綾瀬市議・上田博之のあやせタウンWebニュース【ブログ版】

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綾瀬市会議員 上田博之(日本共産党)です。

◆災害時に役立たない防災トイレ!? 綾瀬市も関わる高座清掃施設組合が作る大きな公園で問題点を指摘!

2022年12月25日 | あれれ?の綾瀬市政

 綾瀬市の吉岡地区の南は海老名市ですが、その市境近くに綾瀬市・海老名市・座間市の3市で運営する「高座清掃施設組合」のごみ焼却施設があります。
 焼却施設の隣には、焼却熱を利用した温水プールが設置され、多くの市民に利用されています。

 その温水プールの北側に約38000㎡の公園(本郷ふれあい公園)が計画されています。すでに第一工区(約11000㎡)は完成し、来年度から第二工区(約27000㎡)の工事が始まるのですが、12月22日に開催された高座施設組合の議会(3市から5名ずつの市議15名で構成)でその整備計画が公表されました。

 この公園は、ごみ処理施設周辺の環境を向上させるため、地域全体の活気の醸成、地域の故郷となる豊かな自然環境の保全と再生、地域防災の一翼を担うとともに、地域住民が参加したワークショップでの要望である老若男女の誰でもが集い、憩いのある公園整備が目的とされています。400メートルトラックを上回る芝生広場など、伸び伸びと楽しめる素敵な公園になりそうです。

 しかし、計画をよくよく吟味したところ、防災トイレに大きな不安が見つかりましたので、整備計画の説明を受けた後、いくつかの問題点を指摘しました。
 議会終了後、何人かの方から感想を聞いたのですが、「指摘のとおり、災害時にはほとんど役に立たないね」とか「言われるとおり、汚物は流れないと思う」という声が多く寄せられました。

 まず、防災トイレの仕組みですが、直列にマンホールの穴を掘って、地下に連結された空洞を作り、そこにたまった排泄物を下流の下水管まで流しこむ、という構造です。
 今回この公園に計画された防災トイレ(20基×5、19基×1の計119基が計画されています:上図の青井〇のところ)は、約20基もが直列に並んでいます。

 簡単にその問題点を列記します。
 まず、この公園に避難してくる人は約18200人という想定で計画されています。一つのトイレで150人(一日:18200人÷119基の1基あたりの概数)が排便をしたとします。この公園は20基が直列に並んでいますので、合計3000回分のし尿がたまることを想定しなければなりません。

❶連結された空洞の勾配が、1.2%しかありません。
 綾瀬市のマンホールトイレは5基だけですので、地下の空洞の連結は短い(全長は約12メートル)のですが、勾配は4メートルごとに1.7%、2.6%、0.5%と工夫がされています。

❷使用前に地下の空洞に水を3~4割くらい貯めておかなければならない(排泄物がコンクリにへばりついてしまうので)のですが、この公園の地下は横2メートル、縦1メートルの四角い空洞が50メートルくらいと思われますので、ここに必要な水の量は約30000リットル~40000リットルになります。そしてこの水は、100メートルから200メートル離れた井戸(毎分80リットルのポンプ使用)からの送水でまかなうということです。
 たとえばこの井戸から30000リットルを注水するのにかかる時間は、375分=約6時間です。これが6カ所ありますので、四六時中どこかに注水をしていることになりますし、1日に何回も溜まった排泄物を下水に流すということもできないかもしれません。井戸の水は地下150メートルからのくみ上げですが、無尽蔵に湧き出てきてくれるのか?も不安です。しかも、停電中は発電機でポンプを回すということですが、24時間何日もそれで耐えられるのか、不安が募ります。

 念のため、流れない時には何日分のし尿が貯められるのかを確認してみたのですが、その答えは3日間ということでした。

 え~~、ですよね!!

 災害時にしっかりと役に立つものになるよう、改善を求めました。
 3月議会で、再度チェックしてみます。


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