上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

6月議会最終日、補正予算の問題点を指摘し討論

2022-06-30 13:29:32 | 熊本市議会
6月29日に、20日間の会期を終え、熊本市議会が閉会しました。
最終日は、補正予算の問題点を指摘して討論を行いました。
指摘した点は、5点。
⑴新型コロナや物価・燃油高騰への支援策は、幅広視線となるよう改善も必要
今回の補正予算には、新型コロナや原油・物価高騰への対応として、各種支援策が提案されている。新型コロナウィルス感染症による生活困窮者自立支援金支給や、新型コロナウィルスワクチン接種のための経費とワクチン接種に係る高齢者への移動支援としてのタクシー券支給など、必要な支援策が種々提案されている点は賛成。
一方、新型コロナや物価・燃油高騰への支援として事業そのものには賛成するものの、しめくくり質疑でも指摘したように、改善・見直しが必要なものもあり。
その一つが、農水局の提案である「園芸・特産事業者緊急支援事業」。多くの農家が原油・資材コストの高騰に影響を受け、苦しんでいる中で、支援対象農家がわずか24戸という支援制度については検討が必要。支援の内容が、燃油・資材・肥料の低減に資する資機材導入となっていることが支援に手を上げる農家が少ない要因。農業への市独自の支援策は、より多くの方々に支援が行き届くような制度の検討が必要す。他の政令市で提案している、直接に肥料・飼料等の高騰に対する支援などの幅広い農家が対象となる支援策を検討すべきであった。今後の検討・実施を要望。
⑵保健所業務の一部民間委託はすべきでない
新型コロナによる保健所業務のひっ迫解消には、今後さまざまに発生するであろう非常事態にも対応できるよう、職員体制の拡充こそが必要。そのことなくして、安易な民間委託はすべきでない。同時に、今回の一部民間委託は、更なる保健所業務の民間委託へ道を開くものとなりかねないという重大な問題点もある。保健所が住民の健康を支える拠点としての公的役割を果たしていくためにも、今回の民間委託は認められない。
また、委託契約の中身についても、緊急随契としたことで、内容の精査をせず、業者言いなりの不当な契約内容となっている点は問題。
⑶生活保護業務はデジタル推進よりも、足りないケースわかーの充足とスキルの向上こそ必要
とりわけ機密性の高い生活保護の業務を、デジタル化推進に位置付けていくことには、慎重であるべき。もともと生活保護業務の中で一番重要なのは、ケースワーク業務。複雑なケースにも対応できるような職員のスキルや専門性の向上こそが必要であり、一つ一つのケースに丁寧に向き合えるような人員体制の確保が重要です。
⑷就学事務システムの全国標準仕様への統一の問題点
就学事務システムを国の標準仕様に準拠した、全国統一システムへと移行するデジタル化推進は、国がすすめる社会全体のデジタルトランスフォーメーションに沿ったもので、自治体が行う「デジタル政策の推進体制」・「自治体間情報システムの標準化・共通化」・「行政手続のオンライン化」・「AIの活用」などの自治体デジタルトランスフォーメーションに対しては、地方自治分野の専門家から、地方行政において公正さが損なわれる、自治が失われる、住民サービスがないがしろにされるおそれがあるなどが指摘されており、多くの問題点を抱えていると言える。
⑸指定管理者更新の問題点
公募と言いながら、特定企業・企業体が独占的に指定管理を続けていることや、熊本市が「指定管理者制度の指針」で定めている職員のランク別人件費単価表が、現場で守られているのか検証されておらず、指定管理者制度は官製ワーキングプアを生み出す土壌となっている。しかも、民間からの事業提案内容は、企業秘密ということで指定管理者が示している指定管理にあたっての事業提案の内容が全く不透明で、事業の検証すら十分にできない。このような多くの問題点を抱える指定管理制度が漫然と更新されていくことは問題。
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原油価格・物価高騰への支援は幅広くすべき

2022-06-29 14:13:42 | 熊本市政
6月議会が、29日に閉会しました。
今議会へは、原油価格・物価高騰への各種支援策が補正予算として提案されました。
それぞれ、事業そのものには賛成ですが、一つ一つの内容については、改善・見直しが必要な点もあり、予算決算委員会しめくくり質疑で取り上げました。
⑴学校・保育所等における給食食材高騰対策緊急支援事業、⑵農業分野での支援、⑶経済分野での支援、の3点について質問しました。

⑴学校・保育所等における給食食材高騰対策緊急支援事業
食材高騰の影響はあらゆる分野に及んでいます。今回の補正予算では、学校・幼稚園・保育所等を対象にした支援策が提案されていますが、他の分野でも支援が必要と思われます。
政令市の中でも、仙台市は認可外保育施設を含む障がい者・高齢者・児童福祉施設等・約2200カ所に3億8600万円、配食サービス事業所に127万円を助成します。京都市でも、高齢者・障がい者施設を対象に1食12円の食材費高騰分への補助を行います。このように、他都市では高齢者や障がい者施設を対象にした支援も行われています。
このように、高齢者・障がい者施設等も含む、影響を受ける事業所等への幅広い支援を、本市でも今後はぜひ検討・実施してほしいものです。

⑵農業分野での支援
農業用ハウスで使用する重油や肥料は、使用する農家すべてが影響を受けるものです。しかし、今回補正予算として提案されている資機材導入への補助は、5つの事業実施主体でわずか24戸の農家しか活用の対象となりません。
他の政令市の状況を見れば、今回の新型コロナ対応地方創生臨時交付金を使った補正予算で、相模原市が肥料や畜産飼料への助成、神戸市がたい肥燃料価格への補てん、千葉市が肥料への助成を行います。こういう支援は、影響を受けている農家がより多く支援を受けることができます。
農業分野においても、他都市の取り組みにも学び、市独自の取り組みとして幅広い農家への支援が行われていくよう求めました。

⑶経済分野での支援
今回の補正予算には、商店街や販売企業を対象にしたプレミアム付商品券発行や、新事業チャレンジ金融支援事業として国県等の交付金決定を受けた中小企業者への支援として保証料分を援助する事業が提案されています。
プレミアム付き商品券は、その参加対象が商店街・企業等で163団体、約3600店舗を予定されています。しかし、商業統計でも市内の卸小売は6,000を超えています。原油・物価高騰の影響はどの事業者にも及んでいることを考えるならば、事業参加を希望する市内の小売店が参加登録できる制度設計とすることや、中小零細であっても簡単に登録できる事務手続きを簡易にするなど、今後の事業展開においては、さらなる工夫と拡充が必要です。
 また、原油高騰の直接の影響を受ける運輸分野では、補正予算に提案されている公共交通分野への支援に限らず、物流の分野への支援も要望しました。政令市では、浜松市が旅客運輸への支援に加えて、物流貨物運輸への支援も提案しています。
 今回、経済観光局より提案されている支援策は、プレミアム付き商品券を除き、他の事業はかなり対象が限定されています。長期コロナ禍と物価の高騰の両面で苦しんでいる事業者への幅広い支援策が求められており、より多くの人が支援の対象となるような効果的な事業の検討を求めました。
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熊本市民病院の初診料・再診料、毎年のように値上げ

2022-06-22 19:24:09 | 熊本市政
市民病院の初診料・再診料の値上げ
コロナ禍に逆行する市民負担増

初診料5,500円⇒7,700円、再診料2,750円⇒3,300円
 国の2022年度診療報酬改定により、厚生労働省の関係法令が改正され、熊本市民病院の初診料ならびに再診料が改定されます。
 初診料・5,500円⇒7,700円
 再診料・2,750円⇒3,300円
初診料は1.4倍、再診料は1.2倍の値上げです。(金額は税込)
市民病院条例が改正され、今年10月1日から施行となります。 
 熊本市民病院は、一般病床200床以上の「地域医療支援病院」であるために、初診料・再診料の徴収金額が国の基準を下回らないことを義務付けられています。(国の基準額は、初診7,700円、再診3,300円)
 そのために、やむなく改定となりました。年間の値上げ影響額は、約136万円です。
物価高騰に追い打ちをかける市民負担増
政府の経済失政に、長期コロナ禍・ウクライナ情勢も加わり、今年4月以降物価が急高騰しています。一方で、高齢者は年金が下がり、労働者は賃金が上がらず、暮らしはたいへんです。
今回の初診料・再診料の値上げは、国の制度改定によるものとはいえ、厳しい市民生活に追い打ちをかけるものです。
しかも、2019年に新病院が開設されて以降、毎年のように値上げとなっています。
2019年10月 770円⇒3,300円
2021年8月 3,300円⇒5,500円
2022年10月 5,500円⇒7,700円  
国も自治体も、安心できる医療の提供こそすすめていくべきです。
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憲法26条「義務教育は無償」に従い、学校給食・教材費等は「完全無償」に

2022-06-21 21:14:16 | 熊本市政
日本共産党は提案しています!
「義務教育の完全無償」

 高過ぎる教育負担は、家計を苦しめています。加えて、長期コロナ禍「格差と貧困」が浮き彫りになり、深刻な実態です。
 教育は国民の権利であり、経済的理由でその権利が奪われてはなりません。
【日本共産党の提案】(参院選の教育政策より)
教育費負担を半分にする本格的な教育費削減を行い、将来的には、教育費無償に移行します。
給食費・教材費の無償化
 「義務教育は無償」を定めた憲法26条にそくし、学校給食や教材費の無償化をすすめ、義務教育を完全無償にしていきます。

熊本市議会へは、原油価格・物価高騰の影響を受けた分野へ、暮らし・経済活動を支える緊急支援策が、地方創生臨時交付金を活用した事業として追加補正が提案されました。
物価高騰による食材値上がりへ、給食費据置への支援
学校給食の食材値上がりに対し、給食費の負担増を抑えるための支援です。
小中学校・幼稚園・保育園の子ども・88,000人の給食費(2022年7月~2023年3月分)の食材高騰分を学校給食会や各園へ補助することで、給食費を据え置きます。
市議会へは陳情も提出されました
 新日本婦人の会熊本支部から、⑴給食費の保護者負担が増えないための公費補助、⑵安定した食材供給のため、給食への地産・国産食材活用を求める陳情書が提出されていました。

就学援助費に物価高騰分を上乗せ支給
就学援助では、補助教材費用について、物価高騰分を年額の給付金で追加支給します。
補正予算額 5,400万円
【対象者数】(見込みで)
 小学校:5,700人
 中学校:3,400人  
 合計9,100人(6,000世帯)
【支給額】
 小学校:1人5,500円
 中学校:1人6,500円
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保健所業務の「民間委託」はやめて、職員体制の拡充こそすすめるべき!

2022-06-18 16:06:52 | 熊本市政
6月の定例市議会に、ひっ迫する保健所業務への対応として、業務の一部民間委託の補正予算が提案されています。
国の通知で、まともな議論・検討をせず「民間委託」実施
しかし、すでに4月4日に出された国の通知をもとに、補正予算の議決を待たず、予算の流用という形で5月から実施されています。
業務の内容は、下記の3事業で、5カ月の予算総額は約1億円です。
⑴パルスオキシメーター発送等
  委託費 1,764万円
管理責任者1名・日額44,000円(5ヶ月:607万円)、スタッフ4名・日額15,840円(5カ月:875万円)の報酬。
民間事業者の倉庫と保健所を行き来し、1日300個の発送・返却・保管管理等を行う。
委託先:㈱アドルーム
⑵支援物資配送 1,020万円
1台の軽貨物で、1日30個を配送予定。
委託先:㈱TäKuRoo
⑶コールセンター 1,830万円
3~4名体制で、1日12時間、1人日額35,000円の報酬。
5ヵ月間。
委託先:㈱アドルーム

専門性のない「委託」に随意契約で、多額の費用
すべて緊急随契で相見積なし、事業者言いなりの契約です。⑴と⑶の委託先は、医療に関連のないイベント業者ですが、積算された人件費はかなり高額です。指定管理の場合は、最高額・大規模施設の館長でも年間約760万円です。
パルスオキシメーター発送管理責任者・5カ月607万円の報酬、資格を問わない相談業務に1日35,000円の報酬は理解し難いものです。
市役所が人員を増やして対応すれば半分以下の費用で済みます。
また、民間委託では専門性も育ちません。

非常時に備えられる保健所体制の抜本的拡充こそ必要
長期におよぶコロナ禍で、保健所体制は感染拡大の波の度にひっ迫、特にオミクロン株流行以降は持続的な人員不足となり、全庁からの応援が続いていました。保健所体制拡充は、緊急かつ重要な課題です。
熊本地震前まで、長年の行革・定員管理推進による職員削減で、全庁ギリギリの状態で職務を遂行する状況でした。保健所業務ひっ迫は、民間委託でなく、非常時に対応できる職員体制拡充こそ実施すべきです。
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