今日の「 お気に入り 」は 、インターネットのフリー百科事典
「 ウィキペディア 」掲載の記事 「 人口ピラミッド 」から 、
備忘の為 、抜き書き 。昨日の続き 。
引用はじめ 。
「 形
人口ピラミッドがどのような形になるかは 、その地域に住む
人々の経済的な 豊かさが強く関係している 。
自然増減による形の変化
第一段階…富士山型
いわゆる「 多産多死 」の人口ピラミッドである 。産業革命
以前の世界においては 、世界中のほぼ全ての地域でこの形で
あった 。当時の世界の経済の総生産は農業の総生産とほとん
どイコールであったが 、技術が未発達で生産効率が悪く 、食
料の生産量は農地の面積や気候・環境によって制限されていた
ため 、人口の増加は ほとんど発生しないか非常に緩やかなも
のであった 。労働力が多く必要となるので 出生率が高いが 、
衛生環境が悪く栄養が不足しがちなため 子供の死亡率が非常に
高く 、人口ピラミッドは 底辺から上に向かうと急激にすぼまっ
てゆく 富士山型の形状となる 。
今日においても 、サブサハラアフリカを中心とした多くの後発
開発途上国ではこの形がみられる 。サブサハラアフリカ諸国の
多くは 合計特殊出生率が 4.0 以上 と非常に高く 、乳幼児死亡率
もやはり高い 。ただし これらの国々においては 上記の『 人口の
増加は ほとんど発生しない 』という部分が当てはまらないケース
が多く 、乳幼児死亡率が高い富士山型を維持したまま 、ピラミッ
ドの裾野がどんどん広がる形で人口が増加している 。
第二段階…ピラミッド型
18世紀に入ると イギリスを皮切りに産業革命が起こる 。製造業や
技術が発展したことで 食料の生産効率が飛躍的に向上し 、医療も
進歩したため 子供の死亡率が大きく低下した 。その結果 、社会は
『 多産少死 』となり 、人口が 急速に増え始める( 人口爆発 )。
人口ピラミッドは ピラミッド型 となる 。
ピラミッド型の人口ピラミッドは フィリピン 、インド 、パキスタ
ン 、メキシコ などの アジアや中南米の新興国に多くみられる 。
この形は すなわち若年層の割合が多いことを意味しており 、経済
成長においては非常に有利な形となる( いわゆる 人口ボーナス )。
2020年代現在の 世界全体の人口ピラミッド はこの形に近い 。
第三段階…釣鐘型
技術や医療が発達し 、子供の死亡率が低下すると 、生まれる子供の
大半が老年期まで生きられるようになるため 、労働力を確保するた
めに子供を多く持つ必要がなくなる 。その結果 徐々に出生率は低下
し 、『 多産少死 』から『 少産少死 』へと転換する 。人口ピラミッ
ドは 釣鐘型 となり 、人口の増加が 次第に緩やかになる 。
この形は アメリカ合衆国やフランスなどの先進国や 、トルコやブラ
ジルなどの一部の新興国でみられる 。
第四段階…つぼ型
人々が経済的に豊かになると 、出生率は さらに低下していく 。
1970年代に入ると 、日本 、ドイツ 、オーストリア 、イタリア など
多くの先進国において 、合計特殊出生率 が 人口維持に必要とされる
2.1 を大きく下回るようになった 。その結果 人口ピラミッド は 、底
辺がすぼんだ つぼ型 になる 。この形になると 人口は ほぼゼロ成長
となり 、やがては 減少 へと転じる 。
この形は 1990年代以降 、日本 、韓国 、シンガポール 、一部のヨー
ロッパ諸国など 、先進国で多く見られるようになる 。これらの国々
は 合計特殊出生率 が 1~1.5 程度 と低く 、少子化が起こっている 。
しかし 21世紀に入ると 、先進国のみならず 中国 や タイ といった
発展途上国・新興国 においても 出生率の急速な低下が起こっており 、
つぼ型の人口ピラミッドは 先進国特有のものではなくなっている 。
第五段階
少子化が続くと やがて高齢化と人口減少が急速に進み 、高齢世代に
ボリュームがあり 、そこから若くなるにつれて細くなってゆく形の
人口ピラミッドとなる 。世界で最も高齢化率が高い 日本 などは すで
に この形に近づきつつある 。また将来的には 、日本同様平均寿命が
長く少子化が続いている 韓国 や 台湾 のほか 、クロアチア 、ギリシ
ャ 、スペイン といった 南欧の国々 でもこの形になる とみられている 。
NHKの『 縮小ニッポンの衝撃 』では 棺桶型 と表現されていた 。
第五段階以降については 、やがて出生率が回復し 再び 釣鐘型に近い
状態に戻るとする予測と 、出生率は回復せず 減少が続くとする予測が
出されている 。ただし 国家単位でこの段階に突入したケースは 21世紀
前半の現時点では 未だ存在しないため 、断定できない状態である 。
経済成長が急速に進むと 、段階の移り変わりもより速い 。例えば 中国・
台湾・韓国などの東アジア諸国は 、第三段階( 釣鐘型 )を ほとんど経る
ことなく つぼ型 へと変化している 。これらの国々は 1990年代から2000
年代頃にかけての急速な経済成長に伴って 出生率も急激に低下し 、高齢
化率が欧米や日本に比べてまだ低い時期に 、すでに 年少人口比率は世界
最低レベルまで低下した 。人口ピラミッドは 上端と下部がすぼみ 、中央
部が 大きく膨らんだ ダイヤ のような形になる 。これは すなわち 生産年
齢人口の割合が非常に高いことを意味するが 、将来的には生産年齢人口
にあるボリュームゾーンが一気に高齢者になるため 、高齢化率の急激な
上昇による社会保障制度への大きな負担が懸念される 。
また 、中には 北朝鮮 や ウクライナ のように 経済的には非常に貧しい
にもかかわらず 釣鐘型・つぼ型 になっている国や 、逆に イスラエル の
ように 所得が高くても ピラミッド型 を維持している国 も存在する 。 」
引用おわり 。
( ついでながらの
筆者註 : 「 合計特殊出生率( ごうけいとくしゅしゅっしょうりつ 、
total fertility rate 、TFR )とは 、人口統計上の指標で 、
15~49歳までの 既婚・未婚問わない 全女性の年齢別出
生率を合計したもので 、女性人口の年齢構成の違いを
除いた『 その年の出生率 』 を意味する 。年次比較 、
国際比較 、地域比較 に用いられている 。一人の女性が
その年齢別出生率で 一生の間に産むとしたときの子供
の人数に相当する 。この指標によって 、異なる時代 、
異なる集団間の出生による人口の自然増減を比較・評価
することができる 。 TFR が 、その国の人口置換水準を
切ると 次世代の人口が自然減する 。
2021年時点で 先進国で TFR が 2.1 を超えているのは 、
男女徴兵国家で 妊娠中と育児中の既婚女性は兵役免除
される イスラエル ( ユダヤ人女性 3.1 、内訳 : 世俗派女
性 2.4 ・ 超正統派女性 6.9 ) のみである 。
既婚女性の出生力の指標には 完結出生児数 があり 、
これは 結婚経過期間 15-19年の夫婦の平均子ども数から
計算される 。似た指標に 既婚女性が一生の間に産む子
どもの平均数を示す 、合計結婚出生率( 英 : Total Marital
Fertility Rate 、TMFR )がある 。」
以上ウィキ情報 。 )