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丸山というこの地区にこのような棚田がいつ頃から出来たのか、分かってないらしい。資料によると、天正18年(1590年)に最初の検地が行われたようで、その後の慶長6年(1601年)には約2240枚の田があったようです。時代は移って明治31年の測量では2483枚の記録が残っており、この山深い閑散とした地域にそれだけの米を必要とした時代があったことを窺わせます。近くに鉱山跡があることから、多くの労働力が必要だったのでしょう。しかし鉱山が閉鎖(昭和53年)されると、労働力は必要なくなり、後継者不足と高齢化、更には当時の減反政策とも絡まって平成4年には540枚まで減少したとあります。
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翌年、紀和町長は歴史的遺産を残すために住民が棚田の復興に努力するなら、行政として支援する旨を発表、その年には丸山千枚田保存会が発足しました。翌平成6年には千枚田を保存するための『紀和町丸山千枚田条例』が施行されます。上の写真の案内板にはその時の条例の前文が書かれています。当時は三重県南牟婁郡紀和町でしたが、現在は熊野市に編入されていますから、紀和町丸山千枚田条例としてはありません。
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保存会発足4年後には810枚まで増やすことが出来、現在は1340枚にまで復活しています。当に枚数通り千枚田になったわけです。有名な有田川町のあらぎ島がたった54枚ですから、その規模の違いが分かりますが、耕地面積で比べてもあらぎ島が僅か24、182㎡、丸山千枚田が4、2haなので、420000㎡、桁違いの広さです。
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車を停めたところにあった案内図には中央に大石という目印があり、その東西に棚田が広がっている様子でした。大石とは当に大きな石で、私は東側から降りてきながら石を見ていると、今にも道側に倒れてきそうな感じなのですが、通り過ぎて西側から見てみると、安定していて倒れてくる様子はありません。
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大石を境にしてみると、東側は休耕田や荒廃地が割合多く、西側の方が耕作田が多いように思われます。棚田の復活のため丸山千枚田では棚田オーナー制が設けられ、保存会が管理している4、2haのうち1、6haをオーナー田として活用、毎年全国から100組を超える申し込みがあると書いてありましたが、私が見た限りでは愛知県と三重県の人が殆どでした。
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ずっと下の方に建物が見えていたので、行ってみました。車を降りた時にデジカメしか持たず、財布が入ったバッグを置いてきたことを悔やんだのでしたが、それはここで食事がとれたこと、すでに1時20分近くになっていたので、夕食のことを考えると普段ならもう食べずにおく時間ですが、やけにお腹がすいてきたのでした。
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歩き始めて30分で千枚田荘まで降りてきましたが、これより下は棚田が無いので、戻らなければならないと思うと、ここに車を停めて体力のあるうちに登り、上まで行って降りてくれば良かったと思ったのでしたが、後の祭りです。
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登っている途中で季節外れのコスモスが咲いているのを見つけました。この辺りはあまり暑くならないのかも知れません。早朝などは眼下に雲海が広がることがあるといい、そんな光景を見てみたいものだと思います。
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40号線を登って来た時は12時から1時の間だったので気が付かなかったのですが、一時を回るとやけにダンプカーが走ります。千枚田の中の道を降るダンプには土砂や岩が積まれ、登っていく車の荷台は空です。自車に戻って来た道を戻るか、先に進んでいくか考えたのですが、きっとナビが案内した余りにも細い道を通らねばならないのでは敵いませんから、来た道を戻ったのですが、途中で工事をしていてダンプとすれ違わなければならない状況に陥り、案の定行き違えが出来ないような細い道でバッタリ、ダンプが譲ってくれそうもなかったので、私が長い道をバックしなければならない羽目になってしまいました。もし再度行くようなことがあれば、工事が終わってからにしたいものです。
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