多面的な活性化の村づくりです。

地域公共交通計画をコミュニティバスやデマンド交通に矮小化せず、住民の生活実態に基づく必要なサポートは何かをもとに、交通手段の計画をつくることが必要だと、全国の多彩な取り組みを聞き、思います。
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公共交通の「決済システム」更新・・・住民の利便性確保を前提に

2025-03-07 18:46:17 | 熊本市の公共交通問題
公共交通の「決済システム」更新・・・住民の利便性確保を前提に
機能向上を伴わない更新も国の支援対象になる方針が示されました
3月6日に開かれた「熊本市地域公共交通に関する特別委員会」に、2024年6月議会で付けられていた付帯決議に関するその後の対応が報告されました。
バス事業の「決済システム」更新時には、国の支援対象外であった「機能向上を伴わない更新」が、次年度以降「機能更新を伴わない単純更新」であっても国の支援対象とする方針が示されました。
特別委員会では、国の2025年度予算が決定し、「機能向上を伴わない更新」への支援も含めた予算措置が行われれば、4月以降に国の要綱が示されることから、夏ごろには検討が可能となることがわかりました。
熊本市としても、今後の「決済システム更新」は、国の支援を踏まえた検討ができます。

市電の「決済システム更新」は、現在使用可能な「全国共通IC カード」の継続利用も視野に入れて
市電の「決済システム」更新は、バス事業に1年遅れて行われます。
よって、2025年度が検討の年となります。
夏ごろには、国の支援変更を受けての検討を始めることができそうな状況なので、現在「全国共通ICカード」の利用が可能な市電では、その継続利用も視野に入れて検討すべきです。
財政的な問題もありますが、他会計からの支援も含め、市電の利便性向上、市民サービスを後退させない立場での検討が求められます。
市電の「決済システム更新」にあたっては、利用者の立場にたった更新の検討を求めました。

インシデントの多発を克服し、安心して利用できる利便性の高い市電になっていくよう、今後も特別委員会で発言していきたいと思います。
みなさんのご意見もお寄せください。
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