新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

行くぜ東北。~7

2015-09-25 20:00:47 | 旅行


下車したのは島越駅。駅舎は赤レンガ風の駅舎でどことなく東京駅の雰囲気も感じさせる駅です。もちろんこの駅舎は建てられたばかり。この駅付近が三陸鉄道で一番の津波被害を受けた場所で、最後まで開通できなかった区間です。

現在の駅から200mほど離れたところにかつての駅前広場があります。そしてそこには津波によって全てが流されてしまった中で残った駅へ上る階段部分と、駅前にあった宮沢賢治の詩碑がぽつんとありました。階段にあったと思われる手すりを支えている柱は飴のようにぐにゃりと曲がり、宮沢賢治の詩碑のコンクリートはボロボロに傷が付いていました。津波の破壊力を思い知らされます。

近くにあった水門。一見すると被害はなさそうですが。上にあるべき水門の門を上下させる設備が入っていたであろう建造物がそっくりなくなっています。そしてこの水門の近くには、

漁港の看板です。一見すると普通に立っているように見えましたが、よく見ると足の根元部分がぐにゃりと曲がり、看板も一部が欠けています。津波によって曲がってしまったけれども土台にしっかりと根付いていたのでなんとか起こして使っているのでしょう。津波にも耐えた看板です。

駅に戻って改めて周辺を見渡してみます。高架橋だった三陸鉄道の線路は防波堤を兼ねた築堤に改築されており、コンクリートの白が眩しいばかりです。しかし周囲は空き地だらけで、高台にあって難を免れた2軒の家が目につきます。このお宅は以前「笑神さまは突然に」という番組で紹介されていました。島越駅にはこの家の方が撮影された震災前後の駅の様子の写真が掲示されていました。

そしてホームにはかつての島越駅周辺の写真が掲示されていました。これだけの家々があの日の津波で全て流されてしまったのですね。写真と現状を見比べて言葉が出ませんでした。
ホームのベンチに座ってあたりの景色を見ていると、久慈行きの列車がやってきました。これに乗って堀内駅へ向かいます。 


行くぜ東北。~6

2015-09-25 19:28:17 | 旅行


三陸鉄道ホームに行くと既に列車は停車していました。3両編成ですが1両目は座席指定のお座敷車両で、自由席は後ろの2両。当然のことながら車内も混雑しており座れません。仕方がないので最後部車両に乗って後面展望を楽しむことにします。1213に混雑した列車は久慈を発車。

陸中野田駅を出ると、いよいよ津波被害を受けた区間を通過します。工事が行われていますが、周りに何もない状況はただただ言葉を飲むばかりです。三陸鉄道もこの区間では線路が流されるなど被害を受けています。

列車は野田玉川ー堀内間の安家川橋梁上で停車。三陸鉄道随一の景色を誇る橋梁で、太平洋を見ることができます。

この安家川橋梁の山側には鮭のふ化場がありましたが、こちらも津波で大きな被害を受けてしまいました。しかし現在復興へ向けて工事が行われています。新しい橋などもかかっており、少しずつですが復興へ向かっている様子が見えました。

次の堀内駅で列車は2分停車。あとで訪れる予定なのでとりあえず海と36-700型の運転席部分を切り取って写真を撮ってみました。

堀内駅を発車してすぐの大沢橋梁上でも列車は停止します。ここもドラマあまちゃんのロケ地で、宮本信子さん演じるなつばっぱが、娘の天野春子(小泉今日子・有村架純)、孫の天野アキ(能年玲奈)が上京する際に大漁旗を振って見送っていた海岸がまさにこの海岸。そんな案内放送もかかり、車内ではカメラを構える人も。
しかし、降りる人はほとんどおらず、普代・田野畑で多少降りる人もいましたが、大勢に影響はなく混雑したまま目的の駅が近づきます。

そして、この駅で列車を降りました。