「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

芭蕉翁 2004・12・18

2004-12-18 07:00:00 | Weblog
 世の中に絶対的なものなどないと考えています。絶対的なものがあると考えたい、信じたいと思う人

のためには宗教や信仰の道があります。

 人の気持ち、感情はうつろいやすい、相対的なものの代表です。人の口から出る言葉も、考え抜いた末のものでない限り、

その場その場の思いつきの、思いやりのないものになりがちで、人を傷付けることに臆病な人間は、寡黙にならざるを得ません。


 今日の「お気に入り」。

「物いへば 唇寒し 秋の風」 (松尾芭蕉)


 芭蕉にしては珍しく、理理屈っぽい感じのする句です。

 「人の短をいふ事なかれ、己が長をとく事なかれ」という前書きとともに、「お気に入り」リストに加えています。人の批判を

したくなるとき、自慢したくなるとき、自分を戒める言葉として思い出します。

「俺が、俺が」の人間に出会うと引いてしまいます。人間 常に humble でありたいと思います。

 沢山の人がひしめきあって生きるこの世を、お互いできるだけ安穏に生きるための「知恵」が常識や中庸の精神であると

 思っています。当然絶対的なものではありえません。

 
 
コメント
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