寒い日が続いていた今週初め、湯豆腐が食べたくなったので、粉浜商店街の井川豆腐店へ徳松豆腐を買いに出かけました。歩いて行こうか、自転車で行こうかと迷ったのですが、寒さが尿意を催させ、そうなると下腹部が少し痛くり、用を足すと痛みも無くなるという今日この頃、結石は完全には治っていないのです。なので歩くのは避け、自転車で行って来ました。商店街に入る前に自転車を停めておこうかと思ったのですが、なかなか停めるところを見つけられず、そのまま自転車に乗ってゆっくり走っていたら、アーケードに『はったつ市』の垂れ幕が下がっていたのを見て、何日か前にテレビで住吉大社の初辰詣りを取り上げていたのを思い出し、豆腐を買う前に行ってみることにしました。先に豆腐を買うと持って歩くのに重たくて仕方ありません。
南海電車の住吉大社駅に自転車を置いて、東に向かって歩きます。すぐに信号が有り、渡ると住吉大社です。太鼓橋を渡ると正面に本殿へと進む門が有り、門の前ではT中君の結婚式の時は彼らの姿を見れなかった境内遊行の姿を知らない人がやっているのを見かけました。新婚さんが並んで立っているところに鳥居が有りますが、よく見ると柱は円柱ではなく四角柱です。このような四角い柱の鳥居は古い様式で全国的にも珍しく、住吉鳥居と呼ばれているそうです。
住吉大社へ来るのはたまに正月、三箇日が終わった後、空いたころを狙って初詣に行くこともあるのですが、それでも人がいっぱいでいったい何処をどう歩いているのか分かりません。鳥居を潜って最初の建物が第三本殿と第四本殿と呼ばれる本殿、正月はここまで来て辟易としてしまいます。
次に第二本殿が有り、最後に最初の写真の第一本殿が有るのですが、この日まで住吉大社に本殿が4つも有るなんて知りませんでした。第二本殿の向こうにもう一組の結婚式を挙げたカップルが居たので、この日は大安だったのかも知れません。
初辰詣りのことは後に書くとして飛ばします。ずっと一周して来たら大きなクスノキが有りました。樹齢1000年、幹回り9、8m高さ18,5mだと言います。手前に聳える鉄柱は電柱ではなく、クスノキの為のつっかい棒です。
境内を一周しているとどれくらい前のものか説明は有りませんが、古い高床式の倉らしきものが残っていました。真ん中の写真は御文庫と呼ばれる書物を入れるための倉庫、創建は1723年(享保7年)、大坂や京・江戸の書籍商が施主となって、どうやら株仲間の結成を許されようとした動きだったようですが、結果的には1万点以上の書籍が残り、中には貴重な資料もあると言います。でもどう見ても200年も前の建物には見えません。最後は樹齢800年と言われるクスノキの前の供物、左の箱にはトマト、ナス、ダイコンとミカン、右の箱には米と鰹節と塩とお酒です。古来からこのようなものが供えられてきたのでしょうか。
ぼぉ~っとして歩いていると、何やら視線を感じます。その視線の先を辿ってみると、学童保育で一緒だったM毛さんの奥さんではありませんか。すかさず「こんなとこで何やってんの?」と尋ねたら、一週間前に葬式で顔を会わせてるのに「どっかで見たことあるおじいさんや」と思ってたとか、とにかく店を出してると言います。店には旦那さんも(『ごちそうさん』に出てくる作家・室井に性格までそっくり)居て、ネコの人形や梁型を売っていました。彼らは私が通っていた高校の近くにある工芸高校出身で、付き合いの有った頃はチラシや絵や文字を書いて生活していましたが、今はこんなものまで造ってるんで驚きました。とにかくネコの好きな家庭やったし、さもありなんと思いながら、「家の犬のん造ってえや」と言うと「写真持って来たらできる」「フレブルなら造り易いかも」などと言われましたが、「高うつくで」とも付け加えられました。一番かわいらしく出来てると思ったマグネットを買って帰りました。