「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

日々の教え 2004・12・27

2004-12-27 07:00:00 | Weblog
  日本の大企業の多くで70歳を優に越えた老頭児が、相談役や顧問の肩書きを会社から貰って、いつまでも

 会社の禄を食み続けている姿が見られます。前世紀からの悪しき慣行です。

  経営者に限らず、現役を去った人間の影響力を感じさせるものなど現役の人間にとって邪魔なだけです。況やその姿をやです。一見

 冷徹なように見えますが、「年寄りを大事にしない」のとは話が違います。

  高齢の政治家や宰相経験者がいつまでも表舞台にしゃしゃり出て、影響力を誇示するお国柄ですから、高級官僚もそれに倣えとばか

 りに、退官後延々と70歳を越えるまで外郭団体を「渡り歩き」、何度も退職金を懐にし、我欲を満たすのです。「生涯賃金で民間

 会社の社長クラスと変わらないのだからいいだろう」というのが彼らの「たかり」の言い訳です。「官」がそれなら「民」も倣えと、

 陋習がなくなりません。清貧の思想は影を潜め、見苦しい限りです。

  かの福沢諭吉先生が自分の息子たちに与えた「日々の教え」というのがあります。

  6か条の掟の4番目に曰く「ぬすみすべからず。ひとのおとしたるものをひらふべからず。」、5番目に曰く「いつはるべからず。

 うそをついてひとのじゃまをすべからず。」、また6番目に曰く「むさぼるべからず。むやみによくばりてひとのものをほしがるべか

 らず。」とあり、「みみをさらへてこれをきき、はらにおさめてわするべからず」と仰っています。

 今日の「お気に入り」は次の一首です。

 「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花は花なれ 人も人なれ」 (細川ガラシャ)


 私には中曽根さんより細川さんの方が好もしく思えます。


 
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