先々月末まで勤めていた会社が、来年度から50歳定年制を廃止すると発表したそうです。今行っているハローワークでも会社が50歳で定年させているとうことを言うと、職員の方は「いくらなんでも早過ぎますね」と言っていました。2002年から始まったこの50歳定年制は50歳で定年させて、以降はグループ会社で60歳まで賃金を2~3割カットして働かせ、その後は時間給で65歳まで雇うという労働者の生活にとっては過酷なもの、定年延長法の網の目を潜っていると指摘されても仕方ありません。一方50歳で定年するなんていややと表明した労働者に対しては(私もそのうちの一人なのですが)、他所の地方へ行ってする仕事に必要なスキルや必然性など無いにも拘らず遠隔地配転を強行、遠距離通勤や単身赴任などで通勤費は月に10万円以上(月10万では年120万も要るのですよ)も費やし、借り上げマンションにしても月5万円をも無駄にしながらイヤガラセを続けてきたのでした。会社の収益を黒字にするためのリストラは、他方でこんな無駄遣いをしていたのです。この10年の間には大阪や北陸、あるいは四国などから配転させた労働者から裁判を起こされ、会社側が敗訴しています。
この方針の変更には何らかの経緯や意図がある筈ですが、そのようなことは明らかにはしていません。ただ会社と一体となって50歳定年制を推し進めてきた労働組合が“採用から65歳まで働き甲斐を持って安心して働き続けられる制度”の確立に向けた取り組みをするという方針を作った拠り所が、組合員の「(年金収入がある65歳まで)働かなければ生活が成り立たない」という多数の意見であり、自ら推し進めてきた方針を180度転換せざるを余儀なくされたのです。会社には会社なりの意向があろうとは思いますが、会社と言っても法人と言う人格があるわけで、人間ならば失敗をしたなら反省をして新しきに備えるという行為をするものなのですが、この法人と言う奴は失敗だったと思っているのかいないのか、反省の言葉が見られません。
きっとイヤガラセで配転させたのに、案外イキイキと楽しんでいる労働者を見て、「効果が無かった」などと思っているのかも知れません。
来年からは50歳定年制が無くなるわけですが、私までの10年は良い(決して良いものではありませんが)としても、以降50歳での定年を拒否した人たち(要するに私たちと同じ職場の人たち)への対処が迫られるのだと思うのですが、具体的な話は一切聞こえてきません。踏んだり蹴ったりなのは50歳で定年を選んでしまった人たちです。制度が始まってから来年までの11年間に50歳で定年を選んだ人はかなりの数に上るのです。今年50歳定年を迎えた人と来年からはそのような制度の無い人では、同じ職場で働くのに生涯賃金が違ってくるはずです。自分の一生の中でたまたま制度のあった11年間(11年間に20年分の人がいるのですよ)に50歳になったというだけで、そういう不利益を蒙っても良いものなのか、50歳で定年を選んだ人も、拒否した人も共通して貧乏くじを引かされたと言っても過言ではないでしょう。
さて、本題の(どっちが本題か解りませんが)『おじさん図鑑』、私も他人からオジサン呼ばわりされる歳になってしまいました。若い子たちから見ればずっと歳を取っているからオジサンなのでしょうが、自分的には(年齢的には自覚しているのですが)オジサンなどという意識は毛頭ない、そんな範疇には入ってないと思っているのです。なので小学館から出版されたこの『おじさん図鑑』という本を見つけたので、私はどの分類に入っているのか確認しようと思って購入したのでした。
子供の小さい頃に福音館書店発行の『遊び図鑑』という本を買っていろいろ試した経験がありますし、確か『冒険図鑑』というのも買った筈ですが、そちらは見当たりません。こういう手の図鑑って結構面白いのです。
中を少し見せてあげます。こうやってオジサンを分類しています。
例えばかわいいなどと言うのは客観的な分類ではなくて、かなり主観的な分類です。ですから科学的な根拠を持った図鑑ではないのです。
イラストが面白いと言えば面白いのですが、全てがカラーなのではありません。
このように写真のページもあります。最後の方に20人程度のインタビューが載っているのですが、好きな女優に挙げられている上位から米倉涼子で3票、蒼井優ってどんな人か知りませんが2票、もう一人2票得たタレントがいましたが、なんと南沙織!?って・・・やはりオジサン丸出しですね。
ほとんどが東京取材なので、私とは感覚が違うなぁと思ったりもします。去年の12月に初版発行でもう6刷目ですから、結構売れているんですね。帯に“全ての若者に捧ぐ”などと書かれていますが、どれだけの若者が買ったことやら・・・オジサンが他のオジサンのことを知ろうとして買った方が多いような気がします。