「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

災 2004・12・28

2004-12-28 07:00:00 | Weblog
  毎日のように幼い子供たちの受難のニュースが流れています。子供たちを標的にする異常犯罪の脅威を

 含め、今の子供たちは、私たち大人が幼かった頃と比べると、格段に強いストレスに日常的にさらされています。

  昔だって学校に行けばこわい先生もいれば、いじめっ子だっていたぞ、家に帰って近所で遊べばこわいガキ大将もいたし、家は

 家でこわいおやじがいたし、夫婦喧嘩も絶えなかったと、昔の子供にもストレスはあったとおっしゃる方がおられるかも知れませ

 ん。確かにそのとおりで昔もストレスはありました。しかし、昔からあるストレスに加えて、新手のストレスが間断なく今の子供

 たちを見舞っています。

  子供はいつの時代も変わらず、感化を受けやすいものですが、子供に感化を与える手段の方は、昔と比べ、爆発的に増えました。

 私たち大人同様、子供たちの目や耳を塞ぐことはできませんが、私たちの努力次第で、子供が私たちのようになることを防止する

 ことは出来るかもしれません。
 
  とくに自我の目覚める前の子供たちを、無差別な情報の洪水から守り、彼らの情操が育つのを助けるような良質の文物を選択し

 て与えることが何よりも大切なように思います。

  もうひとつ、世の大人たちの子供に対する期待が、その子供が生まれつき持っている能力不相応に大きいこともストレスになっ

 ているに違いありません。どこの親も自身の目指すところが、より良い暮らし、より多い収入ということになっていますから、

 自分の果たしたことを子供にも果たせというのは勿論のこととして、自分が果たせなかった、あるいは果たせそうにないことまで

 子供には果たせということで、良い幼稚園、良い学校を目指す、そういった社会全体からのプレッシャーというか、画一的な考え

 方が蔓延しているように思います。もっとも、こちらの方は、子供たちの自己防衛本能がしっかりと働いていて、親たちに取り付

 いている幻想を打ち砕いてしまいます。大人たちの自分勝手な期待など知ったことではないのです。傷つき、苦しみながらも、し

 たたかに立ち上がってくる若者が数多くでてくるに違いありません。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする