「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

残り時間 2004・12・25

2004-12-25 07:00:00 | Weblog
  以前、ある週刊誌に「人生は51から」という題のエッセーが連載されたことがあります。

  このタイトルには50代になって「人生まだまだこれからだよ」というニュアンスが込められていたように思うのですが、

 その半面、人生の黄昏時にさしかかり「今までのようなペースで過ごしていていいのか、残された時間はそう長くはないぞ」

 という自戒の気持ちも込められているように感じたものです。自身の年齢と重なっていたことからタイトルだけに目を惹か

 れ、執筆者には申し訳ないのですが、中身を熱心に読んでいた訳ではないのです。

  会社勤めのサラリーマンにとって定年は表向き60歳となっていても、現実には52、3歳の年齢になれば、退職金上乗せ

 の繰り上げ定年退職や関連会社への出向・転籍ならまだしも、ばっさり解雇といったリストラの対象になることもあるという

 のが世間では普通のことになりつつあった時代でした。つい二、三年前まではまだまだ他人事と考えていたことが、漸く我が

 身の上に降り掛かってきて、今後の身の処し方について真剣に考え始めた50歳の頃でした。

  その頃、心に決めたことが三つありました。

 ・会社を退職した後の時間は専ら自分および家族のためだけにつかう。会社勤めはしない。

 ・55才までに退職後の生活基盤を確立する。

 ・後から来る人の通り道を邪魔するような真似はしない。 

  若い頃は余り意識することのなかった「父親が亡くなったときの年齢」を強く意識するようになったのも50歳を過ぎた頃

 のことです。自分の人生の「残り時間」はそう長くはないかも知れないと考え始めた時期でもありました。
 
 私の父親は、私が8歳の頃、平均寿命が80歳という現在と比べれば若死にといってもよい、55歳で亡くなりました。

 自分がその年齢に達してみての感想は、「55歳まで生きるということはそれはそれでなかなか大変なことだ。若死になんか

 ではなかったんだな。」というものです。

  今の自分は、それを越えてさらに年齢を重ねています。NHKの朝ドラでよく耳にする台詞「生きちょるだけで丸儲け

 (略してイマル)」です。
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