おはようございます。
商品の仕様が、その商品が売れるために一番の要因として考えてみてください。しかも市場にない新規商品や自社のチャネルがまだ経験のない商品の仕様についてです。実は、その仕様の良し悪しは企画会議の出席者すら良く分かっていません。ですから売れるか売れないかは売ってみないと本当には分からないわけです。
新規商品が画期的であればあるほど、経験者ですら今までの知識では判断できません。新規だから仕方ありません。そこで、このケースの企画決定の条件を考えてみましょう。実は今日の話も第6章には書かれていません。道義的責任があると思い、当時は書けませんでした。今改めて思い出し、下記に4項目の箇条書きにまとめました。
1)企画案の賛意を求めた事業本部長が反対しないように、事前に説明しておく。
2)各営業本部長からありそうな想定質問の答えを、事業部長に渡して意見を聞く。
3)競合他社の販売状況など、見やすいプレゼン資料を企画担当者にお願いする。
4)本部長や営業本部長の質問を想定し、事前事業部内会議でQ&Aを配布する。
企画課長として企画担当にお願いしことがほとんどです。1)は企画会議の直前に私が朝一でしていました。事業部長が勧めたからです。注意すべきは以上です。
以上はとても微妙です。手段を分かり易く本に書くのは大変でした。企画部長兼務の事業部長はせっかち。好きにやれと私に言ったお方。不味いと思えばダメ出しするだけでした。おまけに書院の企画係長は真面目なコツコツタイプ。上司の言う通りに何でもやろうとする人でした。
係長に過大なことをお願いしてはいけないと私は思っていました。詳しく言えないこともありました。実は私が逃げ出した後、彼は出世しました。技術本部を立て直そうと、幕張に単身赴任、ある日、突然死してしまいました。本当にもったいない人でした。南無大師金剛遍照。
私の奈良時代の本部長は私を採用してくれた電卓博士。彼は危険を恐れず、難しい技術を開発する人。商品の仕様や生産設備に革新的な技術の採用を決断をする人。複写機ビジネスがシャープで成功したのは他社から転社した技術者に任せたから。電卓博士は凄い度胸の人でした。
奈良時代、私が転社した当時の企画課長が私の先生でした。全社の利益は複写機が稼いでいる、電卓も液晶も電卓博士だから成功した、と教えてもらいました。私はシャープの電子レンジを入社前から使っていました。これも電卓博士が試作機を開発し、社長が電化事業部に移管したそうです。
課長はアメリカ駐在経験者、とてもオープンな正直な人でした。英会話も得意。私が後任者。私はついていました。
今日はここまでにします。